はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

記事に昔の娘重ね涙

2011-01-18 23:44:54 | 岩国エッセイサロンより
2011年1月18日 (火)
  岩国市  会 員  貝 良枝

 くらし面の「思い出のれんらくちょう」が好きで、毎回読んで笑っている。11日付のそれは涙が出てきた。

 子どもは「人のためにあれこれ世話をやこうとする。『お役に立ちたい』という熱意に満ち満ちている」というところを読んで思い出した。

 今や私の大切な生活の一部になっている投稿。その始まりは、まさに娘の「お役に立ちたい」を書いたものだった。

 仕事から帰ってきた私を、当時小学5年生だった娘は、台所で夕飯を作りながら「お帰り」と迎えてくれた。その光景と「思い出のれんらくちょう」の内容が重なり、涙が出てきたのだ。

 その娘は、ことし成人式を迎え、大人の仲間入りをした。お祝いの式典をし、一緒に写真を撮った時、「私の子育ては終わったなあ」と感じた。

 ところで、娘の多くの「お役に立ちたい」の気持ちを、私は受け止めていただろうか。忙しい忙しいで気付かなかったことも多かったのではなかろうか。

 でも今更、考えても反省しても仕方ない。大きな心配もかけず、健康でいてくれたことに感謝するとしよう。

  (2011.01.18 中国新聞「広場」掲載 岩国エッセイサロンより転載

人生は挑戦

2011-01-18 23:30:32 | はがき随筆
 人生とは、「挑むこと」と言っても過言ではなかろう。
 高齢者にも挑戦の在り方があろうが、力みすぎず長続きすることが大切。私は、やることの多い中、折りに触れ「さつま狂句」や「川柳」をとりこみ、心豊かな暮らしを求め、心を和ませたい。若いスポーツマンが鍛えられるようにはいくまいが、心根は一つ。くじけず背かず、時には止まって考え、心を鎮めることを忘れず続けたい。
 芸術家や職人の作品や技を究める生き方も同様ではないか。人生に「挑戦」を忘れては生気が失われる。高齢者に、よりふさわしい生き方を、この1年模索したい。
  薩摩川内市 下市良幸 2011/1/16 毎日新聞鹿児島版掲載

感謝と融通無碍

2011-01-18 23:23:13 | はがき随筆
 「生きてくれてありがとう」。重度の半身マヒとなり、車椅子生活5年目が始まる夫へ。「生まれてきてくれてありがとう」。夫60歳、私45歳の時に生まれてきてくれた我が家の希望、13歳の一人娘の三希子へ。
 「いろいろ本当にありがとう」。自宅で介護する私に、励ましのメールや手紙、食料品などの送り物、いつも優しい心遣いの友人たち。介護仲間の一番のすてきな年長さんは、84歳。90代のご主人を介護中。私の目標となる素晴らしい先輩。
 今年も、いろんな方々に心から感謝し、融通無碍の気持ちで生きていきたいと思う。
  鹿児島市 萩原裕子 2011/1/16 毎日新聞鹿児島版掲載