WALKER’S 

歩く男の日日

29日目 岡田屋旅館にて

2017-08-08 | 17年四国の旅

 屋島で一緒だった女性はぼくより1時間以上遅れて岡田屋に到着、何をしていたかというと、洲崎寺の近くのお接待所でゆっくり食べてお話しして、もう締まり掛けの時間だったので残った羊羹やお菓子を全部いただいて、屋島で見かけた野宿の青年に再び会ったら、夕食の調達がまだだというのでもらったお菓子を全部青年にあげて、さらに八栗の登り口の近くにある仁庵というお接待所に立ち寄って、そこはすでになじみなので手作りゼリーやなんやらをまたたっぷりいただいてゆっくりお話ししてこういう時間になってしまったそうです、すごい、お遍路の達人です。地元の人と立ち話をするのがお遍路の一つの醍醐味と言われていて、何回も巡っていると、それは本当に感じることで、それを第一の楽しみのように巡っているというのは本当に素晴らしいなと思います。ぼくなどは話し下手だし、どうしても回数が多いと、自慢話のようなことが多くなりがちで、そういうのはできるだけ慎むように心がけているのでなかなか話が進まないという感じになってしまいます。ぼくはどちらかというと、話を聞きたい方です、初めての人でもベテランの人でも、いろいろ考えることや味わいや知識なども違うから、どんな人からでもどんな話しでもありがたく聞けます、


 夕食は18時30分から、これだけじゃありません、

 天ぷらが超熱々の状態で3回に分けて出てきますが、これは第2弾、第1弾のハモは撮り忘れてしまいました、ぼくはおそらくハモというものを食べるのは初めて、関西にいるとハモは京都の料亭か何かでちょっと経済力のある人たちが上品にいただくものだと思っている、もちろん京都に住んでいる人たちも普通に食べるのでしょうが、関西の西の端っこにすんでいるぼくたちには全く縁のないものだと思いこんでいます。
 その初めて食べたハモの天ぷらというものが、えっと声を上げるくらい美味しいものでした、プリッとしていてツルンとしていて白身なのに濃厚な美味さもあって、笑みがこぼれそうなほどの快感、幾度となくテレビで骨切りというものを見ていると、あれだけザクッザクッと音がするくらいだから少しくらい骨を感じるじゃないかと疑っていましたが、おもしろいほどなめらかであの骨切りがここまでなのかと自然に頭が下がりました、

 第3弾で打ち止め、隣の女性は仁庵でいただきすぎたので、第3弾は食べられなくてぼくに食べてちょうだいと勧めてきて、余裕があったので食べて差し上げました。今年は同宿の方に勧められるのはこれで3回目、くろうさぎでは女性のMさんがお肉は駄目なのでとすすめられていただいたのですが、ときわ旅館では魚料理もあったのでさすがに断るしかありませんでした、人のものでも出されたものをそのまま返すというのはせつないものがあるので、忸怩たる思いもあったのですが、あのメインを二人分平らげる自信はさすがに持ち合わせていませんでした。
 食事をしながらも、話は全然尽きません、女性は広島のTさん、食事の後に納札を頂きぼくは名刺を渡しました。
 2日前、弥谷寺に向かう道中、Sさんに、民宿大岐の浜で八十八ヶ所の奥の院の写真と御朱印のコピーをファイルにしたものを見せてもらったと言ったら、Sさんが、それと同じのを八栗の岡田屋さんで見ましたよ、と話してくれました。
そして、そのことを屋島でTさんに話したら、そのファイルを作った超ベテランの青木さんと知り合いだという、3回ほど出会ってお遍路の距離と高低のグラフになったの(多くのヘンロ小屋に貼り付けてある)をいただいたそうです。青木さんの写真を大岐の浜で見せて貰ったのですが、たぶんぼくも2年前出会っています、胸にへんろみち保存協力会のへんろ人形のバッジをつけていたので、宝寿寺で見かけた人に違いありません、青木さんは本当にすごい人で遍路宿に300軒以上泊まっている、これからさらに400軒を目指しているそうです、ぼくなどは200軒でもう充分、これ以上開拓する余裕は全くありません。
 Tさんは何回巡っているかは聞かなかったのですが、ぼくなどが知らない宿のことなどもよく知っていて貴重な情報をいただきました、まず土佐久礼のゲストハウス恵、ここのおばあちゃんとも仲良しで予約の電話でも長話するのが楽しみだそうです、恵はごく最近へんろみち保存協力会のサイトでも紹介されていて新しいへんろ地図には載るようです、土佐久礼には二つの宿があるけど両方ともクセがあるからおすすめしにくい、いい宿を教えてもらいました、
 もう一つは土佐佐賀の漁家民宿海生丸、佐賀は内田屋が廃業で宿がなくなってしまった(新しい地図では坂上が復活していますが)ので、うれしい情報です、帰ってから黒潮町のサイトを調べると外にも漁家民宿は2軒、いずれも2食付き7000円、素泊まり3500円。今年は1日20kmペースの人に会うことが多くて、やはり佐賀にも絶対宿は必要だと思いました。
 食事が一段落すると女将さんがコーヒーを煎れてくれます、そのあともしゃべりに喋って、本当に止めどがないとはこのことでした、

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