万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

救助怠慢は未必の故意のジェノサイド

2008年05月12日 17時55分18秒 | アジア
国連機関、死者・不明32万人と推計 サイクロン被害(朝日新聞) - goo ニュース

 32万人もの不明者を出しながら、それを放置し、海外からの援助を妨害するのみならず、支援物資を接収するとは、政府の悪しきも、これここに極まれりの感があります。

 もし、普通の国でこうした大災害が発生したならば、政府は即座に自国の軍隊を派遣して、夜を徹して被害者救援に当たらせるでしょうし、できるだけ多くの人々に救援物資が届くように最大限の配慮をすることでしょう。自国の力で不十分ならば、海外に支援を求めるかもしれません。何故ならば、そうすることが、政府の義務であり、為すべき当然の仕事であるからです。

 もし、政府が大規模な救助活動に乗り出しませんと、30万人以上にものぼる行方不明者の方々の命が失われるとしますと、これはもう、政府による未必の故意によるジェノサイドに近くなります。ビルマ軍政は、まさに、救助怠慢によって、国民の命を奪おうとしているのです。

 本来、正当な政府として国際社会から認められるためには、政府としての基本的な役割を果たしていなければならないのではないでしょうか。国民の生命、身体、財産を保護しないような失格政府に対して、国際社会は、どのように対処すべきか、真剣に検討する時期にきていると思うのです。

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