WALKER’S 

歩く男の日日

23日目 (2) マンホールに子規の句

2008-07-31 | 08年四国の旅
 太山寺は二の門から本堂までかなりの距離がある。そしてかなり登らなければならない。普通にお参りするだけでも20分を要する。でもまだ10時過ぎ、今日歩く距離はあと18kmだからかなり休憩できる。靴の中はびしょびしょ、でもまだ雨は降り続いているから新しい靴下に履き替えることはできない。前に痛い思いもしたので、とてもその勇気は出ない、でも足は冷え切ってすごく気持ちが悪い、また濡れた靴下を履くかと思うと気持ちも萎える。動かないと寒い、風も強くなってきたようだ。30分の休憩で足は乾くけど、いくら絞ったところで靴下が乾くわけはない。そのまま履くと足がしびれたような感じですごく歩きにくい。久々に違和感をたっぷり感じながらの出足になる。歩き始めの数分はとても普通の状態ではない。我慢しながら何とか2km先の円明寺まで辿り着く、当然のごとく1分の遅れ、この状態で雨の中では納得するしかないところです。
 円明寺でお参りを済ませる頃には靴の中が暖まってきた、水分はたっぷり残っているものの違和感はほとんどなく歩きやすくなっている。円明寺を出て1km、ローソンで昼食を買う、気分はだいぶ良くなってきた。円明寺を出ると、昨年は11km先の北条郵便局まで休憩をとらなかったけど、今年は、雨も降っているし時間も充分あるし昼食もとらねばならないので、光洋台駅で休むことにする。5kmぐらい先になる。 光洋台では18分の休憩、まだ雨が止む気配はない。光洋台からは、JRの東を走る国道バイパスを行く、西側の国道196号は遍路道だけどすごく歩きにくい。数メートルおきに絶えず歩道の段差があってものすごい負荷がかかってくる。何度歩いても慣れないし、精神的にもダメージを受けるので、昨年からバイパスを行くようになった。バイパスの歩道は広く段差もないし距離も全く変わらないのでいいことずくめだったけれど、今回はそうでもなかった。バイパスは吹きさらしだった、風が強くなってきて傘がつぶれそうになる、まだ日程は3分の1も残っているからここで傘を壊されてはたまらない。傘をたたむ、本当ならここで合羽の出番だけれど、風の強さの割に雨量は大したことがない、かなり細くまばらな感じなので、濡れながら歩くことにする。合羽を着ても内側からこれくらいは濡れてしまうことだろう、それなら合羽を乾かしたりたたんだりする手間を避けるのが賢明というものだ。でも風はすごい、北条の海は「風早の海」と言われるそうだ。本当にそのままではないか。泣きそうになりながらなんとか6kmのみちのりを耐えきる。タイムはそれでも昨年と同じだった、これだけの向かい風でタイムが出るというのはすごく意外、そういえば昨年はすごく暑かった。暑さでタイムが出ないというのは今年痛感していることのひとつだ。北条郵便局にたどり着いたものの今日は土曜日、中で休むことはできない。唯一雨が避けられる電話ボックスに飛び込む、暖かい、充分一息着ける。ついでに宿の予約を入れようとしたけど、またカードは使えない状態だった。
 電話ボックスで18分の休憩、残り4.5km、最後の山越えに向かう。山越えの道に写真のマンホールがある。ちなみに粟井坂はこの坂ではなくて、光洋台駅の近くの旧北条市と松山市の境にある坂道だそうです。
 濡れ鼠でコスタブランカに到着したのは2時半、これ以上遅くなるのは耐えられなかった。コスタブランカは昨年に続いて2回目の投宿。料理は美味いし、値段は安いし、女将さんの気遣いも嬉しい最高の遍路宿の一つです。2階は喫茶レストランで3階が宿になっている。今日は喫茶店がお休みで、到着したときのアイスコーヒーのサービスがなくて残念、でも部屋にはコーヒーのセットが用意してあった。寒いので当然ホットコーヒー。部屋は洋室でベッドが二つ、もちろん一人で入る。使わないベッドが物置になるので狭いという感じはしない。風呂は自分で入れるシステム、この値段だからそれくらいのことはしないと。同宿の人は何人かいたけどお遍路はぼくだけのようだった。
 2食付き5000円、洗濯200円、乾燥機100円。

 23日目の歩行距離 35.3km
        歩行時間 5時間31分
        平均時速 6.40km
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