ぼちぼちいこか

私の大好きな登山や水泳、ラグビーを中心に私が感じたことを書いていきます。

沢登り 渋川

2013年07月14日 | 登山

この連休は大気の状態が不安定で遠出を控えたので今日は手短に登れる
近場の沢で楽しんできました。

短い沢であっという間に終わってしまいましたが、なかなか充実した遡
行を楽しむ事ができました。


海の日を含む3連休で剣岳長次郎谷へ行こうと思っていたのですがどうも天候が
思わしくありません。ガスで視界がないのはちょっと危険だと判断して早々に諦め
てしまいました。
他の予定をまったく考えていなかったので、連休中日に天候が良さそうな鈴鹿の
沢登りへ行くことにしました。

名二環と東名阪を乗り継いで桑名ICから下道を走ります。いつもの神崎川をさらに
20分ほど奥に走り、愛郷の森の看板で左折。国道から僅かの距離で施設の敷地
に入り、施設利用料200円を払って管理棟のすぐ横にバイクを置かせてもらいました。


沢自宅を整えてから、管理棟前の道路を200mほど歩くとすぐにひとつ目の駐車場
があり、これを左に見てさらに奥の駐車場脇から簡単に河原へ出られます。



最初のしょぼい流れ

川には水が少ししか流れておらず、あまり期待できそうな感じではありません。
ひとつ目の小さな堰堤、大きな堰堤を左岸から巻いて、古びた橋、その先の大きな
堰堤を右岸から巻くと、川の流れが右へ大きくカーブします。


ひとつ目の堰堤


古びた橋


次第に川が狭まる


2つ目の堰堤


川が右へカーブする


水には入らないように右岸からへつっていきますが、見た目以上に難しく感じました。

いきなりのへつりでアドレナリンが噴出!!

水面からは3~4mありますが、水深が深そうなので落ちても怪我をすることはない
でしょう。
それにしてもいきなりの険しさに、ちょっとビビッてしまいました。

さてここからが渋川のハイライトです。
最初は深い釜を持つ3m滝。水流に引っかかる太い流木を登れそうでしたが右岸の
垂壁を登ります。
ここには長く、太いスリングがぶら下がっています。スリングの辺りまでは簡単に登れ
ますが、最後はホールドがなく、見た目よりも厳しく感じます。3回くらい逡巡した結果、
細いスタンスを使い、そのまま右の方へ移動し、回り込むように上へ上がりました。
最後は岩を抱え込むようにしてつかまり、身体を持ち上げました。
ふぅ~。楽しい。

正面の岩の左手を途中まで上がり、落ち口へトラバース
してから突破


横に走るクラック沿いに右側へ回り込む


登った後、釜を見下ろす

すぐ目の前が大釜を持つ2段8mです。滝は左へ垂直に曲がるようにあるので釜を
回り込んで写真を撮りながら偵察します。

2段8m(左手から越えます)

水流右手は登れそうにないので左手からバンドを伝って中間部まで上がり、スリング
を頼りに2m程の壁を攀じ登ります。
ここはスタンスもホールドもまったくないので、スリングがなかったら登れなかったと
思います。
怖さはまったくありませんが、非常に手ごわい滝でした。

文字通り頼みの綱となったスリング
(赤いのは私のデージーチェーン)

しばらくゴーロが続きますが、すぐにCS3m滝が現れます。
ここはまったく手がかりがなく、上部がハングしているのでさっさと諦めて右岸から巻き
ます。滝上ですぐに沢床へ戻ることが出来ました。

いい感じのゴーロ帯


CS滝(右岸から高巻)

上部が開け、明るくなった先で3m滝を左の階段状から登ると、大きな岩の上から
非常に眺めが良い場所に出ました。滝谷との分岐です。
もう既にほとんどの滝を登ってしまったので、少し休憩することにしました。

岩の上からの眺め


休憩した岩の上

滝谷はすぐに8段40mと言われている滝があるので時間に余裕があればぜひこれを
登ってみたいと思っていました。
休憩してからこの滝をよーく観察してみると、高さはありますがスタンスが豊富にあり
登れそうな気がしました。
10m近く登りました。すべての岩がぬるぬるとしていて滑り易くこのまま登り続けて、
途中で行き詰ってしまったら降りることもできなくなると判断して、慎重に引き返しました。
単独でない時にチャレンジしたいと思います。

滝谷40m(上部はぬるぬる)


さて、目の前の最後の滝3mに取り付きます。
水流右手は、ややハングしていますが、ちょうど真ん中辺りの高さにスリングがぶら
下がっており何とか登れそうです。アブミの要領でこれに足をかけて身体を持ち上げ
ようとしましたが、上部の岩はツルツルでホールドがまったくありません。
3回チャレンジしましたがことごとくドボンと落ちてしまいました。
諦めて、右岸からチャレンジします。

最後の3m(水流右手は登れなかった)


中央のスリングを頼りに登ろうとしましたが岩の上に
手がかりがなく登れませんでした



下から見ると階段状で簡単に登れそうに見えました。上のほうにスリングがぶら
下がっており、何でこんな所にスリングが?と思っていましたが、そこまで上がって
いくと最後の2mほどがスラブ状になっていて、不安定なホールドと不確かな足場に
思い切りがつかず、なるほどスリングを打ちたくなるわけだと納得しました。
そのスリングに自分のデイジーチェーンをかけても、登れる自信がなかったので
すり足状態で右に1mほど移動して、安定した足場を確保してから上に抜けることが
出来ました。
ほっとしました。

滝手前の左側の斜面を上がります


ところが、これで気が緩んだわけではないのですが、このあと沢床へ戻る時に最後の
1mくらいで足場の悪い所があり、えいっと後ろ向きで飛び降りた所、足場がつるっと
滑りバンザイ姿勢のまま岩に右胸と右手を強打してしまいました。
いってぇ~。
右手首と肘、右の肋骨がじんじんと痛みます。骨折はしていないようですがかなりの
痛さです。一番痛いのが手首でした。この痛みではもう滝を登る事が難しく感じました。

情けない顔
後方の岩から滑り落ちて胸と手首を強打!


終了点手前


最後の滝(簡単に登れます)

幸い、ここから先は右手を使わなくても登れる小さな滝が2つほどあるだけで、目の
前に終了点となる橋が見えてきました。

終了点(この橋の右側へ上がります)


林道に上がり、着替えを済ませ20分ほど歩くとスタート地点の愛郷の森へと戻って
くることが出来ました。その頃には手首の痛みのだいぶ治まりホット一安心でした。

入渓してから林道までちょうど2時間。下山にわずか20分ほど。
なんとコンパクトな遡行なのでしょう。あまり時間がないときには、うってつけの沢かも
しれません。
また、私は1度もロープを出さなかったので比較的短時間で登れましたが、パーティー
の人数やレベルによってはもっと時間が掛かる場合もあるかもしれません。

最後に怪我をしてしまったけれどとても楽しい沢でした。

滝谷にもいつか登ってみたいと思いました。