はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

迎え方

2014-05-11 22:13:47 | 岩国エッセイサロンより
岩国市  会 員   片山 清勝

 乾いた砂が指の間からサラサラ落ちるように記憶が消える。頭を押さえる。そんな焦りの行動をあざ笑うかのように記憶は消え続け止まらない。胸が苦しくなり、もがく。そこで目が覚めた。のどがカラカラだ。 
 眠りから覚め深夜の出来事を反復、思い出せてほっとする。老化により記憶力や視力、聴力などが低下する。それは年相応に来るだろう。それに驚かないよう心構えはしておこう。
 でも、夢はその前触れ、としたら近くまで来ているのか。もし来たら題材にして書いて投稿しよう。そう思うと楽しみが増える。明るく迎えてやろう。


   (2014.05.11 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロンより転載

家庭訪問

2014-05-11 22:00:55 | はがき随筆
 間断なく枯れ葉が舞い落ちる。掃く手を休めて「賽の河原」と娘にぼやくも、お客様を迎えるのは好きである。2.3日前から庭の草取りや掃除をする。 今日は中3の孫娘と小6の孫息子の家庭訪問を、時間をずらして同じ日にお願いした。
 玄関脇の繁みに黄色のエビネ蘭がひっそりと咲く。その2.3本を切って玄関に生けた。幸い父親もいて同席、終始笑い声がする。私の子共の頃と違う。
 前の晩、私も同席したいと娘に言ったら言下に「駄目」と怒られた。万事都合よく事が済み、互いに労をねぎらって新茶をおいしくいただいた。
  鹿児島市 内山陽子 2014/5/11 毎日新聞鹿児島版掲載