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Heaven Beach

2012年08月31日 | レコード室から

杏里さんの1982年発売のアルバム、Heaven Beachです。



1978年にオリビアを聴きながらでデビューされた杏里さんですが、オリビアを聴きながらはヒットしたものの、その後数年間は売れ行きが伸び悩んでいました。

当アルバムHeaven Beachは作家陣に角松敏生、小林武史、ブレッド&バターらが参加、それまでの作品とは一味違う夏を意識したフレッシュでモダンな作風に仕上げられました。この時期からは杏里=夏というイメージ戦略が図られ、本格的なアーティストとして一気に脱皮が進んでいきました。

ただ、夏向けといっても、どちらかといえば賑やかというよりは静かなビーチ、夏が終わり秋の訪れを予感させるようなちょっとセンチメンタルな雰囲気が当アルバムの特色でしょうか。アップテンポな曲もありますが個人的にはムーディな雰囲気の『Last Summer Wisper』、美しいメロディラインが印象的なバラード『Resolution』、夏の終わりを告げるような『Memorial Story』、杏里さん自身が書いたタイトル曲でもある『Heaven Beach』など落ち着いた作品が好みだったりします。

次作アルバムからは角松敏生が本格的にプロデュースに参加、翌1983年には『CAT'S EYE』『悲しみが止まらない』が大ヒットして杏里さんは一気に人気アーティストの地位を確立、1980年代後半からは杏里さん自身がセルフプロデュースを始めるなど彼女の音楽性はさらに開花、進化しました。今回取り上げたHeaven Beachはそんな彼女の音楽活動のなかでひとつの転換期となったアルバムといえます。

なお、ワタシの手元にある当アルバムは昨年に再販されたものです。フォーライフ時代のアルバムはとっくの昔に廃盤となり入手困難な状態でしたが昨年再販されるようになりました。どのアルバムも紙ジャケ化、マスタリングが施され、初CD化となるボーナストラックが収録されています。

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