万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

沖縄独立公約から読み解く中国の東アジア構想

2014年05月05日 15時30分20秒 | 日本政治
 今年11月に予定されている沖縄知事選挙において、遂に沖縄独立の1年以内に実現することを公約に掲げる立候補者が現れたそうです。沖縄独立は、普天間基地問題の究極的な解決手段であると…。

 沖縄が独立すれば、日米同盟の下で駐留している在日米軍は法的な根拠を失い、撤退せざるを得ないということなのでしょう。それでは、沖縄の安全保障をどうするのか、と申しますと、韓国、中国、台湾の軍隊を置くそうです。これでは、沖縄は、防衛を他国に依存する半独立国家に過ぎず、上記の三カ国以外からは、国家承認を受けることは困難です。そして、何よりもこの構想で注目すべきは、分離後の沖縄の主たる仮想敵国は、日本国とアメリカであり、両国に対する前線基地として中台韓の軍隊を沖縄に駐留させようとしている、ということです。どう考えましても沖縄の利益になるとは思えず、米軍基地がなくなっても、より横暴な外国軍隊の駐留を受け入れるのですから、基地問題が解決されるはずもありません。沖縄独立を訴えるこの候補者の背後には、沖縄における工作活動を活発化さている中国の意図が見え隠れしていますが、この構想が中国の東アジア構想の一端を現しているとしますと、中国は、台湾と韓国を将来的に自陣営に組み込む予定であることが読み取れます。台湾では中国による併呑に対して大学生が激しく抵抗しましたが、韓国では、朴政権成立以来、急速に中国に傾斜しています。おそらく中国は、将来的に、米韓同盟が切れると読んでいるのでしょう。図らずもこの候補者は、中国が水面下で進めている構想を暴露しているのです。

 この候補者の背景を徹底的に調査しませんと正確なところは分かりませんが、既に東アジアにおいては地殻変動が起きているのかもしれません。

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コメント (2)
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