はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

「障碍者」の表記

2010-04-01 11:34:56 | はがき随筆
佐賀県の古川康知事が、マイナスイメージが強い「障害者」の表記を変え「障碍者」と表記できるよう国に要望することを明らかにしたという。「碍」は妨げの意味で、他を害すると
いう意味はなく、こちらの方がふさわしいとしている。
 私は、心臓機能に障害があり身体障害者であるが、今まで何の疑問も抱くことはなかった。我々障害者は、障害のない人の問で普通に使われる何気ない言葉一つで、傷つき悩み苦しむことがある。困難を抱える障害者に温かい手を差し伸べようとする佐賀県知事の要望を国が是非かなえてくれるよう切望する。
  鹿児島市 川端清一郎(62) 2010/4/1毎日新聞鹿児島版掲載

静と動の干拓地

2010-04-01 10:36:26 | はがき随筆
 干拓地を夕方歩いている。この冬も、この干拓地には1万羽を超える鶴が飛来してにぎわった。それにカメラや望遠鏡を持って、遠くは東北地方からも見物人が来てにぎわっていた。今は防護ネットも監視小屋も撤去され、訪れる人もなく、もとの静かな干拓地に戻った。
 しかし、この干拓地では間もなく早期米の田植えが始まる。すると機械の音が響き渡ってにぎやかになる。また干拓地の外の浜ではマテ貝採りも始まる。その人と車がここを通って、更ににぎやかになり、春真っ盛りとなる。私の歩く足も軽くなり、歩く楽しさも増してくる。
  出水市 畠中大喜(73) 2010/3/31 毎日新聞鹿児島版掲載