kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

会社は誰のもの

2019-01-28 07:23:44 | 日記
週末25日の東京市場は大きく反発しました。米国市場が小幅安だっ
たことを考えれば上々の一日だったかもしれません。24日まで三日
続落していたことや米国市場で半導体関連銘柄が上昇したことで東
京市場でも半導体関連や機械株などが人気でした。

もっとも市場では半導体関連銘柄や工作機械などにはこのところ株
価にネガティブなニュースが多くなってきていることから俄か人気
に違和感を受ける投資家もいるようです。米国市場の半導体関連銘
柄の業績も予想よりは良かったということであり年末の総悲観ムー
ドで売り叩かれていた反動も大きかったのではないでしょうか。

極端な悲観論から売り叩かれたことで年明けい業績悪が報道された
安川電機や日本電産が上昇したのは市場のマインドに変化をもたら
しました。大きく戻すかは別にして年末年始の調整で当面の底を打
ったのだけは確かなようです。

日産関連のニュースは連日報道されています。逮捕されて2ケ月弱
経過するというのに相変わらずニュースの紙面ではゴーン元会長の
文字を見かける場面がまだ続いています。黒か白かは今後の裁判で
明らかになるでしょうが、ニュースを見る限り元会長が金銭面での
公私混同があり疑惑を持たれても不思議ではなかったのかもしれま
せん。

もっともそれでカリスマ経営者として名声を馳せた元会長の評価が
覆る訳ではありません。窮地の日産を救ったのは紛れもなくゴーン
元会長の手腕によるところが大きかった訳です。元会長はプロ経営
者の元祖でもある訳です。

この10年で日本でもプロ経営者という言葉が盛んに出てくるように
なりました。マックを蘇らせた原田氏、カルビーを食品業界の優良
企業に生まれ変わらせた松本氏、資生堂を見事V字回復させた魚谷氏
などが代表格です。

彼らの功績は素晴らしいのは今更ですが、彼らに経営を託そうと決
断した人たちにも拍手を送るべきです。日本ではプロパー社員が経
営者になるケースがほとんどですから外部からのスカウト経営者へ
の社内からの反発は当然あったでしょう。それを説得した人物も評
価すべきです。

一方リクシルで起きた経営陣の交代はいただけません。外部から招
いたプロ経営者を3年で相次いで退陣させました。リクシルの前身は
潮田健次郎元会長が創業したトーヨーサッシです。現会長は2代目で
す。現会長である洋一郎氏がGEの日本法人トップの藤森氏をスカウ
トし経営を託したのは本人にも経営者としての資質に欠けるという
自覚があったからです。

創業者でもある健次郎もそのように考えていたようです。いくらス
カウトしたプロ経営者が積極的に進めていたM&Aで躓いたからと言
って5年で交代させ後釜として工具のネット通販で名声を高めてい
た瀬戸氏を招請しました。しかしその瀬戸氏も僅か2年弱でクビに
しました。創業家とはいえ大株主でもない潮田会長が1部市場に上
場する大企業である会社のトップをいとも簡単に変えることは間違
っているのではないでしょうか。

会社は従業員や株主それに様々な取引先など多くの利害関係者が関
わっています。先週には低迷する株価に不満を募らせMBOして非公
開にすることや本社をシンガポールに移転するとの観測報道も出て
きました。もう一度「会社は誰のもの」ということを考えて欲しい
ものです。
コメント
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