kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

明のヤマト、暗のプレナス

2018-04-26 06:20:40 | 日記
25日の東京市場でヤマトホールディングスが1月高値を3か月振り
に更新して年初来の高値を更新しました。過去数年は人気化しても
線香花火のように一時的な上昇で終わっていました。そんな株価に
変化が出てきたのが、年明け1月以降です。

キッカケはヤマトが10月から打ち出した宅急便料金の大幅な値上げ
です。値上げは個人向けだけでなく法人の大口取引の割引率を引き
下げる形で広範囲なものになりました。当初市場は値上げのニュー
スにも当初は株価の反応は芳しくありませんでした。

値上げの浸透を危ぶむ見方もあったのでしょうか。それとも値上げ
によるユーザー離れを心配したのでしょうか。流れが大きく変わっ
たのは1月中旬に2017年10~12月期は本業のもうけを示す連結営業
利益が前年同期比で8%増加し四半期決算では1年ぶりに営業黒字に
転換しました。このニュースが伝わると値上げの浸透が予想以上に
進んでいると好感して株価は上昇が本格化しました。

ネット通販の高成長でアマゾンやゾゾタウンの売り上げが大きく伸
びる一方、当初通販市場の成長が追い風とみられた宅急便最大手の
ヤマトの業績は低迷から抜け出せませんでした。宅急便の取り扱い
個数は伸びても人件費等の増加が圧迫して収益が低迷する豊作貧乏
状態だったのです。

値上げにより適正な価格が実現してようやくネット通販を支える黒
子の運送業にも恩恵が及ぶようになりました。空前の人手不足の状
況でドライバーの待遇改善を進めないと配送網の維持ができないこ
とがユーザー側の理解が深まったことが大きかったようです。

株価から判断すると値上げで企業価値が上がったヤマトが勝ち組な
ら値下げに追い込まれたプレナスは負け組ということなのでしょう
か。持ち帰り弁当の「ほっともっと」を展開するプレナスは主力商
品「のり弁当」の価格を5月から30~50円値下げし、300円で販売
すると発表しました。

人件費や原材料価格の上昇で本来は値上げしたいくらいなのでしょ
うが、中食市場は成長市場ですがコンビニなどとの競争激化から値
下げして顧客を引き留める方針に舵を切ったようです。値下げ以外
に有効な手段が見当たらないと市場から判断されたのでしょう。株
価はこのニュースが伝わってから低迷を続けています。

今後も高止まりする人件費それにコメや肉などの原材料費も下げる
可能性は余り期待できないかもしれません。本来は値下げでなく顧
客ニーズを取り入れて高くても買ってもらえる商品開発をしなけれ
ばなりません。企業側もその点は充分分かっているでしょう。値下
げという禁じ手を出さなければならないところに業界を取り巻く環
境の厳しさがあるのかもしれません。

※27日は用事のため一日不在です。
更新は28日にします。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 円安だけでは不安 | トップ | 変われる企業だけが生き残る »

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事