河村顕治研究室

健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究に取り組む研究室

倫理審査委員会

2009-03-26 | 大学
本日、大学院生が春以降行う研究を主として倫理審査委員会が開催された。
議論の末ほとんど問題なく了承されたが、中には委員長から以下のようなコメントがついた課題もあった。

「病院で行っている通常の評価をするだけなのだから、特に倫理委員会にかける必要は無いのではないか。」

しかし、昨今はそうは問屋が卸さない。
学会発表の申請時にすら倫理委員会での許可があることが求められるし、投稿時には大学と実際に研究を行う施設の両方の許可を求める雑誌すらあるのである。

また、最近の海外の有名なジャーナルでは、研究を行う前にインターネット上の公的な機関に研究計画を届け出て認可を受けておくことが求められている。
これはどういう事かというと、適当に臨床研究を行って都合の良いところだけをまとめて投稿することを防ぐ目的で行われているのである。
対象や実験計画、統計処理の方法等をあらかじめ届けていれば、それ以外の事を行って投稿しても却下される。
公正に研究を行うには、事前にこういった面倒なことが求められるのである。

日本ではやっと倫理委員会が機能し始めたところだというのに、世界を見渡すとさらに先に行ってしまっている。

これからは臨床研究を行うのであれば、資金と時間と人手をかけてかなりの覚悟が必要になるだろう。
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