著者は103歳の美術家。墨を用いた抽象表現主義者だそうです。
独りを貫き、自由に生きてきたからこそ言える、言葉の重さ、
切れ味を感じる文章でした。
P.29 百歳を過ぎて生きることとはどういうことなのか。
一つには、別の立場から客観視している自分と向き合うことなのかも
しれません。
その前のページに、
若いときは、頭にひらめいたことはなんでもやればできる、
やれそうな気がどこかにあります。
(中略)<しかし今は>頭にひらめいたけれど、
もうできないだろうという否定が生じるのです。
歳をとれば、人にはできることと、できないことがあることを
思い知ります。そしてやがて悟りを得た境地になります。
(中略)老いるということは、天へと続く悟りの階段を
上がっていくことなのかもしれません。
私は67歳になったところですが、最近の怪我、ドライアイ、筋肉痛などの
不調を考えると、やっぱり
そろそろ諦めを考える時期なの???
と、考えざるをえません。
一生懸命、予防医学を学び、実践していても、歳には勝てないようです。
ま、日野原重明先生やこの篠田さんのように、例外的素晴らしい存在を知り、
少しでもハードルを先送りして、しつこく生きたいとは思っていますが。