万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

反日カードを失った今がチャンスの対中日本外交

2008年05月06日 15時55分11秒 | 日本政治
胡主席が6日に来日 中国元首10年ぶり(共同通信) - goo ニュース

 江沢民時代以来、中国の徹底的な反日教育の柱には、第二次世界大戦における日本国の戦争犯罪と戦争責任を、永遠に使える反日ガードとして温存することがありました。これは、内外に向って展開された南京大虐殺の大プロパガンダや首相の靖国神社参拝に反対する反日運動に如実に表れており、事あるごとに、真偽の検証や国際法上の合法性の議論を脇に置いて、このカードを切り続けてきたのです。

 しかしながら、チベット侵略とその後の過酷な弾圧が明らかになるにつれ、中国政府は、もはや、このオールマイティーであった反日カードを切れなくなってきたようです。それは、自らが寄って立つ道徳的根拠を、自らもまた破っていたことが、周知の事実となったからです。このブーメラン現象のために、たとえ胡主席が来日しても、中国政府は、日本国に対して威圧的な要求を行うことができなくなったのです。しかも、日本国への非難の根拠としている行為は、有事の際の過去の出来事ですが、中国の弾圧行為は、平時であって、しかも現在進行中なのです。

 今となっては、中国政府は、日本国に対して高飛車な態度では臨めないはずなのですが、何故にか、福田政権は、弱腰の外交姿勢のままです。今回の訪日ほど、日本国政府が、毒入り餃子事件、東シナ海のガス田問題、そうして、チベット問題について、中国の不当性を説くチャンスはありません。日本国政府は、この機会を、最大限に生かしていただきたいと思うのです。

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