kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

日立にまだ必要なもの

2018-04-03 04:37:29 | 日記
4月相場が始まりました。企業の決算対策売りが終わり今度は新年
度入りでニューマネーの流入も期待されます。4月は過去を紐解く
と海外投資家買い越しに転じると言うアノマリーもあり需給面で
の追い風を指摘する市場関係者も多いようです。

日本株に大きな影響を与える米国株も2月3月で保護貿易などの悪
材料をかなり織り込み徐々に下値は固めから上値を追う動きも期
待されます。市場は通商面から次第に企業業績に関心が向かうと
の見方があり二桁増益が予想されることから再評価の買いが株価
を押し上げると予想も出ています。

日本株もGWに向かって上昇するのでしょうか。期待半分不安半分
と言うのが正直なところ多くの投資家心理かもしれません。どこ
まで戻せるかはやはり鍵を握っているのは円相場でしょうか。理
想を言えば110円越えですが、悪くても108円程度まで円安が進め
ば御の字でしょうか。

日経平均は安値から1000円弱戻しましたが、個別企業では明暗が
分かれているようです。年末、年始相場の主役の一角だった電機
銘柄は総じて戻りが鈍いようです。日立もその1社です。株価は1月
22日に2014年12月につけた939円の高値を更新して944円まで上昇
しましたが、そこで力尽きてしまいました。

3月26日に736円の安値をつけました。高値からの下落率は22%で
した。先週末は770円でしたから下げ幅の戻りは僅か16%です。前
期業績を基にしたPERは12%台ですから市場平均を下回っています。
日立株といえばIOTやAI分野で中心的な企業と見られています。

また会社が注力している鉄道分野では欧州企業の買収効果もあり順
調に業績を伸ばしていると見られています。子会社で展開している
建機事業も前期は絶好調でした。今期も受注の動向から高水準な利
益は期待できそうです。昨年には本業との相乗効果が薄い子会社の
日立工機や日立国際電機を売却して選択と集中を進めました。

それでも同じ電機セクターのパナソニックやソニーにPERでは低い
評価に甘んじています。どこに原因があるのでしょうか。近年選択
と集中を進めたとはいえまだ日立には上場子会社が5社(日立建機
日立化成、日立金属、日立ハイテクノロジー、クラリオン)もあり
ます。

日立化成と日立金属、それにクラリオンはここ数年の高値から大き
く下落しています。各社の3月の株価も低迷したままです。日立建
機と日立ハイテクノロジーはそれぞれ建機需要や半導体需要の好調
から高値からは下落していますが、それでも数年間で見れば高い水
準を維持しています。

株価低迷の理由は業績にあるようです。しかも日立の上場子会社と
言うことで自社株買いなどの株主還元も多くは期待できません。業
績好調時はいいのですが、不振時には上場子会社ディスカウントが
あるように思えます。親会社の日立株の足を引っ張る要因ともなっ
ているのかもしれません。もう一度企業統治の形を見直し時期に来
たのかもしれません。

一部には日立化成は独立心が強く完全子会社するのは難しいようで
す。それならば親会社としては日立グループからの離脱も選択肢の
一つかもしれません。日本企業に多い親子上場は海外投資家には利
益相反のおそれがあると見られて不評です。また少数株主への利益
流出も問題視されます。一時に比べれば少なくなったとはいえまだ
上場子会社が5社もある企業は余りありません。

日立本体の中核事業との相乗効果が見込めない企業は今一度見直し
をすべき時期に差し掛かっているのかもしれません。完全子会社だ
った日立マクセルは再上場後、日立が持ち株を大きく減らして独立
させました。株価も大きく居所を変えました。子会社の整理をして
経営資源を注力している分野でのM&Aに使うのがベストなシナリ
オでは無いでしょうか。
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