WALKER’S 

歩く男の日日

27日目 (1) 別格13番仙龍寺

2008-08-13 | 08年四国の旅
 高雄のご主人は笑顔の応対がとても感じいい。2階の部屋に案内してくれたあと、明日は何時に発ちますかと言う、「6時に出ます」と答えると、じゃあ5時半頃洗面台の横におにぎりを置いておきますので持っていって下さい。またまたお接待だ。おかしいでしょ、3000円の宿ですよ、それでにこにこしながら当たり前のようにそんな朝早くから昼食を用意してくれる、やはりお大師さんがいるとしか思えない。自分ではそう思っていなくても、お大師さんと一緒に歩いていることは否定のしようがない。そのことをちゃんと受け止めなくてはならない。
 朝になると5時過ぎに直接奥さんが部屋にお弁当を届けてくれた。おにぎりだけではなく、ずっしり重いお弁当になっていた。仙龍寺で頂くことにする。予定通り6時に出発、天気は快晴、仙龍寺への道はまだどちらにするか決めかねている。踏切を渡って左へ折れると3回投宿した大成荘、その先に市役所が見えてくる。その交差点を右の折れて100m、国道の交差点にコンビニがある。これから先はずっと山の中なので、朝の内に夕食と朝食を調達しておかねばならない。買い終わってショップの横で荷物を詰め替えようとしたら、そこに昨日会った白人女性が休んでいた。普通なら話しかけることなどしないけれど、テキサスの夫婦からフランス人の女性のことを聞いていた。宇和島であったというその女性は4年ぐらい日本語を勉強して日本に来たのでほとんど言葉に不自由はない、なのに、民宿では断られることが多くて残念がっていたという。ホテルは味気なくてつまらないという。もしやその人であれば日本語が通じるかと思って声をかけたのですが、違っていました。アメリカの人で日本語は全然だめでした。一応今日はどこまでですか、と訊いたら、三角寺へは行くけど、雲辺寺まで行けるかどうかは判らない、と言いました。あなたはどこまで、と訊かれたので、三角寺のあと別格13番へ行く、と地図を指しながら何とか伝える。「英語でしゃべらナイト」を毎週見ているくらいではどうにもならない貧相な英語力です。別格は「アザー・トゥウェンティ・テンプルズ」と言ったけど通じたかどうか心許ない。先に行きますと英語で言ったら、笑顔でバイバイのぱぁをこちらに向けてくれた。ちょっと高揚しながら三角寺へ向かう、7時20分、昨年と同タイムで到着する。長い石段を登って境内に上がると、今治の栄福寺で会ったカート遍路さんがいた。ぼくと全く同じペースで歩く人など滅多にいないからちょっとびっくり。やっぱり負担が少ないから長い距離も無理なく歩けるのだろうか。
 ここから仙龍寺に向かう道は二つある。地図では一つだけれど、住職に尋ねると山越えは避けて自動車道を行くよう薦められるそうだ。確かに山越えの標高は730m、自動車道は480mだから、相当楽だし迷う可能性も少ない。距離は長いけれど時間の差はほとんどないように思われる。昨日まで迷い続けていたけれど、さっきの女の人に楽な方を行くと言ったので、やっと自動車道を行くことに決定する。7.7kmを78分かかる。大した登りはなく、峠を過ぎれば下るだけだったから納得のスピードです。松山の西林寺であった野宿遍路さんが「仙龍寺は雰囲気のあるいいお寺でしたよ」と言ったとおり、ちょっと今まで見たことないような建物だった。写真は本堂のように見えるけれど、本坊です。本堂はこの建物の左の崖の上にあって、2階部分でつながっていて、本坊から入っていく。本尊は弘法大師なので、大師堂はない。