kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

内需銘柄優位の展開

2018-04-06 06:09:18 | 日記
米中の貿易交渉は当面相手の出方を見ながらの展開になりそうです。
「米中貿易戦争は起こらない。市場は過剰反応しないでほしい」。
円安・ドル高が進んだきっかけは4日にテレビ出演したクドロー米国
家経済会議(NEC)委員長の発言で安心感が広がり日米市場は反発
しました。

もっとも何時トランプ大統領のちゃぶ台返しがあるかもしれませんか
ら安心は出来ません。多分今年は中間選挙を控えてトランプ政権は貿
易問題が今年1年続くと投資家は覚悟したほうが良さそうです。

米中の貿易戦争に繋がりかねない通商交渉は二転三転するでしょう。
その度ごとに市場は様々なニュースに好感したり失望したりを繰り返
すでしょう。国同士の交渉事はすんなり進むことはまずありません。
例えばTTPの交渉も決裂の危機を何度も迎えました。合意か決裂か
どっちに転ぶかはギリギリまで分かりません。

米国は中国だけでなくカナダ・メキシコとのFTAの再交渉も控えてい
ます。中国が突出していますが、米国の貿易赤字の主要な国である日
本、ドイツも何時とランプ大統領に名指しされるか分かりません。ト
ランプ大統領と安倍首相は個人的に信頼関係を築いていますが、それ
と貿易問題は話が別なのは先ごろの鉄鋼・アルミの高関税適用に日本
が外れなかったことからも明らかです。

歴史を紐解くと日米首脳同士の親密さは中曽根首相とレーガン大統領
のロン・ヤスと呼び合うほどの仲でした。その後も小泉首相とブッシ
ュ大統領安倍首相とオバマ大統領とも親密な関係者を築き通商問題も
大きな摩擦を呼ぶことはありませんでした。

しかし異端な大統領であるトランプ氏にはこれまでのケースとは違っ
た対応が必要です。あくまで米国第一主義を掲げる大統領に取って
まず米国の国益が一番にきます。米中の案件に目処がついたとしても
次は日本など他国に飛び火する可能性は低くありません。こんな状況
ですから円高圧力が何時ぶり返すか分かりません。

5日の欧米市場では貿易戦争の懸念後退を囃して株高が進みました。
円相場も107円台を回復しました。これを受けて輸出関連株は上昇
するでしょうが、この動きが持続するかどうかが問題です。売り方の
買戻しは期待できるでしょうが、長期資金が継続して買ってこなけれ
ば息切れの懸念はついて回ります。

325円高と大幅上昇した5日の市場でも元気の良かった銘柄は内需系
の好業績期待の銘柄ばかりです。輸出関連銘柄の上値は総じて重かっ
たようです。今日も高く始まるでしょうが、上値は重いかもしれませ
ん。今回の反発の主役はどうやら内需系になりそうです。

7、8日の更新はお休みします。
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喉に刺さった棘、貿易戦争

2018-04-05 05:02:41 | 日記
米国株の大幅高を好感して高く始まった4日の東京市場は欧州勢の
参加が始まる10時半過ぎに急激に下げマイナス圏に沈みました。
同時刻に伝わった米国が中国の知的財産の侵害に対して発動する
制裁関税の原案を公表したことで改めて米中の貿易戦争への懸念が
強まり海外の短期筋の売りを誘ったようです。

もっとも午後には買い直され再びプラス圏に浮上結局小幅上昇で引
けました。おそらく欧州の短期筋の先物売りが急激な下げの要因で
しょうが下げが限定的だったので午後には買い戻されたのかもしれ
ません。

今のところ市場では本格的な米中の貿易戦争に発展する懸念は薄く
お互いに自国に有利な条件で決着をつけようとジャブを繰り返して
している状況だというのが基本線のようです。

もっとも不確実この上ないトランプ大統領と偉大な中国国家樹立へ
の野望を持っている習国家主席が当事者です。トランプ大統領は選
挙期間中の公約を実現することが中間選挙で勝利する道だと考えて
いるようですから貿易問題で安易に妥協しない可能性もあります。

中国が大人の対応で米国側に配慮する解決策を模索すれば最悪の事
態にはならないでしょうが、この貿易問題解決が長引くようだった
ら不透明感を嫌う市場に取っては好ましい状態ではありません。こ
の先も貿易問題で市場が翻弄される展開が続く可能性も否定できま
せん。内外の多くの投資家も通商問題が今年の最大の懸念材料とい
う見方をしているようです。

東京市場では外需銘柄売りの内需好業績銘柄買いの構図が新年度入
り後も続いています。外需銘柄のPERは10倍を下回る銘柄も多く割
安感を指摘する市場関係者もいますが、なかなか売りが止まりませ
ん。一方中国人観光客の爆買いが続いている化粧品メーカーの株価
は連日高値を更新しています。

中心銘柄の資生堂やコーセーのPERは50倍前後とかなり割高な水準
ですが、買いの勢いはまだ続いています。既に株価水準はチキンレ
ースの様相を呈していますからリスクとリターンを慎重に天秤にか
けての投資になります。新規に買うにしても空売りするにしても難
しい銘柄となっています。

4日のNY市場は中国政府が4日に米国の大豆、牛肉、自動車や飛行
機など106品目に25%の報復関税をかけるという発表を受けて貿易戦
争が激化することを嫌気して一時500ドルを越える下げを演じました。
午後に入るとトランプ米政権が新たな措置の検討はしていないと伝わ
ったことから両国が貿易戦争を回避するために交渉が進むとの期待が
買い戻しが強まり結局230ドル上昇して引けました。市場の不安心理
は高い状態でまだまだ振れの大きな動きは続きそうです。
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大統領に翻弄される

2018-04-04 06:17:53 | 日記
第一営業日の上昇というアノマリーは4月も不発でした。2日の取引
終了間際の急落で2ヶ月ぶりの上昇はなりませんでした。マイナス圏
に沈んだ場味が悪かったことも東京市場の負の連鎖が波及したので
しょうか。連休明けの米国株の大幅安で東京市場も出鼻をくじかれま
した。やはり今後も東京市場は米国株次第ということになりそうです。

貿易戦争への懸念は後退したことで3月末には持ち直しの兆しをみせ
ていた米国株は2日再び貿易戦争への懸念やハイテク銘柄の先行き不
安から大幅安になりました。市場の一部には欧州市場が週明けの2日
も休日だったことから参加者が限られていたことで今回の大幅安を必
要以上に不安視することは無いと言う見方もあるようです。

貿易戦争激化以上に市場が気にしているのはトランプ大統領による
アマゾンへの執拗な口先攻撃でしょうか。アマゾンを含めたFANG銘
柄は市場が不透明な時には救世主となり相場を牽引してきただけに
アマゾンに限らず他の大型ハイテク銘柄が主導するように下落する
現在の相場は投資家心理を必要以上に冷え込ませます。

同じく市場の人気が高かったテスラは計画通り進んでいない量産へ
の不安に加えリコール問題も飛び出し正念場を迎えています。アマ
ゾンもテスラも100倍を超えるPERは高成長期待があっての数字です。
今回のようにビジネスモデルに拘わる悪材料が重なると売りがなか
なか止まりません。

トランプ大統領による保護主義の高まりや大型ハイテク銘柄に対し
てのネガティブな発言が何時沈静化するのか。日米市場ともアノマ
リーでは4月高を示していますが、少なくとも月の前半はまだまだ
不安定な相場が継続しそうです。今月中旬からスタートする米国企
業の決算発表で相場が立ち直りのキッカケを掴むと期待する市場の
声が果たして伝わるのでしょうか。
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日立にまだ必要なもの

2018-04-03 04:37:29 | 日記
4月相場が始まりました。企業の決算対策売りが終わり今度は新年
度入りでニューマネーの流入も期待されます。4月は過去を紐解く
と海外投資家買い越しに転じると言うアノマリーもあり需給面で
の追い風を指摘する市場関係者も多いようです。

日本株に大きな影響を与える米国株も2月3月で保護貿易などの悪
材料をかなり織り込み徐々に下値は固めから上値を追う動きも期
待されます。市場は通商面から次第に企業業績に関心が向かうと
の見方があり二桁増益が予想されることから再評価の買いが株価
を押し上げると予想も出ています。

日本株もGWに向かって上昇するのでしょうか。期待半分不安半分
と言うのが正直なところ多くの投資家心理かもしれません。どこ
まで戻せるかはやはり鍵を握っているのは円相場でしょうか。理
想を言えば110円越えですが、悪くても108円程度まで円安が進め
ば御の字でしょうか。

日経平均は安値から1000円弱戻しましたが、個別企業では明暗が
分かれているようです。年末、年始相場の主役の一角だった電機
銘柄は総じて戻りが鈍いようです。日立もその1社です。株価は1月
22日に2014年12月につけた939円の高値を更新して944円まで上昇
しましたが、そこで力尽きてしまいました。

3月26日に736円の安値をつけました。高値からの下落率は22%で
した。先週末は770円でしたから下げ幅の戻りは僅か16%です。前
期業績を基にしたPERは12%台ですから市場平均を下回っています。
日立株といえばIOTやAI分野で中心的な企業と見られています。

また会社が注力している鉄道分野では欧州企業の買収効果もあり順
調に業績を伸ばしていると見られています。子会社で展開している
建機事業も前期は絶好調でした。今期も受注の動向から高水準な利
益は期待できそうです。昨年には本業との相乗効果が薄い子会社の
日立工機や日立国際電機を売却して選択と集中を進めました。

それでも同じ電機セクターのパナソニックやソニーにPERでは低い
評価に甘んじています。どこに原因があるのでしょうか。近年選択
と集中を進めたとはいえまだ日立には上場子会社が5社(日立建機
日立化成、日立金属、日立ハイテクノロジー、クラリオン)もあり
ます。

日立化成と日立金属、それにクラリオンはここ数年の高値から大き
く下落しています。各社の3月の株価も低迷したままです。日立建
機と日立ハイテクノロジーはそれぞれ建機需要や半導体需要の好調
から高値からは下落していますが、それでも数年間で見れば高い水
準を維持しています。

株価低迷の理由は業績にあるようです。しかも日立の上場子会社と
言うことで自社株買いなどの株主還元も多くは期待できません。業
績好調時はいいのですが、不振時には上場子会社ディスカウントが
あるように思えます。親会社の日立株の足を引っ張る要因ともなっ
ているのかもしれません。もう一度企業統治の形を見直し時期に来
たのかもしれません。

一部には日立化成は独立心が強く完全子会社するのは難しいようで
す。それならば親会社としては日立グループからの離脱も選択肢の
一つかもしれません。日本企業に多い親子上場は海外投資家には利
益相反のおそれがあると見られて不評です。また少数株主への利益
流出も問題視されます。一時に比べれば少なくなったとはいえまだ
上場子会社が5社もある企業は余りありません。

日立本体の中核事業との相乗効果が見込めない企業は今一度見直し
をすべき時期に差し掛かっているのかもしれません。完全子会社だ
った日立マクセルは再上場後、日立が持ち株を大きく減らして独立
させました。株価も大きく居所を変えました。子会社の整理をして
経営資源を注力している分野でのM&Aに使うのがベストなシナリ
オでは無いでしょうか。
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4月相場展望

2018-04-02 06:02:48 | 日記
週末、月末、期末と揃った30日の東京市場は円相場の落ち着き米国
株の大幅上昇もあり終日堅調な動きでした。日経平均は3月26日の
ザラバ安値2万347円を底に反発し1000円上昇したことになります。
第1営業日での連騰記録は3月に途切れてしまいましたが、2月まで
20ヶ月上昇してきた事もありまだアノマリーに期待する投資家も多
そうです。

また東京市場は4月に過去10年間すべて上昇しています。上昇の要
因は海外投資家が過去10年に限ればすべて買い越しを続けてけてい
ることです。年始からここまで11週連続で現物と先物合計で7兆
7000億円を売り越してきた海外投資家ですが、3月3週は9週ぶりに
先物を1975億円買い越しに転じました。

海外投資家の売り越し額の6割を先物が占めています。売り越した
先物は比較的短期間に買い戻される傾向があり先物の買い越し基
調が続けば上昇に弾みがつくこともあるでしょう。問題は10年ぶ
りの水準まで膨れ上がった信用買い残高の行方です。3月3週の残
高は3兆6759億円ですが、1月23日の年初来高値2万4219円の翌日
以降の下落過程で5400億円増加しました。

日経平均が2万2000円を超えてくれば徐々に売り圧力が強まりそう
です。勿論海外投資家が市場の期待する通りかなりまとまったロッ
トで買い越しを続ければ不安は後退するでしょう。そして今年は年
初から予定外の出来事が多発しています。

北のミサイル発射や核実験などで混乱も予想された平昌オリンピッ
クでしたが、北朝鮮が韓国との合同チームでの参加でその不安は一
転消えました。その後からの北朝鮮の一連の融和ムードはそれまで
の軍事的緊張が嘘のようでした。これは予期しない良いニュースで
したが、トランプ大統領がここまで通商面で強行策に出てくるとは
思いませんでした。

確かに中国に対しての巨額な貿易赤字は放置できませんが、既に中
国とは国際分業が進み中国製品無しではビジネスが出来ない分野も
あります。市場開放の手段とはいえ一方的に高関税をかけるやり方
は国内でも批判されています。2月の暴落から立ち直りかけていた
米国株が再び軟調な市場に戻ってしまったのは保護主義の強まりで
す。やはり保護主義の高まりは米国経済にとって全体的にはマイナ
ス要因だということを示しています。

4月相場が引き続き不安定な展開のまま進むのかそれとも3月の大幅
安の反動から予期しない上昇があるのか。多少の円高や保護主義へ
の抵抗力はついてきたのでしょうか。多くの投資家が当面上値が重
いと警戒して慎重になれば案外予想外の上昇もあるのでしょうか。

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