とっても不正確

2014-06-04 14:32:54 | 塾あれこれ
朝日新聞の経済コラムに給与体系の話が載っていました。

小さなスペースなので論旨が粗くなるとは思いますが
いかにも今の日本らしい非論理が展開されており
どうにも残念でした。

広島版で6/3『経済気象台』というコラムに
乗せられた一文です。

文中に、はっきりとは書いておられないのですが
残業代ゼロに対する反対論を批判されてるようですね。

「業績・職責手当の大小よりも、残業時間の多少によって
給与額の大半が決まることになってしまう今の労働法制には
大きな違和感を覚える」

ほんとか?
今時、残業で大半が決まる?

と、思いますが、世間がどうか知らない私には
正面きった反論もしにくい、上記の書き方ですね。

給料は基本給その他が中心ではないですかね。
(もちろんタクシー運転のような実績重視の給与も
あるとは思いますが)

上記コラムニストは古色蒼然たる投下労働価値説に
イメージとしてひっぱられているのではないかしらん。

もちろん、時間だけで労働を評価するのは愚。
しかし「労働の質」なるものを給与で評価して
より良い未来社会を、というのも非現実的でしょう。

どうやって「質」を数値化するのですか?
示された数字が働く人の「質」ですか?

また、金でなければ評価ではないというのも
いかにもアメリカ的で問題は多く残ります。

(そもそも安倍首相の発想が日本の米国下請化でした)


新入社員の時は給料は横並びです。

その条件でも人は良い仕事をしようとします。
もちろん皆がみなそうではありませんが。

給与が多い「から」質の良い仕事をするわけでは
ありません。
一種の自己実現としてより良い仕事をするのです。

良い仕事をしていれば、評価が高まり
職責も給与も上昇する、・・この認識で
みんな仕事をしてきました。

投下した労働の質と量の割に評価は小さいのが
多くの場合でしょうけれど、だからといって
手抜きなどはしません。

そういう状況の中で、残業をするときには
割増があるという話です。
確かに、定時内で出来るものを引きのばして
残業代稼ぎなんてヤカラもいるでしょう。

しかしそれはシステムの問題であると言うより
運用の問題ですね。
あるいはモラルの問題。

人事評価で結局損をするのです。


残業すれば働き手自身の出費も多くなります。
残業の割増ではカバーできないでしょう。

働く側からは当然すぎる残業代を
ゆくゆくはなくしてしまおうという試みを
政府が提唱しています。

40代なかばくらいで燃え尽きる人間が出始め
退社してゆけば企業は儲けです。


よりよい働き手に対する評価、待遇と
残業代とはまったく別次元の話です。

多分、書いた人間が意識しての論理の錯誤
こんなものがまかり通るようでは・・