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ぼちぼちいこか

私の大好きな登山や水泳、ラグビーを中心に私が感じたことを書いていきます。

槍ヶ岳 北鎌尾根3/3

2012年08月06日 | 登山

槍ヶ岳山荘8:20~大喰岳8:40~中岳9:05~南岳10:05~南岳小屋10:05-10:30
~天狗岳分岐10:45~天狗池11:22~槍沢登山道合流11:45~ババ平12:20
~槍沢ロッジ12:35-12:45~横尾13:32~徳沢14:15~明神14:56~上高地15:32



朝の槍ヶ岳


昨夜は一晩中雨が降ったり、雷が鳴ったりしていました。

体力・気力が充実し、天気が良ければキレットを経由して奥穂高から西穂高まで縦走しようと
考えていましたが昨夜の雨ですっかり気持ちが萎え、朝も雨が本降りだったために、今日はこ
のまま上高地へ下山するつもりでした。
ところが、ダラダラと用意をしている間に空が明るくなり、晴れ間がのぞいてきました。

晴れてきました(槍ヶ岳山荘横から裏銀座方面)


あれっ、これは行けちゃうんじゃないの?と自問します。身体は元気。食料も十分ある。
よし、このまま縦走しよう。とあっさり予定を変えて南岳方面へと足を踏み出しました。


大喰岳と槍ヶ岳(束の間の青空)


見る見るうちに青空が広がり、ああー、縦走して良かった。と思ったのも束の間。中岳を越えた
辺りで再びガスが湧いてきて南岳小屋に着いた時には視界がまったくなくなってしまいました。

南岳はガスの中


縦走はここまで(南岳小屋)


再び気持ちが萎え、先ほどの決意はあっけなく撤回。天狗原から槍沢へ下りて今日中に家ま
で帰ることにしました。
そう決めると、駆けるように斜面を下り、大汗をかいて、へとへとになって上高地へ着きました。
途中の天狗池は素晴らしいロケーションで、この道はいつかゆっくり歩いてみたいと思いました。 


横尾谷本谷右俣



美しい天狗池



天狗原から見る槍沢



槍沢ロッジ


上高地のビジターセンターでシャワーを浴びてさっぱりしてからバスに乗り山を後にしました。
このシャワーは更衣室代100円、シャワー3分100円と格安でお徳です。
今後、上高地へ下山する時はここで汗を流してから帰りたいと思います。 


最後に
私が感じた北鎌の印象として。
稜線上ではロープがないと登れないような場所はありませんでした。従って、高いクライミング技
術よりもルートファインディング能力の方が大事だと感じました。
そうは言っても、やはりロープと最低限の登攀具は必要だと思います。
また、概ね踏み跡がありますが、その踏み跡が正しいかどうかは分かりません。やはり、より安全
で確実なルートを見極める力が重要になります。 
決して簡単ではありません。一般十走路のつもりで踏み入ると遭難の危険性があります。
安易な気持ちではなく、十分な準備を整えてからチャレンジしてください。
(私が山頂で会ったおじさんに聞いた話では、そのおじさんが過去に北鎌を登った時に、途中で
動けなくなってしまったパーティーを2組も見かけたらしいです。)


出発する前はとても緊張し、山頂へ着いたら感動で雄叫びを上げてしまうかも。と思っていました
が、実際に山頂へ着いたときに沸きあがってくる感動は想像していたようなものではありませんで
した。
感動するというよりはほっとしたという感じです。
達成感はありましたが、私の中ではチャレンジ富士五湖(117キロ)を完走した時の方が、心の底
から沸きあがってくる達成感がありました。

いずれ、今度は湯俣から挑戦してみたいと思います。その時は今回ルートミスしたところを間違え
ないようにしっかり見極めたいと思います。


槍ヶ岳 北鎌尾根2/3

2012年08月05日 | 登山

 北鎌沢出合4:45~北鎌沢左俣(間違い)~右俣・左俣正規の分岐5:45
~北鎌沢のコル7:23-7:30~P8 8:22~8:35~P9? 9:10~独標基部9:25-9:50
~独標先の稜線10:25-10:30~P11 10:38~P12?10:53~P13 11:40-11:55
~P14? 12:23~北鎌平13:00-13:20~槍ヶ岳山頂14:17~槍ヶ岳山荘15:25(テント泊)


いよいよ北鎌の日。朝3時に起床。満月で空は明るく雲がないのが良く分かります。明るくなるのを
待って4時45分に出発。

出合のケルン


朝日が当たってきました

まずは北鎌沢を遡り、左俣と右俣の分岐を目指します。
コルまでの登りで体力を消耗しないようにゆっくり進みます。頭の中は今日の行程のこと、無事に
山頂へ着けるか否かでいっぱいです。

出合から分岐までは15分くらいだったと思いますがなかなか着きません。7m程の滝を2つ登り、
どうやらこれは分岐を通り過ぎてしまったと思いながらさらに先に進むと正面に大きな雪渓が現れ
て現れ、引き返すことを決断します。

北鎌沢左俣の雪渓

45分も登ってしまいました。はやる気持ちを抑えながら急いで下っていくとちゃんと分岐がありま
した。

右俣と左俣の分岐は出合から400mほど真っ直ぐ上がった所、水流が(下から登っていくと)左へ
緩やかにカーブする所に木が茂っていて、水の流ればかりを見ていると見落としてしまいます。
(分岐からは出合が見えます。)

二俣付近

持っている容器に水を満タンにして出発です。(全部で5リットル)
時間を45分もロスしてしまいました。


北鎌沢右俣下部

岩のゴロゴロした涸れ沢を焦らず登ります。稜線に朝日が当たり始めました。
途中何度か水の流れを見ましたが、いつも流れているかどうかは分かりませんので、やはり水は
分岐で汲んでおいた方が良いでしょう。
やがて岩小屋として使えそうな大きな岩が現れます。これは右手から迂回します。

最初の大きな岩

さらにその先、白いロープが掛かった大きな岩が見えます。ロープは使わないで登れました。

この岩を過ぎるとやがて正面にこんもりとした木々が見え始め、左右に草つきの斜面が伸びてい
ます。

北鎌沢上部の分岐点(コルは正面の木を右へ)


分岐の先はこんな感じ



北鎌のコルまであと少し


私は北鎌のコルへ上がりたかったので右手に進みました。後で分かりましたが、左へ進んでもコル
の少し先へ簡単に出るため、北鎌のコルにこだわらなければ左手に進んだ方が効率的です。
(分岐でも見落としがなければ)出合から2時間掛かりました。
予想より早く着くことが出来、少しほっとしました。 


北鎌のコル

北鎌のコルは写真で見たとおりの場所でした。
キジうちの場所が限られているせいか、あまり清潔感のある雰囲気ではありません。
山行前は2日間かけて北鎌のコルまで来て幕営しようかとも考えましたが、ここには泊まらないで
よかったです。


北鎌下部(P3?~P7)



P8への最初の登り


さて、いよいよ北鎌の稜線です。
槍の穂先は見えませんが遠くには独標、その手前にはこれから登るP8が高々と見えています。

P8


独標


最初は明瞭な踏み跡を辿ります。源次郎尾根の下部と雰囲気が似ています。
北鎌沢の登りも大変でしたが、このP8までの登りはもっときつく感じました。P8の手前で高さのあ
る斜面を右手のハイマツをうまく使って身体を持ち上げる所はちょっと大変でした。
なるべく右寄りのハイマツを掴むと登り易そうです。

さらにその上の急斜面を攀じ登ると、ほどなくP8に到着します。
天気が良く、周りの山並みが実に美しく見えます。
昨日下った貧乏沢も良く見えます。
これから進むP9(天狗の腰掛)はすぐ目の前に見えます。

P8からのP9


独標がより大きく見えてきました。



P8の先は小さなピークを越え、次のピークは千丈沢側から巻きます。
P9も千丈沢側から巻いてピークの少し先へ出るような感じで稜線に戻りました。
これを下ると、稜線を外れて右の方へ下って行くはっきりとした踏み跡がありますがこれを下っては
いけません。

この場所から独標のトラバースがはっきりと見えます。途中のざれた斜面の先をどう登ったらよいの
かまったく分かりません。

独標


泣きたくなってきた・・・。


泣きの入った独標のトラバース


思ったより狭い独標基部でハーネスを装着し、パンを食べ心を落ち着かせます。


独標トラバース地点

いよいよ独標のトラバース開始です。最初の一歩は足元がザレて崩れており、出だしから緊張します
が(多分、大天井ヒュッテの方が張った)緑のロープが張ってあるのでこれを頼りに大きく足を踏み出
します。
あと何年もしたら崩落によりここから一旦大きく下へ降りなくてはなるかもしれません。

最初は少し下り、ザレた斜面を慎重にトラバースします。見た目よりしっかりしており、心配はありま
せん。


その先の斜面を斜めにあがり、回りこんだ先が有名な「出っ張り岩」です。
一段下がった所にあるスタンスを使い無事クリアです。それ程難しくは感じませんが、かなりの高度
感があり注意が必要です。


トラバースの出っ張り岩




出っ張り岩を振り返る


この先は斜め上の方に向かってバンド伝いに上がり、ちょっといやらしい感じの垂壁をトラバースする
とスリングの下がったチムニーが目の前に現れます。


ちょっといやらしいトラバース



このスリングが目印


この写真はネットで何度も見ていたので、ここまでは正しいルートであることが分かり少し安心しました。
私はこのチムニーを登ると決めていたのでトラバースの先の様子は良く確認しませんでした。

手を高く上げて身体を持ち上げますが2歩目のスタンスがなかなか決まりません。ここで落ちると確実
に命がないので、念のため下がっているスリングにデイジーチェーンをかけました。
途中からはすんなり上がれました。

しかしその先も難しい岩登りが続き、かなり緊張します。やっとの思いで安定した場所に立つと、そこは、
「北鎌尾根」というDVDで谷口けいさんが「では私たちはこの斜面を登ります。」と言っていたスラブの
登りでした。DVDを観ているときは「この斜面ってどこだよ。」と途方に暮れていましたが、案ずるより
産むが安し。ちゃんと同じ場所に到達することができました。
で、この手がかり足がかりが豊富なスラブを少し登るとその先は稜線までずっといやらしいザレザレの
急な登りです。


谷口けいさんも登ったスラブ


ようやく稜線に到着し、かなりほっとしました。これで、技術的な核心部は終わったと思いました。
(しかし、これは大きな間違いであることを後で思い知ります。)
独標のピークまでは稜線を10分ほど戻ると着くらしいのですが、この先の行程がまだまだ心配だった
ので今回はパスして先を急ぎました。

登り返した稜線からの独標方面


私の登ってきたルートで稜線に出るとすぐ先が次のピークへの鞍部になるため、チムニーの所でもう少
し先へトラバースしてから登った方が早いのかもしれません。


槍の穂先が見えました


ここから先はルートファインディングが重要であると予習しており、激しいアップダウンと合わせて注意が
必要です。

P11を越えて、P12はピークから下りる際に千丈沢側へ下りるようにします。

P11?の辺り


P11からの槍


(多分)P11の先のピーク


P12のあたり



P11の先の小さなピークのトラバース

次の小さなピークは千丈沢側から小さく巻いて、稜線を下ってから再び登り返します。
そして、目の前のとがったピークを越えればP13というところで行き詰ってしまいました。
稜線通しには行けず、千丈沢側のザレには割りとはっきりした踏み跡があり、少し下ってみましたが不安
定なザレをかなり下のほうまで下りなくてはいけない様です。
それでは天丈沢側はどうかと覗き込んで見ましたが目の前の岩を回り込んだかなり上のほう、ちょうど
尖った稜線上にたくさんのスリングがぶら下がっています。
あそこへ行くのかと思いましたが、そのためには岩場を5メートルほどクライムダウンし、そこからスリング
へ向かって狭いザレたルンゼを登らなくてはいけません。たとえ無事にルンゼを登れたとしてもその先の
スリングには高くて手が届きそうにありません。

迷いに迷った末、そのルンゼを横切ってさらにその先の岩場へ回りこんでみました。すると、下はすっぱり
切れ落ちた高度感のあるトラバースであるものの何とか行けそうです。
慎重に慎重にこのトラバースをこなし、すぐ目の前にP13への登りが見える場所に着きました。

振り返ると、先ほどスリングが下がっていた所の裏側にはロープがぶら下がっていました。
何故あの場所の表と裏にあれだけたくさんのスリングやロープが下がっていたのか良く分かりませんでし
た。(おそらく正しいルートはスリングを使うことになるのだと思うのですが私にはそのルートを見つけるこ
とができませんでした。)

行き詰った岩峰 
 右手はザレた斜面
 左手は高度感のある岩場のトラバース



トラバース後にロープがぶら下がっているのを発見

私にとっては、ここが一番困難に感じました。

P13は見覚えのある白い岩稜の急な斜面に見えますが、見た目ほど難しくはありません。
縦に大きく走るクラックに沿って登り斜め左へと抜けられます。

P13



槍が近づいてきました



時計を見るとまだ12時前です。槍の山頂には西側から少しずつガスが掛かっていますが、上空は相変
わらずの晴天で、思っていたよりもずっと早いペースでここまで来ることが出来ました。このまま晴天の
中、山頂に立てることを祈るばかりです。

P13のピークでパンを食べ15分ほど休憩しました。
P14は千丈沢側に立派な巻き道がついています。

P14のトラバース



P14トラバース(振り返ったところ)


P14トラバースの続き


トラバースしすぎないように、適当な所で見切りをつけて稜線に向かって登り返しますが、稜線近くはまた
してもザレザレの斜面でとても登りづらく緊張しました。

P14のトラバースはここで終わり
この場所から登り返しました




P14からの登り返し(稜線に向け、適当に登ります)


稜線に戻ってすぐに天丈沢側を通りましたがこちらは厳しい岩稜のトラバースと登り返しで多分、本来の
ルートではないと思います。どこがP14なのか良く分かりませんでしたが、いったん千丈沢の方へ下り、
稜線へ戻った後で再び天丈沢側を通りましたが、またしても難しい登り返しになってしまいようやく稜線
に戻ることが出来ました。

ここで2回、天丈沢側を通りました。途中までは人の通った気配があったのですが気づいたら厳しい場所
へ突入していたという感じです。
もし次回登る時は、踏み跡を当てにせず自分の目でしっかりルートを観察したいと思います。


P15


P15もはっきりとした踏み跡に導かれて千丈沢側をトラバースします。迷うことなく2つ目の角を過ぎると
右手にちょっと飛び出したコブのような平地が見えます。

P15のトラバース



P15のトラバース
(緑に囲まれた画面右奥の小さな平地を過ぎたら適当に稜線を目指す)



かなり大きなテントを張れそうなスペースがあるのですぐに分かります。
この先でトラバース道が不明瞭になるので、ここから稜線へと登り返します。今日3回目の登り返しです
が岩稜→ザレザレのパターンは毎回同じです。

P15登り返し(岩稜を登ると・・・)



毎度のザレ斜面が広がります


私はP15のトラバースが終わると北鎌平らがすぐ目の前に見えるのだと思っていましたが、この先の稜
線にそれらしきものが見当たりません。

P15のトラバースから稜線に戻った先



稜線通しに進みますが行き詰った所で三度天丈沢側へ。完全にルートを見失い、岩稜とハイマツを強引
に登っていくと北鎌平へひょっこり出ました。このルートは明らかに本来のルートではありません。

こんな危うい場所を通過してから北鎌平へ



北鎌平


ここまでくれば(多分)安心です。ザックをおろしてゆっくり休憩します。目の前に聳え立つ槍ヶ岳を眺めま
す。相変わらず西側からガスが流れ、時折山頂を覆ってしまいます。
でもここまで来れば、もうルートを見失う心配はありません。
一安心したためか、急にお腹が空いてきたので残っていたパンを食べました。

北鎌平らからの槍


ゴロゴロと転がる大きな岩を山頂に向かってゆっくり登ります。
山頂手前には2つのチムニーがあることを予習していましたが、どうやったらそのチムニーに辿り着ける
のかを良く分かっていませんでした。登っていけば自然とその場所へ導かれていくのだろうと考えていま
したが甘かったです。

大槍基部(どこからでも登れます)


手足を使わなくてはならないほど斜面が急になり、ガスのせいもあって視界が悪いため進むべき方向が
良く分かりません。右手上方に見えた白いスリングを目指して登っていくとその先でバンドのように安定し
た場所に出ました。 

1つ目のチムニー手前の急斜面



この斜面を登ると1つ目のチムニーが現れる


そのバンドを少し右に行くと左側に立派なスリングがぶら下がったチムニーが現れます。どうやらこれ
が一つ目のチムニーだと見当をつけます。かなり斜度と高さがあるため、念のためそのスリングにデイ
ジーチェーンを引っ掛けてから登りました。
登っていくうちにチムニーの中に入り込みすぎてしまい、上部で抜け出すときにかなり緊張しました。


1つ目のチムニー



ようやくの思いでこのチムニーを登ると再び立派なバンドに出ます。すぐ右手にまたしてもスリングの下
がったチムニーが見えます。左斜め上方に延びるこのチムニーはスタンスに乏しく、また幅も狭いため、
2度チャレンジしましたが登れそうにありません。

登れなかったチムニー


チムニーの右手からは複雑な岩場を抜ければ上に上がれそうでしたが、これではあまりにも右手により
過ぎていると思い、バンドを左手に回りこむと、ネットの写真で見慣れた2つ目のチムニーがありました。


2つ目のチムニー


よしっ!と登り始めましたが、ここでもチムニーの中に入り過ぎてしまい、最後は強引に右側へ身体を移し
て登りあがりました。2つ目のチムニーを抜けると山頂がぐっと近づいたらしく、人の話し声が聞こえてき
ます。

2つ目のチムニーを上から振り返る
(チムニーは岩がV字になった下)


左手の方へ向かってくぼんだ斜面を登っていくと、すぐに人の姿が見えます。もうあとわずかです。私に気
づいたおじさんが大きな声で「おおっ!あんな所から人が上がってくるぞ。」叫びました。

チムニーを登り山頂手前の白い杭

そこからはスイスイと岩場を登り、山頂に上がりました。
14時17分。出合から約9時間でした。(道間違いのロスタイムを除く)

ネットでは山頂へは拍手で迎えられた。というレポを良く見かけましたが、北鎌の存在を知らないような感
じの人ばかりで、胡散臭げに迎えられたという感じでちょっとがっかりでした。

20人ほどの人で賑わっていたため、祠の前で記念写真だけ撮ってもらった後は、ザックをおろすことなく
すぐにはしごを降りました。 

無事山頂へ着きました!


ガスで楽しみにしていた山頂からの北鎌を見ることができず残念でした。
ただ、無事に登頂できたので良かったです。
思ったよりも身体は元気でした。多分、相当気が張っていたためだと思われます。

小屋でテントの受付をし、ビールでささやかに乾杯。これでもう何も心配することはありません。
天気が悪く、槍の穂先も見えなくなってしまったので、テントの中で喜びをかみ締めながらゆっくりと身体
を休めました。


※自宅に帰ってから写真の整理をしていたら似たような景色ばかりでどれがどれだか分からなくなってし
 まいました。キャプションの間違いに気づいた方はご連絡下さい。


槍ヶ岳 北鎌尾根1/3

2012年08月04日 | 登山

初めて北鎌尾根の存在を知ったのは、ちゃんと山登りを始めた今から10年前でした。
自分にとってはずっと憧れの存在であり、いつか登りたいと思っていました。
その北鎌尾根にいよいよチャレンジすることになりました。
出発する前は不安でドキドキしていましたが天候にも恵まれて無事登頂することができま
した。

コースタイム
中房温泉6:40~第1ベンチ7:10~第2ベンチ7:30~第3ベンチ8:00
~富士見ベンチ8:30~合戦小屋8:52~合戦の頭9:07~燕山荘9:45-10:05
~大下りの頭10:45~分岐11:50-12:00~大天井ヒュッテ12:35-13:05
~貧乏沢入口13:25~出合15:25~北鎌沢出合15:45(テント泊)

前夜、しなので松本から穂高へ入りました。非常に疲れており、ちょっと転寝をしている間
に穂高の駅で寝過ごしてしまいました。お陰で次の有明から30分歩く羽目になりました。
穂高駅前ロータリーの隅でテントを張ってぐっすり眠りました。

4時15分に起床。5時5分のバスで中房温泉まで。車内でパンを食べて少し眠りました。
6時に中房温泉に到着。すごい混雑しておりごった返しています。
トイレの長い行列に並び、用を済ませてから6時40分に出発しました。1リットルのお茶と
1リットルのポカリスエットに2リットルの水を持ちました。今日の消費具合を参考に明日、
汲んでいく水の量を決めたいと思いました。

中房温泉登山口



今日は兎に角、体力温存を目標に飛ばさずゆっくり歩きます。団体さんの行列が引き起こ
す渋滞にも今日はイライラしないようにします。少なくとも合戦小屋までは休憩をしないつ
もりで第1ベンチ、第2ベンチと順調に高度を稼ぎます。
ずっと樹林帯なので強い日差しを避けることができ、良かったです。
合戦小屋も混雑していたため、そのまま燕山荘まで一気に登りました。

毎度の燕山荘


燕山荘前の北鎌尾根が良く見えるベンチでおにぎりを食べ、20分休憩しました。
合戦尾根ではお茶を飲みながら登ったせいか、少し脱水症状気味です。

燕山荘前からの北鎌尾根


さて、ここからは太陽の光を十分に浴びて歩きます。少しでも日焼けを防ぐため、首にタオ
ルを巻きました。大下りの頭までは緩やかに下り、気持ちよく歩けます。下った後はダラダ
ラとした登りや多少のアップダウンを繰り返しながら大天井を目指します。


大天井荘への分岐を右に進み稜線へ出た所で北鎌尾根が大きく見えました。
ここからだと北鎌のコルや独標の位置が良く分かります。
大きく下り、大天井ヒュッテで大休憩。残りのおにぎり2つを食べました。暑いです。

大天井ヒュッテ


ヒュッテで天気予報の最終確認をしました。明日は曇り時々晴れ又は霧。その後2日間は
曇り時々雨との予報です。
うーん、明日、槍ヶ岳の山頂へ到着するまで何とか天気が持ちこたえてくれることを祈るば
かりです。

大天井ヒュッテでヘルメットを被り出発、登山道を約20分進むと何度も写真で見た貧乏沢
入口の看板が見えます。

貧乏沢入口

いよいよここからは一般縦走路を外れます。


貧乏沢下降口

ハイマツをかき分け、ほんのわずかの登りで稜線にを乗り越え、ハイマツの中を進みます。
手にマツヤニがべっとり付きます。足元に岩がゴロゴロしたり、再びハイマツになったりしな
がらやがてはっきりとした急な沢筋の下りとなります。


30分程で左から貧乏沢が現れ、そのすぐ下にはなんと雪渓がありました。
ゲゲッ!予想外の事態に一瞬驚きますが左寄りを慎重に下ればなんとか下りられそうです。

最初の雪渓


同じ場所から上部を振り返る


崩壊の進んだ雪渓は何箇所も大きな穴を開けており、近づける状態ではありません。なる
べく雪の上に乗らないよう注意しながら下ります。
程なく雪渓は終わり、再び浮石だらけの中を下ります。
やがて下から水の流れる大きな音が聞こえてきました。右手に滝が現れます。ここで約半
分といったところでしょうか。

中間地点の滝


この時は「結構楽勝じゃん。」と思いましたが、その考えは間違いであることに後で気づき
ます。
再び雪渓が現れます。今度はかなり大きく、崩壊もより進んでいます。
なるべく雪の上に乗らないよう左岸寄りを慎重に下りました。

下の雪渓


その後しばらくは左の林の中をはっきりとした踏み後に導かれて下りることができます。
しかし、この踏み後から沢へ戻り、少し先の5mくらいの滝が現れたところで行き詰ってし
まいました。
左岸は懸垂下降をしなくては下りられないような崖になっているため、右岸へ渡り滝横の
滑りやすい岩の上を注意して下りました。

下りるのに苦労した滝(向かって左を下降)


この先はほとんど踏み後を見つけることができず、ひたすら沢沿いの歩きにくい岩の上を
進みました。

ようやく傾斜が緩み、いい加減まだ着かないのかと心配し始める頃、下のほうの高い位置
にピンクのリボンと大きな川の流れが見えてきます。

貧乏沢の出合(上のほうにピンクのリボンが見えます)


最後はあっけなく天井沢へと出ました。ほっとしました。



天井沢

ここから20分ほど流れを遡るように左へ行くと北鎌沢出合に到着します。



15時45分。期待していた先客はおらずちょっとがっかりです。テントを張って汗を流し、
ゆっくり過ごしました。そして、ひと眠りした後の17時ごろ、水俣乗越方面から60歳くらい
の3人パーティーが現れました。非常に心強く感じました。

北鎌稜線は雲に覆われ、19時ごろには山頂も北鎌のコルも完全に見えなくなってしまい
ました。
うーん、困ったなぁ。こんなにガスがでてしまい視界がない状態で北鎌に突っ込むのは
ちょっと不安です。明日の朝も同じ状態で北鎌の稜線が見えないくらいに雲が厚いようで
あれば無理をせず、貧乏沢を登り返すつもりで眠りに着きました。


残念なできごと。

2012年07月22日 | 登山

7月15日、那智の滝を登ったとしてアルパインクライマーの佐藤祐介さんら
3人が逮捕されました。

佐藤祐介さんといえば2008年にインドガルワールヒマラヤ カランカ峰北壁
初登攀が評価され、「ピオレドール賞」を受賞した世界的なクライマーです。
私が定期購読している岳人でもよく記事になっており、その個性的で飾らない
人柄にとても共感を覚えていました。

しかし、今回のことはやはり良くないと思います。
熊野那智神社の宮司は宗教に対する侮辱だとしてカンカンに怒っています。

「日本一の滝に登って見たかった。」
「立ち入り禁止なのは知っていた。」
とは33歳の立派な大人としてあまりにも幼稚な発想であるような気がします。

神社にはしっかり謝ってから、ちゃんと公の場で反省の弁を述べた方が良いと
思います。

この不祥事に凹むことなくこれからの益々の活躍を期待しています。


神崎川 ツメカリ沢~白滝沢

2012年06月30日 | 登山

取水堰堤(8:40)~神崎川~ツメカリ谷出合(9:45)~ツメカリ谷~裏見の滝(10:50)~尾根(11:50)
~白滝谷~登山道交差(12:05~12:20)~白滝谷出合(13:20)~神崎川~取水堰堤(14:30)


名古屋生活2年目の今年、初めて鈴鹿の沢へ行くことにしました。
単独、土地勘がない、技術的に未熟。ということでなるべく易しめの沢を探した結果、神崎川流域のツメ
カリ谷というのがそれ程難しくなく、おまけに下山も隣の白滝谷を下れるということからここに決めました。
一番問題になりそうな箇所はツメカリ谷から尾根を乗り越して白滝谷へ下る辺りだと思いました。

自宅から高速を使い約1時間半で神崎川へ到着。最初は入渓点が良く分からずにうろうろしましたが中
年の2人組が沢支度を整えていたので教えてもらいようやく分かりました。

この看板の階段を下りて取水口へ


駐車スペースというほどの場所はありませんが取水堰堤へ下りていく場所には看板が立ててあるので
その手前と、50mほど先に2~3台ずつ停められました。

私の前に中年の2人組が、おそらく後から8人ぐらいのグループが入渓したものと思われます。
初めての場所でひとりでないことがわかりちょっと安心しました。

林道から階段を下りて沢へ。すぐ目の前に大きな堰堤があります。
これを越えなくてはならないのですが良く分からず、右手のコンクリート際を無理やり登りました。

暫くは上流へ向かい河原を歩きます。やがて正面に水量の多い立派な滝が見えてきます。
両岸が切り立った感じで左岸から大きく高巻きました。

この滝はかなり手前から左岸を巻き


途中に紫のスリングやトラロープが残地されています。
最初の滝からこんな状態ではこの先はもっと厳しいのでは?とちょっと不安になりました。


巻いたあと


そのすぐ先でS字状になった廊下のような場所が現れます。
真夏であれば迷わず泳いで突破するところですが今日は曇り空で、いきなり濡れてしまうのはちょっとため
らわれたので、なるべく濡れないようにへつってこれを越えました。

S字状の滝


この先も2箇所で深い淵を持ったところがあり、最初は左の切り立った岩場をボルダリングの要領で登り、
次も左の階段状になった岩を高巻くように越えてから水流に戻りました。

真夏なら泳ぎたい!


ここもたしか右岸を巻きました。



この先でようやくツメカリ沢出合に到着です。

ツメカリ沢出合


水量が少なくなります


ここからは水量がぐっと減ります。
ワイヤーのようなものが水中に横たわっている先の4m滝は手前に深めの淵があるため左手から腿の辺り
まで水に浸かって突破。

出合からすぐの淵


その先、いくつもの小さな滝が続きますが難しい滝はなくどれも楽しく越えていけます。

滝1


滝2


滝3


快適に登れます


階段状の滝


やがて辺りが開け、明るくなると左岸が大きく崩壊しているのを見ることが出来ます。
比較的新しい崩壊のようです。

左岸の崩落地


簡単に登れます


右から越えます


10Mはあろうかという階段状の滝を登ると1:3の分岐。

見た目立派な階段状の滝
水流の左からどうぞ



ここは右岸が大規模に崩れ、合流地点も倒木が多数横たわり乗り越すのが困難な状態でした。

崩落地


この崩落地の先で、駐車場で会った中年2人組を追い抜きました。

徐々に水量が少なくなる中、いくつかの易しい滝を登り1:2の二俣を右に行くとツメカリ谷最大の見せ場、
裏見の滝です。


易しい滝


裏見の滝

水流の右手を3mほど登り、バンド状になった部分から水流の裏を通り簡単に反対側へ抜けられます。
あとは階段状になった岩場を落ち口まで。
裏を通る時に結構濡れます。水はかなり冷たく感じます。


滝の裏側


この後は流れが急に細くなり、やがて樹林帯へと突入します。

裏見の滝の先


この先で樹林帯へ


樹林帯


持参した遡行図には樹林帯に入ってから4mの滝があると書いてありましたが滝らしいものはありません。
滝を探してどんどん登ってしまいましたが10分ほど登っても全く景色が変わらないので、いくらなんでも登
りすぎではないかと判断し、再び下降しました。樹林帯に入ってからひとつ目の枝沢を右手に見て、その先
のなんとなくナメ床っぽいところを過ぎるとすぐにまた右手から枝沢が入ってきます。
コンパスで方角を確認すると真南を向いているので、多分これだろうと見当をつけ、枝沢を進みます。
枝沢はすぐにいくつか分かれますが、太い方を選んで進むと分岐から100mも行かないうちに尾根が見え
るのですぐに分かります。

分岐手前のナメ滝


尾根手前を適当に登ります

尾根上には明確なふみ跡があるのかと思っていましたがそれらしいものは何も見えませんでした。
目の前の草地を下っていくとすぐに沢形が現れ、水が流れてきます。

尾根上から(正面の草地を下ります)



白滝谷です。
やがて登山道が横切る所で昼食をかねて休憩しました。

登山道



白滝谷は登るにはちょっと面白みに欠けるかもしれませんが、美しいナメ床が続き下降にはもってこいかも
しれません。

美しい谷です


ナメ滝


最大8mほどありそうな滝もすべてクライムダウンできます。下のほうでは魚影もあるので釣り好きの人がい
たら足が前に進まないかもしれません。

左手に古い作業小屋が過ぎると最後に大きな滝を右岸よりから慎重に下り、神崎川へと合流しました。
ここからツメカリ谷出合までは単調な河原のゴーロ歩きです。

左手に見える作業小屋跡




白滝谷


小さいながら魚は沢山います


白滝谷で唯一難しかった滝(水流の右手の壁を下ります)


下った斜面を振り返る


上とほぼ同じ場所から右手の水流を見る


白滝谷



白滝谷出合

行きにボルダリングの要領で緊張して登った岩場を下るのが、とても難しく感じました。
水に浸かってしまえば、より安全に下れるとは思いましたが、練習だと思ってクライムダウンをしました。
まあ、万が一落ちたとしても水の中なので怪我をする心配はありません。
この岩場の下りが、今日一番緊張した箇所でした。


一番緊張したところ



あとは河原を歩いて取水口まで戻り遡行完了です。


名古屋へ来てから初めての沢登りでした。
神崎川は水がとても綺麗です。
滝も容易に登れ、楽しく通過することができました。この流域には他にも遡行できる沢があるようなので
今後も訪れてみたいと思います。


2012年05月15日 | 登山
会社帰りの電車で30キロくらいのザックを背負っていかにも
「今日山に登ってきました!」
という人を見かけると
「どこ行ってきたんですか?」
「今日は天気が良かったのでさぞかし楽しかったでしょうね。」
と話しかけたくなる。

あーあ、日帰りでも良いから山に登りたいなぁ。


養老山

2012年04月15日 | 登山

岐阜県の養老公園へ桜を観に行ったついでに養老山へ登って来まし
た。

8時30分、養老公園の駐車場へ到着。さすがにまだ車の数は少なく
人影もまばらです。駐車場料金300円を払い、満開の桜が咲く川沿
いの道を上流へのんびりと歩くこと40分で有名な養老の滝へ着きま
した。



あるいは日本で最も有名かもしれないこの滝。
もっと大きな滝を想像していましたが意外とこじんまりしていました。
道は滝の上で右へ大きくカーブするようにUターンします。
ほんの1段上がった有料駐車場(1000円)で登山届を提出して、
いよいよ山道へ。

登山道は駐車場を突き抜けた先を左へ曲がったところからスタートし
ます。



5分ほどであやめ平との分岐があり、これを左へ。すぐ飛び石
づたいに小川を渡り、本格的な登山道となります。



最初の30分がいきなりの急登で結構きつく感じます。朝、自宅を出
たときは、ひんやりする気温でしたがすぐに汗が吹き出てきます。

急な斜面を尾根に出るまでジグザグに登り続けます。やがてベンチが
現れると傾斜が緩みますが、まだまだ登りは続きますので気は緩めな
いようにしましょう。

尾根上のきつい登りを辛抱強く登り続け、ふと上を見上げると木々の
間から稜線が間近にみえます。
間もなく、三方山への分岐に到着です。分岐から三方山頂まではほん
の1~2分ほど。三方山は工程中で一番展望がよい場所ですので是非
行ってみたいところです。




実際に山頂からは濃尾平野や伊勢湾を一望することが出来ます。今日
は生憎、高曇りであまり遠くまで見ることは出来ませんでしたが、空
気の澄んだ日はさぞかしよい眺めだと思います。
分岐まで戻り小倉山へ向かいます。

ここからはあっという間に稜線です。


稜線を右へ行くと笙ヶ岳へのプチ従走路。
今回はこれを左へ曲がり小倉山へ向かいます。約10分程で小倉山山
頂。山頂を示すこれといった標識は見当たりませんが、山頂からは周
辺の山々が良く見えます。




ベンチに座り、のんびりと食事を楽しみました。
せっかくだから養老山の山頂も踏んでおくか。と再び歩き始めます。
途中、木々がなく、前方の展望が開けるあたりは昨年登った竜ヶ岳の
山頂付近の眺めに良く似ていました。




養老山山頂は周りを木々に遮られまったく展望がありません。養老山
山頂から先、昭文社の地図には記載されていませんが東海道自然歩道
(?)が続いておりいつか歩いてみたいと思います。

下りは来た道を延々と下ります。

笙ヶ岳までトレイルするとちょうどよいトレーニングになりそうです。


春らしい、暖かく、穏やかな1日でした。


甲斐駒ファン倶楽部in厳冬期上高地(2/2)

2012年02月12日 | 登山

翌朝は7時ごろになってようやく皆が起き始めました。
生憎の天候で雪がちらちら舞っています。昨日は良く見えた岳沢も今日はまったく見るこ
とができません。

不機嫌な山の天気

昨夜はあまりよく寝られなかった気がしてなりませんがその原因はまた別の機会に語るこ
とにします。

さて、今日は撤収してから下山するだけです。
のーんびり、まったーりした空気の中、昨日の鍋の残り汁にご飯と魚を追加して雑炊をつ
くり食べました。

朝の雑炊



撤収も大勢でやれば楽チン。あっという間に片づけが終わりました。
こんなことなら昨日のうちに写真を撮っておけば良かったねと言いながら河童橋で記念撮
影をした後は、相変わらず小雪が舞う中をスノーシューを探しながら歩いていきます。
大正池まで戻る頃、ようやく晴れ間が覗いてきました。


釜トンネルの手前で景色を目に焼き付けてから1キロちょっとあるトンネルをくぐりまし
た。その後は予約したタクシーで車を回収、新島々にある「とく兵衛」で潤平さんお奨め
の鴨うどんを食べ、松本の温泉で汗を流してから家路につきました。

とく兵衛



鴨うどん



なかなか集まる機会が少なくなってしまいましたが年に1度くらいはこうして集まれると良
いですね。ということを(きっと)みんなが思っていた。
・・・かもしれない。
と期待しよう・・・。


我ら甲斐駒レンジャー?



【追伸】
結局、平井さんのスノーシューはありませんでした。私たちがどこかへ置き忘れたのをだれ
かが持っていてしまったのだと思います。今回はスノーシューをまったく使いませんでした
が、残念でした。


甲斐駒ファン倶楽部in厳冬期上高地(1/2)

2012年02月11日 | 登山

昨年9月に潤平さん、えびさんと飲んだ折に「来年の厳冬期に上高地へ行きましょう。」
という話がまとまっていましたが、この人達のこと、本当に実現するかはまったく分かり
ませんでした。
当初はかばさん以外の7人が群馬チーム(山に行きたいさん、きむひろさん)、関東チーム
(潤平さん、えびさん、平井さん)、東海チーム(高田さん、私)に分かれて参加予定でし
たが山に行きたいさんが仕事の都合により欠席、車がないことと極度の金欠に悩むきむひろ
さんが共倒れとなってしまいました。
結果、関東チームと東海チームの5人が松本ICに集合しました。

波田のアップルランドで食材の調達を行い、そのまま中の湯へ。荷物を下ろした後は平井さ
んと私がそれぞれの車を運転して沢渡まで戻り、タクシーで再び中の湯へ向かいました。
中の湯には常時、客待ちと思われるタクシーが止まっていました。

今回の主目的は宴会ということでテントはオートキャンプ用の大型テントです。さすがにこ
れを担いでいくのは辛いのでえびさんと私がそりを持参。そのうち1台にテント、もう1台
に食材などを積み込んで出発。
・・・ところが、いきなり釜トンネルの通過で雪がありません。でも構わずにずるずると引
きずって行きました。

釜トンネル

トンネルに入って300mほど進んだ時に、入口の所にスノーシューを置き忘れたと思い慌
てて戻りましたがありません。何度も何度も探しましたがありません。げげっ!私が戻るほ
んの数分間の間に何人ものハイカーが通過していったのでそのうちの誰かに持っていかれて
しまったようです。あ~あ~!と諦めて皆を追いかけるとトンネルの出口で嬉しい知らせと
残念な知らせが待っていました。

嬉しい知らせは、実はスノーシューはえびさんが持っていてくれていたこと。残念な知らせ
はそりにくくりつけてあった20mのロープを潤平さんが引きずるようにして運んだために
ロープが切断されてしまったこと。
うーん。まあスノーシューがあったからロープは短く切ってスリングにすればいいや。



さて、トンネルを抜け一路上高地を目指します。
えびさんと潤平さんは「山に登る姿で会うのは甲斐駒以来(10年ぶり)だっけ?」などと
おかしな会話をしています。いくらいつもは飲み屋さんでしか会わないからってそんなこと
はありませんよ。6年前の松本アルプス縦走の際に入笠山でスノーシューをしてるじゃない
ですか。

雪は何だか少なくておまけに明神で行われているらしい堰堤の工事車両用に適度に除雪車が
入っているためスノーシュー無しでも十分に歩けます。


雪は少なめ


左手に焼岳が綺麗に見え、大正池では湖面に映る山並みが感動的でした。

大正池

それにしてもツアーと思われるハイカーの多いこと。100人を超えるハイカーが入ってい
ることと思われます。ほとんどの人がスノーシューを履いています。繰り返しになりますが
今日はスノーシュー無しでも十分です。


途中で右斜面からの雪崩によるデブリを乗り越えたりしているうちにあっという間に上高地
へ到着。いつもは見慣れているバスターミナルも一面の雪景色で違った風景に見えます。
残念ながら河童橋からの穂高は雲に隠れてみることが出来ませんでした。

デブリの後を越える



上高地バスターミナル



河童橋と穂高



我々の目的地はもう少し先の小梨平キャンプ場。単独やパーティーなどすでに10張り位の
テントが張られていました。
我々はそれらのテントとは離れた梓川を望む開けた場所にテントを張りました。

テントサイト


テントを張り終えてまさに中に入ろうとしていたときに平井さんが「あれっ?俺のスノー
シューは?」とつぶやいた。周辺を探してもなし。ひょっとして上高地でトイレ休憩をし
たときに忘れてきたかもしれない。ということで私と平井さんが歩いて見に行きましたが
やっぱりありません。
釜トンネルを出てすぐにそりに積んだらしいのでどうやら途中で落としてしまったようで
す。つい数時間前に私も全く同じ体験をしたので平井さんの気持ちはよーく分かりました。


さて、今回はオートキャンプ用の大型テントなので5人でも広々快適です。
テントにもぐりこみ、荷物の整理をしてから鍋の用意です。
平井料理長がいるので味の心配はせずに買ってきた食材を適当に切って鍋に放り込みます。
ほんだしと味噌、醤油で味付け。お肉や野菜などの具材からも十分に味が染み出ているの
でとっても美味しい。

平井料理長(味付けは俺に任せろ!)






外は風が強くなってかなりテントを揺らしていますがテント内は意外と暖かく3リットル
のビール缶があっという間になくなっていきました。そしてそれと共に潤平さんが眠りに
落ちていきました。

一足お先に・・・

楽しい夜は更けていく・・・。