kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

海外投資家の本音はどこに

2018-04-15 15:11:02 | 日記
※ 月曜日急ぎの用事のため一日早く更新します。

海外投資家は4月第1週現物株を1584億円買い越しました。2週
連続で買い越しになりましたが、2週合計でも1630億円と少し物
足りない数字です。今年の年初には1週間で5000億円近い買い越
しを記録したことが2万4000円超えの原動力だっただけにやはり
海外投資家の動向はもっとも気になるポイントです。

現在日経平均は3月の配当落ちから1000円上昇しましたが、まだ
昨年の大納会の終値に比べても1000円下の水準です。やはり今後
流石に2万1000円割れは割安感が強いですが、かといって2万
2000円回復するには何かキッカケが欲しいところです。

日本株の足元の株価水準は指標面からみればアベノミクス相場の
中ではPERはレンジの下限にあり割安感があるという見方が下支
えになっています。一方化学や資源エネルギー関連銘柄は前期に
市況に恵まれての好業績という側面もあります。ゼネコン各社の
業績もオリンピック特需もピークを越えを控えこの先大きく伸び
るとは考えられません。今後はむしろ反動減に市場は敏感に反応
しそうです。

日本株に力強い上昇が戻らないのは確かに米中の貿易戦争やシリ
アがらみの地政学的リスクなどの影響が大きいのでしょうが、本
当にそれだけなのか。ここ数年株価の大きな推進力だった大幅な
円安や金融緩和、法人税減税。需給面ではGPIFの株式比率の大幅
な引き上げ日銀ETFの購入枠拡大といったインパクトのある材料
が出尽くしたということも影響しているのではないでしょうか。

2013年には15兆円と巨額な買い越しを記録した海外投資家は14年
から17年まで累計で5.6兆円売り越しました。18年は1月から3月
の累計で2兆円ほど売り越していますから2013年の買い越し額の
半分を売ってしまったことになります。もちろんこれは現物だけ
の数字です。今年は1月~3月まで先物を6兆円ほど売り越しまし
たからより株価への短期的なインパクトは大きかったことは明ら
かです。

2013年に15兆円もの巨額な買い越しを入れた海外投資家は短期的
には円安の進行での業績向上やGPIFの資産割合の見直しでの需給
面での追い風期待があったのかもしれません。日本企業は増益基
調を続けていますが、海外投資家が日本株を売り越しているのは
大幅な水準訂正した現在の株価に大きな魅力を感じていないのか
もしれません。世界の景気敏感株という位置付けが定着してしま
った日本株にとって世界景気の先行きに多少とも不安が出てきた
局面では警戒感が強まったのかもしれません。

世界の市場が休場している間に米国連合(英国、フランス)がシ
リア空爆に踏み切りました。世界の市場で最も先に開く東京市場
の反応が注目されます。既にこの材料は先週市場に伝わっていた
ために驚きは少ないようです。その意味では週明けの東京市場は
先週末に比べて下げても200円程度でしょうか。

もっともシリアを擁護しているロシアと米国の対立は深刻さを
増ています。この10年で米国とロシアの関係は今が最悪という
指摘もあります。中東情勢の不安定さから原油市場は敏感に反
応しています。原油高でデメリットを受ける代表格の航空機株
や原料高が業績の足かせになる化学株は売り圧力が高まるかも
しれません。長期投資家が様子見を決め込みそうな投資環境で
すから短期筋の影響で今週もボラティリティの高い相場が続き
そうです。
コメント
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