kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

想定内だったが宿題が残った

2018-04-20 06:08:54 | 日記
19日の東京市場は典型的なリターン・リバーサルの動きだったよう
です。米中貿易戦争の激化懸念から中国経済が減速して資源やエネ
ルギーの一大消費国の需要が減少するとの不安から景気敏感株の素
材株や海運などの景気敏感株は2月以降大きく値を崩しました。

19日の市場では住友金属鉱山を筆頭に非鉄株や海運3社の上昇が目
立ちました。一方3月から4月上旬に独歩高した資生堂やコーセーの
化粧品銘柄や良品計画やニトリなどの小売り銘柄には下げが目立っ
たようです。

人気銘柄の一方的な上昇や不人気銘柄の下げがなかなか止まらない
背景には順張りのペアトレードでの取引が一部の海外投資家の間で
盛んに行われている結果なのでしょうか。事の真相を確かめる術が
ないので断定はできませんが。

注目の日米首脳会談は通商面では日本にとって厳しい内容でしたが
トランプ大統領が円安を表立って批判することや強引に日米FTAを
迫ったという報道はされていません。市場の想定範囲内で収まりイ
ベント通過で買い戻しという流れだったようです。貿易不均衡交渉
第1段は解決の糸口を掴んだのではなく水入りというところでしょ
うか。

今、活発に動いているのは短期筋です。この動きに長期投資家が追
随するようになれば2万3000円も見えてくるでしょうが、長期投資
家が見送りを決め込むようだったらこの上昇も短命に終わりそうで
す。市場の不安は日米の貿易不均衡是正をトランプ大統領が諦めた
訳でもなくいつ再燃するか不安が残るからです。

株価上昇が続かなければ3兆5000億円弱に膨らんでいる信用買い残
高はいずれ市場の重しになりそうです。4月はアノマリー通り現状
では戻りを試す展開になっていますが、GW前後がピークになり6月
にかけて相場の調整色が強まるというアノマリーもあります。2万
2000円台は過去売買高が多く需給の壁があるという見方も多いよう
です。

来週からは3月期決算発表がスタートします。毎度繰り返しているこ
とですが、増益でも市場予想に届かなくて急落したり前期決算は増益
でも今期は減益予想で急落したりする場面が増えそうです。勿論市場
予想ほど悪化しない場合や株価が底値圏で推移していた場合悪材料出
尽くしで買いなおされる銘柄も出てくるでしょう。上昇するにしても
下落するにしても短期筋主導での荒い値動きになることだけは間違い
ないようです。

21、22日の更新はお休みします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日米首脳会談二日目

2018-04-19 06:06:32 | 日記
18日の東京市場は終値ベースで2月28日以来およそ1ケ月半ぶり
に2万2000円台(大引け2万2158円)で引けました。前日の米国株
高と米国の政府高官が北朝鮮を金正恩委員長と会談したと伝わり
地政学リスクの後退を好感したことが上げの背景のようです。

指数寄与度の大きな3社(ファーストリテイリング、ソフトバンク
ファナック)の上昇が目立ったことからも先物主導での上昇だった
ようです。売買代金は2兆5467億円と値幅の大きさの割に膨らまず
2万3000円を目指すには今後売買代金が3兆円程度に膨らむことが条
件です。やはり海外投資家の現物株の買いが増加しなければ大台到
達のハードルは高そうです。

今朝6時時点では日米首脳会談の詳細な内容は伝わっていません。
日本時間7時から行われる共同記者会見を待つことになりますが
事前に伝わっている内容は日本にとってかなり厳しいものになり
そうだという見方があるようです。日米首脳同士の緊密さはあっ
ても通商問題は別だというのがトランプ大統領の本音のようです。

日本に対しては目に見える形で貿易黒字削減が必要だという主張
はこれまでもこれからも変更はないようです。その為には米国側
の主張が通りやすい2国間交渉がもっとも望ましいという主張も
変わらないようです。日本としては何とか米国にTTP復帰を働き
かけ貿易問題は多国間交渉で解決したいのが基本線です。

先日トランプ大統領が条件付きでTTP参加もという発言をしまし
たが、選挙対策でのリップサービス程度のものである可能性が
高そうです。あくまでも米国の巨大な市場を餌にした2国間FTA
が基本です。

もっとも日本が対米貿易黒字を目に見える形で減らすのは容易い
ことではありません。米国への輸出品目の売り割合が高いのは
完成車及び自動車部品です。しかもその割合は近年高まってきて
います。米国での現地生産比率の大幅な引き上げも立地を決め
工場を建設して実際に生産するまで順調にいっても何年もかかり
ます。とてもトランプ大統領の1期目の任期中には実現できませ
ん。

一方米国からの輸入上位品目は航空機関連、光学機器及び精密機
器、原子炉・ボイラー等が上位品目で10%弱でこの3分野は僅差
で続いています。よくニュースに出ている牛肉や豚肉の肉類は
4.5%ほどです。度々ニュースになるほどには金額は大きくあり
ません。即効性があり金額も大きくなるシェールガスの輸入拡大
がもっとも有望ですが、中東諸国など既存の輸入先をすべてを米
国に切り替えることはできません。

米国からの輸入を急激に増やせる品目は見当たりません。対米で
年間7兆弱の貿易黒字削減は容易いことではありません。トラン
プ大統領が求めている落としどころはどこにあるのか。今後も貿
易不均衡問題は折に触れ日本株の棘になりそうです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

首脳会談一日目は無風

2018-04-18 07:29:49 | 日記
日経平均の下値は次第に固まってきたようです。しかし現状では
上値の重さも意識せざるを得ません。また個人投資家主体の新興
市場の不振が目立つようになりました。マザーズ指数は16日今年
の安値を更新しました。ジャスダック市場も安値圏で推移してい
ます。

日経平均が3月23日安値から16日現在で1200円上昇しているこ
とを思えば新興市場の不振が際立ちます。新興市場は内需銘柄が
多くネット関連銘柄も数多く上場しています。Facebookの顧客情
報流出問題からネット広告市場の先行き懸念が影響し大手3社のセ
プテーニ、オプトD.A.コンソーシアムが先週から下げが目立
ちます。

ニュースアプリのグノシーの下げ幅は2割を超えています。新興市
場の不振は信用取引を利用している個人投資家の投資余力を奪い
ます。新興市場がいつ下げ止まるのか注意してみておく必要があ
ります。

一部市場でも日経平均が軟調に推移している間でも上昇を続けて
いた資生堂やコーセーや花王、ライオンといった日用品銘柄も先
週突然急落しました。一方日米貿易摩擦でもっとも影響を受けそ
うなトヨタやホンダといった自動車銘柄は底堅く推移しています。
海外投資家がディフェンシブ銘柄買いの輸出関連銘柄売りの取引
を解消する動きが影響しているのでしょうか。

為替市場や株式市場の大きな影響を与えそうな日米首脳会談が市
場に新しい動きをもたらすのか現時点では分かりません。どんな
結果になるにせよ一部の投資家はこれまでの取引を取り合えず手
仕舞っているようです。それがこれまで高値追いが顕著だった日
用品銘柄の売りの自動車株買いの動きに繋がっているのでしょう
か。

トランプ大統領が日本の貿易黒字に対する攻撃をすぐに止めると
は思えません。日本から何らかの譲歩を引き出すまで折に触れ
ツイートしそうです。円相場も現状の水準で収まれば輸出企業の
業績への影響も限定的でしょうが、一部の為替専門家が言って
いるように100円割れもあり得るとなると影響は無視できません。

日米首脳会談の一日目には通商問題への言及はなく市場の反応は
殆どありませんでした。二日目には市場注目の通商問題で突っ込
んだ話し合いが行われそうです。首脳会談を終えて改めに円高の
圧力が改めて意識され輸出関連銘柄が見送られる展開が続くので
しょうか。或いは余程深刻な事態にならなければイベント通過で
輸出関連銘柄には悪材料出尽くしで上昇する展開になるのでしょ
うか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シリアより日米首脳会談

2018-04-17 05:47:37 | 日記
シリア空爆の影響が心配された16日の東京市場でしたが円相場の落
ち着きもあり寄り付きからプラス圏で推移しました。昨年4月の空
爆も一時的な混乱で収まったことの学習効果もあったのでしょう。
一時的な地政学リスクの高まりを売り材料とした短期筋の動きはみ
られませんでした。結局後場寄り直後一瞬マイナス圏に沈むもすぐ
に切り返してました。

日本株にとってシリア空爆よりも遥かに怖いのは週末の日米首脳会
談でしょう。米国側から持ち出されることが予想される貿易不均衡
問題では日本にとってかなりシビアな展開も予想されます。トラン
プ大統領にとって目下の最大の関心事は中間選挙で支持を広げるか
です。国連決議を待たずシリア空爆に踏み切ったのも強いリーダー
シップは支持率アップに繋がるからです。

すべてが11月の中間選挙対策のために動いているとすれば日米首脳
の個人的親密さよりも自身の支持の広がりが優先されるのも当然で
す。TTP復帰よりも米国側の主張が通りやすい2国間FTAが通商政策の
要という位置付けは変わりません。結果的に今回の首脳会談が平穏
に終わるという可能性もなくはありませんが、中国それにNAFTA交渉
の進展があれば次は日本に集中するかもしれません。事前の報道に
よると同盟国の日本にも例外は与えないということのようです。

国内の躓きを得意の外交で挽回したい安倍首相ですが、強面の交渉
術で相手から有利な譲歩を引き出すトランプ流の外交政策の前でど
こまで成果が持ち帰れるのでしょうか。中国に比べれば日本の貿易
黒字はここ数年増えておらず同盟国同士として何とか穏便な解決策
を模索したいところですが、かなりの譲歩を迫られることも予想さ
れます。

日米の通商問題に火種を抱えていては例年4月には海外投資家が積極
的に日本株を買ってくるというアノマリーも今年に限っては心もと
ないというのが正直なところです。どのように日米貿易問題が決着
するのか現時点では皆目分かりません。突然何を言い出すか分から
ないトランプ大統領に振り回される1年になるのでしょうか。トラン
プ氏の人気取りの余波で日本株の今年の高値予想も安値予想も年初
とは違ったものになるかもしれません。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

海外投資家の本音はどこに

2018-04-15 15:11:02 | 日記
※ 月曜日急ぎの用事のため一日早く更新します。

海外投資家は4月第1週現物株を1584億円買い越しました。2週
連続で買い越しになりましたが、2週合計でも1630億円と少し物
足りない数字です。今年の年初には1週間で5000億円近い買い越
しを記録したことが2万4000円超えの原動力だっただけにやはり
海外投資家の動向はもっとも気になるポイントです。

現在日経平均は3月の配当落ちから1000円上昇しましたが、まだ
昨年の大納会の終値に比べても1000円下の水準です。やはり今後
流石に2万1000円割れは割安感が強いですが、かといって2万
2000円回復するには何かキッカケが欲しいところです。

日本株の足元の株価水準は指標面からみればアベノミクス相場の
中ではPERはレンジの下限にあり割安感があるという見方が下支
えになっています。一方化学や資源エネルギー関連銘柄は前期に
市況に恵まれての好業績という側面もあります。ゼネコン各社の
業績もオリンピック特需もピークを越えを控えこの先大きく伸び
るとは考えられません。今後はむしろ反動減に市場は敏感に反応
しそうです。

日本株に力強い上昇が戻らないのは確かに米中の貿易戦争やシリ
アがらみの地政学的リスクなどの影響が大きいのでしょうが、本
当にそれだけなのか。ここ数年株価の大きな推進力だった大幅な
円安や金融緩和、法人税減税。需給面ではGPIFの株式比率の大幅
な引き上げ日銀ETFの購入枠拡大といったインパクトのある材料
が出尽くしたということも影響しているのではないでしょうか。

2013年には15兆円と巨額な買い越しを記録した海外投資家は14年
から17年まで累計で5.6兆円売り越しました。18年は1月から3月
の累計で2兆円ほど売り越していますから2013年の買い越し額の
半分を売ってしまったことになります。もちろんこれは現物だけ
の数字です。今年は1月~3月まで先物を6兆円ほど売り越しまし
たからより株価への短期的なインパクトは大きかったことは明ら
かです。

2013年に15兆円もの巨額な買い越しを入れた海外投資家は短期的
には円安の進行での業績向上やGPIFの資産割合の見直しでの需給
面での追い風期待があったのかもしれません。日本企業は増益基
調を続けていますが、海外投資家が日本株を売り越しているのは
大幅な水準訂正した現在の株価に大きな魅力を感じていないのか
もしれません。世界の景気敏感株という位置付けが定着してしま
った日本株にとって世界景気の先行きに多少とも不安が出てきた
局面では警戒感が強まったのかもしれません。

世界の市場が休場している間に米国連合(英国、フランス)がシ
リア空爆に踏み切りました。世界の市場で最も先に開く東京市場
の反応が注目されます。既にこの材料は先週市場に伝わっていた
ために驚きは少ないようです。その意味では週明けの東京市場は
先週末に比べて下げても200円程度でしょうか。

もっともシリアを擁護しているロシアと米国の対立は深刻さを
増ています。この10年で米国とロシアの関係は今が最悪という
指摘もあります。中東情勢の不安定さから原油市場は敏感に反
応しています。原油高でデメリットを受ける代表格の航空機株
や原料高が業績の足かせになる化学株は売り圧力が高まるかも
しれません。長期投資家が様子見を決め込みそうな投資環境で
すから短期筋の影響で今週もボラティリティの高い相場が続き
そうです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする