万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

人の心まで支配しようとする中国

2008年05月04日 13時38分19秒 | 国際政治
無差別発砲に友人倒れた 騒乱ラサ、自由求め脱出(朝日新聞) - goo ニュース

 かつて、毛沢東は、北京に招待したダライ・ラマ14世に対して、こう語った伝えられています。「・・・宗教は毒だ。宗教は二つの欠点を持っている。第一に宗教は民族を衰えさせる。第二、国家の進歩を妨げる」と。

 はたして、この共産主義の宗教に関する見解は正しいのでしょうか。少なくとも歴史は、毛沢東の言葉が事実ではないことを証明しています。宗教を弾圧し、抹殺した民族が発展を遂げるわけではありませんし、国家を退行させたわけでもないからです。むしろ、「・・・共産主義は毒だ。共産主義は二つの欠点を持っている。第一に共産主義は民族を衰えさせる。第二に、国家の進歩を妨げる」と言った方が、皮肉なことに、よほど、現実と一致しているのです。

 宗教であれ、イデオロギーであれ、人の心までをも縛り、支配しようとした国は、国民の思考停止状態を招き、伸びやかには発展できないものです。むしろ、宗教に寛容であり、人々の心の自由を守る国こそが、真に強く、また、可能性を秘めた国なのではないでしょうか。チベットの人々に自由がもたらされ、国家による心の支配という牢獄から解放される日が、一日も早く訪れることを、心から願っています。

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コメント (2)
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