kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

楽天に勝算はあるのか

2018-04-12 06:09:03 | 日記
楽天が4社目の携帯通信事業者になりました。認定書式に姿を現した
三木谷会長兼社長は満面の微笑みを浮かべていましたが、楽天株は
年初から11日まで22%も下落しています。日経平均がこの期間5%
の下げでした。しかも現在の水準はアベノミクス相場で大きく上昇
するスタートの年の2013年初頭の水準に近づいています。

アベノミクス相場での高値は2015年4月14日の2362円ですから凡そ
四分の一になってしまったことになります。楽天の株主に笑顔が戻
るのはいったい何時のことになるのでしょう。10日の東京市場で楽
天株は連日で年初来安値を更新しました。9、10日の二日間だけで
先週末に比べて6%の下落です。

三木谷氏には楽天市場の9000万人の会員を自社の通信事業に誘導し
早期に事業を軌道に乗せたい腹積もりのようです。しかし株価の推
移を見る限り市場は携帯事業参入が楽天の企業価値を上げるとはみ
ていないようです。

楽天は事業参入にあたって設備投資に6000億円をつぎ込むと発表し
ています。この資金を借り入れで賄うにしろ増資に頼るにしろ株主
は財務悪化や株式の希薄化に直面します。果たして6000億円の巨額
な資金をつぎ込んでもこのビジネスが高収益をもたらすのか疑問も
多いようです。

通信事業のようなインフラビジネスで高収益を上げている企業は大
きなシェアを獲得している企業です。シュアの低い企業はトップ企
業に比べてかなり低収益というのがお決まりのコースです。ソフト
バンクが買収した米国のスプリントの再建が大きく前進しないのは
業界4位という状況が影響しています。

またソフトバンクがボーダフォンから日本事業を買収した事業が成
功したのは当初人気端末のiPhoneを独占的に販売できたことが当時
業界のガリバーだったドコモから顧客を奪うのに大きく貢献しまし
た。今でもスマホ販売の6割近いシェアあるiPhone端末を楽天が販
売できるのかも重要になってきます。

また日本でも2020年には本格化する5Gサービスには楽天は今回の
6000億円とは別勘定で資金を用意しなければなりません。6000億円
も使うのであればネット関係の有望なビジネスを行っているベンチ
ャーを買収したほうが企業価値を上げられると考えるのはビジネス
に疎い素人考えでしょうか。

11日の株価(800円)を基にしたPERは10.7倍です。ネット企業とし
てはかなり低い水準です。それだけ今後の成長期待が低下したこと
をあらわしているようです。楽天が再び成長軌道に戻る起爆剤に通信
事業がなるのか、それとも重荷になるのか結論がいずれ出るでしょう。
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