kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

楽天に勝算はあるのか

2018-04-11 03:18:08 | 日記
最悪の貿易戦争は中国の譲歩で避けられそうということから10日の
米国株は大幅高になりました。事態はまだ流動的ですが、どうやら
NY市場は2万5000ドルを目指す動きになるのでしょうか。円相場
も107円台を回復、11日の日本株には追い風になりそうです。

米国市場では中国との貿易摩擦激化懸念から売り込まれていたボー
イングやキャタピラーが買い戻されて上昇したようです。東京市場
でも中国関連銘柄中心に買い戻しの動きが予想されます。もっとも
東京市場では10日に既に中国がらみのニュースは伝わっていて安川
電機や日立建機が上昇する一方、この迄市場を牽引していた資生堂
や花王が突如下げるなど景気敏感株買いのディフェンシブ売りが鮮
明でした。11日もこの流れが続くかどうか期待半分、不安半分とい
うところでしょうか。

楽天が4社目の携帯通信事業者になりました。認定書式に姿を現した
三木谷会長兼社長は満面の微笑みを浮かべていましたが、楽天の株
主に笑顔が戻るのはいったい何時のことになるのでしょう。10日の
東京市場で楽天株は連日で年初来安値を更新しました。9、10日の
二日間だけで先週末に比べて6%の下落です。

三木谷氏には楽天市場の9000万人の会員を自社の通信事業に誘導し
早期に事業を軌道に乗せたい腹積もりのようです。しかし株価の推
移を見る限り市場は携帯事業参入が楽天の企業価値を上げるとはみ
ていないようです。

楽天は事業参入にあたって設備投資に6000億円をつぎ込むと発表し
ています。この資金を借り入れで賄うにしろ増資に頼るにしろ株主
は財務悪化や株式の希薄化に直面します。果たして6000億円の巨額
な資金をつぎ込んでもこのビジネスが高収益をもたらすのか疑問も
多いようです。

通信事業のようなインフラビジネスで高収益を上げている企業は大
きなシェアを獲得している企業です。シュアの低い企業はトップ企
業に比べてかなり低収益というのがお決まりのコースです。ソフト
バンクが買収した米国のスプリントの再建が大きく前進しないのは
業界4位という状況が影響しています。

またソフトバンクがボーダフォンから日本事業を買収した事業が
成功したのは当初人気端末のiPhoneを独占的に販売できたことが
当時業界のガリバーだったドコモから顧客を奪うのに大きく貢献
しました。今でもスマホ販売の6割近いシェアあるiPhone端末を
楽天が販売できるのかも重要になってきます。

また日本でも2020年には本格化する5Gサービスには楽天は今回
の6000億円とは別勘定で資金を用意しなければなりません。また
6000億円も使うのであればネット関係の有望なビジネスを行って
いるベンチャーを買収したほうが企業価値を上げられると考えるの
はビジネスの素人考えでしょうか。
コメント
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