kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

荒唐無稽

2019-01-23 06:05:16 | 日記
米国株の上昇を受け上昇して始まった今週の東京市場ですが、早く
も試練を迎えたようです。週明けの取引では2万1000円乗せも期待
されましたが、高値は2万892円まででした。投資家は予想以上に
上値を追ってまでも買うことに慎重になっているようです。21日の
伸び悩みが22日の下げに繋がったようです。

そして3連休明けのNY市場が大幅に下げたために今日の東京市場の
動きが気になります。25日からは東京市場でも決算発表が本格化し
ます。既に業績下方修正した安川電機や日本電産が悪材料出尽くし
で上昇したことで市場では業績悪は織り込み済みという見方が多い
ようですが、株価水準が低かったことや米国株高の追い風も見逃せ
ません。今後米国株が軟調に推移するなどあればまた違った景色に
なるかもしれません。まだまだ波乱含みという見方は捨てきれない
と考えています。

先週次のようなニュースが配信されました。「米ブルームバーグ通
信は18日、中国が米国からの輸入額を2024年までの6年間で計1兆
ドル(約110兆円)以上増やし、同年までに貿易黒字を解消させる
案を米国側に示したと報じた。貿易不均衡の是正を求める米政権と
の対立緩和を狙うが、米政権内には大規模な輸入増の実現に懐疑的
な見方があるという。

記事通りの内容なら中国は米国から年間1700億ドル(日本円で18兆
円)ずつ輸入を積み上げなくてはなりません。18年の米国からの輸
入額は1550憶ドルでしたから如何に大規模な輸入増計画だというこ
とが分かります。しかし問題はその実行力がどこまで担保できるか
です。現状ではブルームバーグ通信が伝えたような内容は荒唐無稽
のようです。

中国の輸入品目で金額が大きな品目は鉄鉱石などの金属資源、石炭
原油、穀物です。米国から輸入を増やせるものは原油やLNGそれに
穀物が輸入金額としては大きくなります。工業製品ではやはり航空
機でしょうか。自動車は市場が低迷していることから大きな期待は
出来ません。

今回の貿易戦争でクローズアップされた半導体は米国の得意分野で
すが製造はほとんど米国以外ですから米国の赤字減らしには役立ち
ません。iPhoneだって部品や組み立てはほとんど米国以外というの
が現状なのです。こう考えてみると中国が対米黒字を本気で減少さ
せようとしたら輸出を大幅に減少させなければなりません。

しかし世界の工場として高成長してきた中国経済にとって輸出に制
限を加えるのは自分の首を自分で絞めるようなものです。米国経済
もここにきて米中貿易戦争の悪影響が表面化して悪い経済統計も目
立ってきています。

トランプ大統領も来年の再選に向けて景気失速はどうしても避けた
い問題です。米中も思惑が一致すれば何らかの合意は出来るかもし
れませんが、果たして市場が満足できるような内容になるかどうか
は分かりません。米中貿易戦争の一時休戦はあってもこの問題が長
引くというのは今や市場のコンセンサスになりつつあります。
コメント
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