著者は「痛みの原因である黒幕から撃退する
カラダ施術の専門家」だそうです。
高齢者の転倒予防に役立つ体操を考えた結果が本書。
基本的な考え方は、アイソメトリック。
p.131 筋肉や関節を傷めないためには、(等尺性筋収縮運動)という運動が有効。
(中略)筋肉を伸び縮みさせずに筋力を使う運動。
p.132 これに対して「Isotonic(等張性筋収縮運動)」は
筋肉を伸び縮みさせて筋力を使う運動。
私が指導する体操クラブでも、殆どの筋トレが等尺性です。
例えば、両掌を押し合う、手指を鍵型に引っ掛けて引き合う、
太ももを両手で押さえつけておいて、太ももを持ち上げようとする。
両膝を開かないようにくっつけておいて、両手で開こうとする。
腕立て伏せや、腹筋起き上がりを好む方々もいますが、
殆どの高齢者は、<苦しいことに耐える>よりは、
<自分で出せる筋力を頑張り>、<どこに効いているのか確認>
の方がお好きなようです。
そういう意味で、この本に紹介されている7種類の体操はナイス!
p.135 ①風船呼吸:いわゆる腹式呼吸で、腹圧を確かめるため、
両手を下腹部に置いて、高さの変化を確認する。
p.140 ②シェー体操:昔の漫画「おそ松くん」に登場した「シェー」Pose。
筋膜・筋肉を延ばし、大腰筋を強化できる。
p.144 ③足グーパー:足裏筋肉を鍛えて歩行の安定性を高める。
p.147 ④メトロノーム体操:タオルをピンと張って持ち上げ、
上下させて肩甲骨を動かしたり、左右にしならせて
体側を伸ばす。
p.151 ⑤どすこいスクワット:相撲の「突き出し」ポーズに似た動き。
両手を前に広げて突き出し、お尻を後ろに引いてしゃがむ。
p.154 ⑥バレエ立ち:普通のルルベと違うのは、太ももの間に
タオルを挟むこと。内転筋を使いつつ、つま先立ちに。
p.157 ⑦バランスウォーク:まづは、開眼片足立ちをできるようにして、
足を入れ替えても立てたら、10秒ずつ入れ替える。
①~⑦の体操の名前は著者の命名のまま載せていますが、
それぞれの後の説明は、私が指導している内容に準じて解説しています。
⑦は「ウォーク」とありますが、実際は動き回らないようです。
私は「10秒間立てなくても、ふら付いたら、自由に足をついちゃいましょう」
「何度でも足をついて、そして、すぐに再挑戦ですよ~~~」
そういう意味では、⑦は「案山子ごっこ」と言い換えたいです。