kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

前哨戦はやや期待外れ

2018-04-13 06:19:16 | 日記
3月決算企業の株価動向を占う前哨戦という位置づけもできる2月
期決算発表が本格化しています。その多くが小売りや外食産業です。
決算内容や決算を受けての株価の反応はマチマチのようです。小売
りや外食産業はパートやアルバイトのウエイトの大きな分野です。

空前の人手不足が続き時給も急上昇しました。時給の上昇で人件費
が増加して費用がかさむという現象は全社的な傾向ですが、人件費
上昇をカバーして業績を伸ばす企業と減益決算になる企業と明暗が
分かれているようです。今後はセルフレジの導入など人手不足に迅
速に対応できるところと出来ないところと差が広がる可能性が高く
なりそうです。

小売りではビッグカメラや良品計画の好業績はそれぞれインバウン
ド需要を上手く取り込んだことや海外市場の好調などが要因です。
決算を受けて株価の反応も良かったようです。一方同じ小売りでも
事前に化粧品などインバウンド需要の好調から期待が高かった高島
屋やJフロントは会社側の数字が市場予想に届かなくて大きく下げ
ました。

外食産業は小売り以上に人件費の上昇がまともに業績を直撃しまし
た。デフレの勝ち組といわれたサイゼリアやプレナスは大きな失望
とともに株価も大幅安でした。人手不足は今後も続きパートやアル
バイトの賃金は今後も上昇するかもしれません。低価格を売りにし
ているビジネスモデルだけに両社の先行きはまだ厳しい状況が続き
そうです。

小売りや外食銘柄は貿易戦争や円高懸念など外部環境の悪化から東
京市場では今月は直近まで物色の中心でした。株価上昇も目立って
いました。それだけに業績面での悪材料で大きな下げが待ち受けて
いたようです。政府の旗振りで賃上げ要請が続きましたが、労働者
がメリットを受ける一方一部の企業では業績に大きな影響が出るこ
とが改めて認識させられました。人手不足や人件費上昇を乗り切る
経営が今後求められそうです。

今月下旬から本格化する3月期決算企業の決算発表ですが、素材関
連や電機や自動車など景気敏感株や円相場に業績が左右される企業
が多いだけに内需銘柄主体の2月期決算企業とはまた違った要因で
業績の明暗が出てきそうです。大きく売り込まれた銘柄には決算発
表で見直し買いが入り上昇する銘柄もあるでしょうし、また市場予
想以上に2018年度決算が厳しい内容になり売り直される銘柄もあり
そうです。多くの場合決算時の株価の動きほど分かりづらいことは
ありません。

14、15日の更新はお休みします。
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楽天に勝算はあるのか

2018-04-12 06:09:03 | 日記
楽天が4社目の携帯通信事業者になりました。認定書式に姿を現した
三木谷会長兼社長は満面の微笑みを浮かべていましたが、楽天株は
年初から11日まで22%も下落しています。日経平均がこの期間5%
の下げでした。しかも現在の水準はアベノミクス相場で大きく上昇
するスタートの年の2013年初頭の水準に近づいています。

アベノミクス相場での高値は2015年4月14日の2362円ですから凡そ
四分の一になってしまったことになります。楽天の株主に笑顔が戻
るのはいったい何時のことになるのでしょう。10日の東京市場で楽
天株は連日で年初来安値を更新しました。9、10日の二日間だけで
先週末に比べて6%の下落です。

三木谷氏には楽天市場の9000万人の会員を自社の通信事業に誘導し
早期に事業を軌道に乗せたい腹積もりのようです。しかし株価の推
移を見る限り市場は携帯事業参入が楽天の企業価値を上げるとはみ
ていないようです。

楽天は事業参入にあたって設備投資に6000億円をつぎ込むと発表し
ています。この資金を借り入れで賄うにしろ増資に頼るにしろ株主
は財務悪化や株式の希薄化に直面します。果たして6000億円の巨額
な資金をつぎ込んでもこのビジネスが高収益をもたらすのか疑問も
多いようです。

通信事業のようなインフラビジネスで高収益を上げている企業は大
きなシェアを獲得している企業です。シュアの低い企業はトップ企
業に比べてかなり低収益というのがお決まりのコースです。ソフト
バンクが買収した米国のスプリントの再建が大きく前進しないのは
業界4位という状況が影響しています。

またソフトバンクがボーダフォンから日本事業を買収した事業が成
功したのは当初人気端末のiPhoneを独占的に販売できたことが当時
業界のガリバーだったドコモから顧客を奪うのに大きく貢献しまし
た。今でもスマホ販売の6割近いシェアあるiPhone端末を楽天が販
売できるのかも重要になってきます。

また日本でも2020年には本格化する5Gサービスには楽天は今回の
6000億円とは別勘定で資金を用意しなければなりません。6000億円
も使うのであればネット関係の有望なビジネスを行っているベンチ
ャーを買収したほうが企業価値を上げられると考えるのはビジネス
に疎い素人考えでしょうか。

11日の株価(800円)を基にしたPERは10.7倍です。ネット企業とし
てはかなり低い水準です。それだけ今後の成長期待が低下したこと
をあらわしているようです。楽天が再び成長軌道に戻る起爆剤に通信
事業がなるのか、それとも重荷になるのか結論がいずれ出るでしょう。
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楽天に勝算はあるのか

2018-04-11 03:18:08 | 日記
最悪の貿易戦争は中国の譲歩で避けられそうということから10日の
米国株は大幅高になりました。事態はまだ流動的ですが、どうやら
NY市場は2万5000ドルを目指す動きになるのでしょうか。円相場
も107円台を回復、11日の日本株には追い風になりそうです。

米国市場では中国との貿易摩擦激化懸念から売り込まれていたボー
イングやキャタピラーが買い戻されて上昇したようです。東京市場
でも中国関連銘柄中心に買い戻しの動きが予想されます。もっとも
東京市場では10日に既に中国がらみのニュースは伝わっていて安川
電機や日立建機が上昇する一方、この迄市場を牽引していた資生堂
や花王が突如下げるなど景気敏感株買いのディフェンシブ売りが鮮
明でした。11日もこの流れが続くかどうか期待半分、不安半分とい
うところでしょうか。

楽天が4社目の携帯通信事業者になりました。認定書式に姿を現した
三木谷会長兼社長は満面の微笑みを浮かべていましたが、楽天の株
主に笑顔が戻るのはいったい何時のことになるのでしょう。10日の
東京市場で楽天株は連日で年初来安値を更新しました。9、10日の
二日間だけで先週末に比べて6%の下落です。

三木谷氏には楽天市場の9000万人の会員を自社の通信事業に誘導し
早期に事業を軌道に乗せたい腹積もりのようです。しかし株価の推
移を見る限り市場は携帯事業参入が楽天の企業価値を上げるとはみ
ていないようです。

楽天は事業参入にあたって設備投資に6000億円をつぎ込むと発表し
ています。この資金を借り入れで賄うにしろ増資に頼るにしろ株主
は財務悪化や株式の希薄化に直面します。果たして6000億円の巨額
な資金をつぎ込んでもこのビジネスが高収益をもたらすのか疑問も
多いようです。

通信事業のようなインフラビジネスで高収益を上げている企業は大
きなシェアを獲得している企業です。シュアの低い企業はトップ企
業に比べてかなり低収益というのがお決まりのコースです。ソフト
バンクが買収した米国のスプリントの再建が大きく前進しないのは
業界4位という状況が影響しています。

またソフトバンクがボーダフォンから日本事業を買収した事業が
成功したのは当初人気端末のiPhoneを独占的に販売できたことが
当時業界のガリバーだったドコモから顧客を奪うのに大きく貢献
しました。今でもスマホ販売の6割近いシェアあるiPhone端末を
楽天が販売できるのかも重要になってきます。

また日本でも2020年には本格化する5Gサービスには楽天は今回
の6000億円とは別勘定で資金を用意しなければなりません。また
6000億円も使うのであればネット関係の有望なビジネスを行って
いるベンチャーを買収したほうが企業価値を上げられると考えるの
はビジネスの素人考えでしょうか。
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前門の貿易戦争、後門の景気後退懸念

2018-04-10 06:02:07 | 日記
週明け9日の東京市場は6日の米国株が大幅安だった割に寄り付き
後の下げは限定的でした。理由としては米国株の大幅安の原因だっ
た追加関税のニュースは6日の取引時間中に伝わっていたことであ
り米国株の下げを先取りするように日本株は下げていました。米国
株の大幅安で日本株も売られると売りから入った投資家や様子見の
投資家は下げが小幅だったことから買いに転じたようです。

午後の取引では100円強高い水準で堅調に推移しました。新年度
入りで国内機関投資家が株式のウェートを高める動きがありディフ
ェンシブ銘柄に資金が流入したことで輸出関連銘柄の下げを補った
こともあったようです。また海外短期筋も3月までのように大量の
先物を売ってこないこともあるのかもしれません。

もっとも物色銘柄はかなり偏っています。化学や非鉄それに機械や
電機銘柄中心に年初来安値を更新する銘柄は108銘柄あり、年初来
高値更新銘柄111でした。指数の動き以上に銘柄による明暗がはっ
きり表れました。銘柄選択が一層大事になってきました。PERも低
く高値から大きく値下がりした銘柄は逆張りで買いたい誘惑にから
れますが当面は大きな反発は期待できないかもしれません。

一つは需給面です。年初来安値更新銘柄の多くは年末年始に高値を
つけました。信用買い残は高値から下げる過程で膨らむことが多く
6か月期日が到来するのはこれからです。当面は上がればヤレヤレ
の戻り売りが株価の頭を押さえます。

輸出関連銘柄を考える上では業績が重要ですが、足元は好調でも既
に世界の景気はピークを過ぎ景況感は天井という見方もあり今後景
気後退につながる経済指標が出てくるという見方も一部にはあるよ
うです。これから発表になる決算は既に終わった事です。貿易戦争
の先行き不透明感もあり世界景気の先行きに市場が敏感になってい
ることもあり例年以上に今後の見通しが重要になりそうです。

今後のいくら投資指標面で割安感があっても今後業績悪化が懸念さ
れるとなると投資マネーは入ってきません。勿論景気の腰折れは杞
憂に終わり景気敏感株は今後見直し買いが期待でき今月の安値は絶
好の買い場という見通しが当たるかもしれません。また数年先を見
た長期投資なら多くの銘柄で報われる投資になるかもしれません。

リーマンショックから立ち直った世界の景気は長期間好調が続いて
います。どこかに時点で景気後退が訪れるのは歴史が証明していま
す。投資家の間でも常に景気後退に備えた動きをしているところも
あります。景気後退が近い将来起こるのであれば景気敏感株は貿易
戦争で下げ値ごろ感が出ても反発の勢いは長く続かないかもしれま
せん。景気後退懸念が杞憂に終わりしばらくは好調が続くのでれば
投資作戦はまた違ったものになります。貿易戦争は厄介ですがそれ
以上に世界景気の先行きが今年は重要です。
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日米FTAは悪夢

2018-04-08 12:22:16 | 日記
※ PC入れ替えのため一日前倒しで9日分を更新します。

米国株が再び動揺しています。勿論元凶はあの人です。トランプ大統
領が中国への制裁関税の上積み検討を指示したのを受けて、米中の貿
易摩擦が激化するとの懸念が再燃しました。6日のNY市場は中国事業
の比率が高い銘柄を中心に幅広い銘柄に売りが出ました。

クドロー米国家経済会議委員長が4日に「米中貿易戦争は起こらない。
市場は過剰反応しないでほしい」と言う発言をしたことで市場は落ち
着きを取り戻すと期待されましたが、またしても大統領のちゃぶ台返
しで期待は失望に変わりました。

中国との通商問題で大統領と主要閣僚との温度差は大きいようです。
今に始まったことではありませんが、政権としてのまとまりを欠いて
いることは看過出来ないことです。政権内で日替わりに真逆の発言が
出てくるために市場はどちらを信じるべきか不安が高まります。水面
下で両国は一致点を見出すために必至で交渉しているでしょうが、大
統領の強硬姿勢が事態の進展を阻んでいます。

市場注目の3月の雇用統計の結果は非農業部門の雇用者数は前月比で
10万3000人増と市場予想の18万人を大きく下回りましたが、悪天候
の影響と大幅増となった2月分の反動があったという認識が広がり悲
観しする向きはありませんでした。2月3月の合計は40万に程度になり
ますから月20万人ペースで順調に雇用者数は増加しています。また平
均時給は2.7%上昇と前月から拡大しましたが市場予想並ということ
で市場への影響はほとんどありませんでした。

もっとも市場は貿易戦争の成り行きに一喜一憂する展開が続いていま
すから今回の雇用統計の結果は脇役扱いになってしまったようです。
米中貿易戦争は最終的には回避でき市場は次第に耐性力をつけつつ
あるという見方も市場にはありますが、トランプ大統領のことですか
ら常人には理解できない行動に出るかもしれません。少なくとも素材
や機械や電機それに自動車、商社など通商摩擦で売りが出やすい業種
は当面立ち直る展望が見えないかもしれません。

米中の貿易戦争の影響は日本経済にとっても決して小さくありません
が大幅な対米黒字を計上している日本が次の標的になりうるとの見方
もあります。中国の対する強硬姿勢で明らかになったように対米貿易
黒字国に大しては厳しい要求を突きつけてきます。トランプ政権の目
指しているのは米国が有利に進めやすい2国間のFTA締結です。

TTP等の多国間協定を通商の基本としている日本としては何として
も米国を将来TTPに引き戻すためにも日米FTAの交渉のテーブル
に着くのは避けたいところです。トランプ大統領の強行姿勢が中国か
ら日本に広がるかどうかが今後のポイントです。
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