goo blog サービス終了のお知らせ 

マリアテレジアの独り言

日々の生活の中で見つける・・
  小さな感動をつづります。

マウントレーニエ 国立公園の散策

2008-08-18 21:47:48 | 父の日。母の日。結婚記念日。
シアトルの街からも南方に、そのすそ野を広げそびえている堂々とした独立峰の姿を見渡せる、レーニエ山(4392m)
公園の97%は自然環境保護地域に指定されていて、一年中緑の絶えることのないレーニエ山

レーニエ山の最高のパノラマポイント(標高2,074m)までを往復する、スカイライン・トレールと呼ばれる、展望の良い往復8km・4時間コースのハイキングを楽しみました。

レーニエ山は・・・
シアトルの85マイル(140km) 南東に位置する、「世界一大きな建物」と呼ばれる、今でも活発な火山活動を続けているカスケード活火山で、最近では100年ほど前に噴火しました。(100年前を”最近”と表現するレーニエ山での時間の感覚は、俗世界の私達の時間の把握とは全く違うと、大いに感激の私でした。
頂上は、周辺の山脈より,8000フィート(2500m) も高くそびえ立つ、独立峰。
頂上とその側面は、90平方㎞の雪の氷河に一年中覆われています。この雪融水と大量の土砂が、下流域の豊な生態系を支えています。
その、アプローチの良さと一年中氷と雪に囲まれている珍しさのため、アメリカ国内で最も人気のある登山スポットです。 毎年9千人以上の人々が、レーニア山登頂を試みますが、登頂率は約50%にすぎません。 氷河歩きとなるので、経験のある登山ガイドとロープを結んだ登山で、頂上までは3日間かかるそうです。

その山容は富士山に似ており、山を臨むことの出来る「タコマ地区」に、戦後米国兵と結婚された日本女性が多く住み、山を見ながら祖国日本を偲んだそうです。それ以来、日系人の間では「タコマ富士」として親しまれています。 (日本人が、米国本土に最初に移民として上陸した土地が、シアトルだそうです。そのシアトルに近いタコマ地区では、いろいろの歴史があるのでしょうと、先輩方の業績を偲び感謝しました

私達夫婦は、案内人と車をチャーターして、山に入ることにしました。(一人200ドル)
シアトルから、トレキングの始まる 「パラダイス地点」 まで、ルートI-5を南下して、「タコス地区」 を過ぎたところで、7号線に乗り換え、あとは1本道です。
走る道中の地域の持つ独特の景観を楽しみ歴史を習いながら、順調に飛ばし、2時間半で「パラダイス」に着きました。
公園の入り口で、車1台当たり$10の入園料が必要でした。
パラダイス到着後、先ずはサンドイッチの昼食です。 山で食べると格別に美味しい。
トレッキングシューズに履き替え、水とカメラだけの身軽で、いざ!ハイキングです。
マウントレーニエのベストシーズンは、7月8月で、特に、7月下旬から8月中旬にかけて、たくさんの高山植物が咲くそうです。
幸いに、今年は雪が最近になってやっと解ける、春の到来の遅い年だったので(所々に雪が残っていました)、この2週間ほどで一気に高山植物が咲き初め、今日は今年の最高の時期だそうです。 原生林の樹海が広がる山のすそ野一面に、高山植物が咲き誇っていました。 私も、 短い時期の鮮やかな色の花々を楽しめました。
周辺ではマーモットなどをはじめとするたくさんの野生動物を目にすることができるそうで、私は、鹿、ワイルドターキー、他3匹に出会いました。

トレッキングを楽しむ写真の私の側を 、赤ちゃんをっこしたママと幼児を背中に負ぶったパパの若いカップルが仲良く登って行きます。
欧米の人達は、家族でトレッキングを楽しむ文化が、どの国にもあるようですよね。
手つかずの自然が全体の97%を占めるマウントレーニア国立公園は、年間に約200万人が訪れているにも関わらず、(子供達も沢山います)ゴミ一つ見当たらないのは、本当に素晴らく関心しました。  富士山がいくら世界遺産の登録願いをしても、登山者の意識が育ち富士山が美しくならない限り、登録は無理でしょうと思いました。  Mt・レーニエでも世界の観光地のスイスの山々でも、ゴミを見ることはなかったので、富士山だからゴミをなくすことは出来ないということは、言い切れないはずですからね。 
高山植物保護のために全行程に、入らないように低い册がしてあります。 その中に入ってキャーキャーといいながら写真を撮っているのは、今日見かけた唯一の日本人でサンダル履きの、二人の若い女の子でした。

氷河と冬季の残雪との違いは実際に見ると一目瞭然。氷河の色は神秘性に満ちた、水色をしています。  ワシントン州の車のナンバープレートの背景は、水色のレーニア山が、画かれています。 ワシントン州の人達が、レーニア山を大切にしている気持ちの表れでしょうね。(バークレーのプレートは数字が並ぶだけ)

お天気にも恵まれた今日は、帰路でも、レーニアを鏡のように湖面に映す 「リフレクションレイク」 で、本物と水面上の山の二つを同時に、美しくながめることが出来ました。
山を一面におおう氷河の山を見ながら楽しむトレッキングは、悠久の時の流れに思いを馳せ、悠久の時の流れの中の、ほんの一時に過ぎない人間のこの世での命の短さを考え、心が癒されていくトレッキングでした。




かの人「ビル・ゲーツ」・・・・・「アメリカの偉大さ」

2008-08-18 17:25:06 | 父の日。母の日。結婚記念日。
16日(土)に、私は、「ビル・ゲーツの家」 を見てきました。

50億円以上(はっきりは分かりません)のお金をかけ、建設に7年かけたビル・ゲーツの家 見学も含まれるツアーに参加して、ゲーツの家を見てみたいという私は、お恥ずかしながら”ミーチャンハーチャン”です。
ビル・ゲーツが現在でも、世界一金持ちの事業家として活躍していたなら、私はゲーツの家に何の興味も持ちませんでした。(金持ちの家にすぎませんから)
しかし、今年の6月に、ゲーツが今までの事業のずべてをやめて、1慈善家としての人生を歩みはじめられたと知り、それだけの転換をなさる哲学をお持ちの方が建てる家はどんな風な家なのだろうと、私は非常に興味を持ちました。

ゲーツ家見学も含まれるアゴシー・クルーズ(エリオット湾めぐり)には都合で参加できず、個人の案内の方に、ゲーツの家を遠目に見せてもらいました。
ゲーツの家は、湖に面する、大変静かな場所にありました。
家は、周りからの視界に入らないように、森に囲まれていました。
毎日何便ものクルーズ舟が、自分の家を観に来るようになって、ゲーツが自分の家を大きな木々で囲ってしまったとのことでした。  当然のことです!  

「ゲーツの家をご覧になって、どんな感想ですか?」と、案内人が私に訪ねます。
案内の方の説明では、ゲーツは非常に人間的に質素で地味な方だそうです。 
社長になっても、車はトヨタのカブに乗り、会社に社長用の駐車場は作らず社員と同じところに停めていたそうです。
出張のときの飛行機は、決して1stクラスに乗ったりすることなく、社員と同じエコノミークラスに乗られたそうです。

森の中のゲーツの家を見れない私は、ゲーツの人柄を、今まで以上にあれこれと想像しました。  想像した私は、ゲーツをしっかりと知りたくなって、ゲーツの事業について調べました。

ビル・ゲーツ氏が自分の財産をなげうって立ち上げた、ビル・ゲーツ夫妻が運営する 「ビル&ミリンダ・ゲーツ財団」 の慈善事業を、別名「Billanthropy」(ゲーツの人類学?)とも云うそうです。
その事業に、世界第二の大富豪ウォーレン・バフェット氏が賛同して、財産(440億ドル)の85%(374億円)、を寄付されたそうです。
世界一位と2位の大富豪の協力で生まれた慈善事業の規模は、600億ドルになり、日本円に換算すると約6兆6千億円です。
この額は、国連の通常年間予算の約35倍となるそうです。
富豪の寄付団体のロックフェラー財団やカーネギー財団がありますが、設立時の寄付を現在の価値で換算するとそれぞれ、76億ドルと41億ドルであり、今回のバフェット氏の寄付は、370億ドルであり、桁違いの規模です。
その額は、途上国40カ国のGDPの合計を超えるスケールです。

「大富豪の協力は世界を変えるパワーがある」 と言っても過言でないということのようです。

アメリカのODA(政府開発国援助)は、世界一です。
そして、その世界一の内訳は、民間セクターやNGO等を含む米国民間人からの支援が710億ドルで、米国政府のODAの約3・5倍なのだそうです。
世界一のアメリカのODA(開発国援助)は、民間人の寄付で成り立っているということです。
 
米国の途上国への援助の特徴は、政府間の援助より、財団、企業、大学、宗教団体、個人の送金や寄付などの、民間セクターの援助が、中心だそうです。

『ゲーツ氏がマイクロソフトの事業から退くことを表明し、その慈善事業を本格的に推進したり、バフェット氏が全財産の大部分を寄付した、「目的」 はどこに在るのだろうか?』
『ゲーツ&バフェット慈善事業が、「意味」、するものは?』
との二つのテーマで、ワシントンのハドソン研究所が開いたシンポジウムの結論を、探し当てました。

結論内容ー1
「中途半端な額でなく、ものすごく大きな富を築いた人物は、地球、人類全体という大きなスケールで、共生の理想を、考察するものである。

市場システムは、途上国の貧困層には機能していなく、貧富の格差を埋めるためには、途上国支援が必要となる。
貧富の格差は、グローバリゼーションの影であり、紛争の種であり、天然資源の無駄使い、自然破壊につながる。

政府開発援助は重要であるが、効率的、透明性のあるプロフェッショナルな運営を行うためには、民間やNGOの活力が、不可欠である。
政府開発援助の分野だけで途上国支援を評価する見方には、偏見がある。
途上国を支援するために求められているのは、開発援助のための新思考である。
保守的な考えや行動でなく、失敗を恐れず実行するチャレンジ精神が、求められる。

開発援助のための新思考を、実現させるのが、新しいタイプの慈善事業である。

財団や慈善事業には、寄付をした人物の理念がある。
公共性も重要であるが、個人の明確な理念やビジョンが開発援助のあり方、ひいては世界を変える潜在性を、秘めている。

資本主義のマイナス面の溝を埋めるのが、宗教や哲学である。
プロテスタントやカトリックは、弱者を救う精神、それが米国のキャピタリズムの魅力であり、慈善事業として機能している。

技術革新や投資で才能を発揮し大富豪となったゲーツ氏やバフェット氏には、先見の明がある。

今後、慈善事業が、ビジネスとして発展する可能性がある。
ゲーツ&バフェットの例が起爆剤となり、事業に成功した富豪は、慈善事業に取り組む例が増えると、予測される。
20年後には、ゲーツ財団よりもっと大きな財団が、たくさん存在すると、考えられる。

ゲーツ財団が、マラリア、エイズ等の健康問題、教育、マイクロファイナンスに特化しているように、財団の専門化が進む。
税金問題を含め、企業、NGO、慈善事業のあり方に、社会意識が高まる。」

結論内容ー2
「グローバリゼーションや地球温暖化の現代の問題に対処するためには、国家や組織というフレームのみならず、国家を超えた共生や博愛が重要となる、と考えられる。
それは、個人の感性や理念で、生み出されるものであろう。

ゲーツ氏は、先見のある目で、国家を越えた慈善事業を、始めた。」

との結論でした。

ゲーツ氏は、個人の感性や理念から、国家を超えた共生や博愛が重要となると考え、新事業を始められたということのようです。

ビル・ゲーツ氏が自分の財産をなげうって始めた、ビル・ゲーツ夫妻が運営する 「ビル&ミリンダ・ゲーツ財団」は、その企業規模は600億ドルとのことです。
その内訳は、ビル・ゲーツの寄付金が226億ドル。 ゲーツの考えに賛同して、世界第二の大富豪ウォーレン・バフェット氏が寄付した寄付金が374億ドルでしょうか?
ビル・ゲーツの新事業名は、立ち上げたビル・ゲーツ夫妻の名前で作り、その名が今も残ります。
寄付金がビル・ゲーツ氏よりもはるかに多額のウォーレン・バフェット氏が、事業名に自分の名前を連ねることなく、「それで良し」 とするバフェット氏に、最高の畏敬の念を抱き、頭が下がる私です。


ゲーツ氏やバフェット氏の中に根ずく、キリスト教国の 「アメリカの偉大さ」 を、ゲーツ家見学から、改めて知った私です。


私の、長いブログと云うか、知った知識の披露の文章を、お読み下さり有難うございました。
お読み下さり、ビル・ゲーツの生き方と私達の生き方を、ご一緒に考えさせていただきたいと思い、書きました。