完全に当ブログは諸事情により放置プレイ状態でしたが、久しぶりに…。
トヨタにかつて存在していたスペシャリティカー、サイノスを取り上げてみましょう。たまたま撮影した個体を2点ほど。
1991年1月に初代モデル(EL40系)が登場しました。

かつて存在してたコンパクトカー、ターセル/コルサ/カローラⅡをベースにした2ドアクーペでした。
ターセル系同様に手ごろな車体サイズや廉価な価格設定で、手軽に乗れるファッショナブルなパーソナルカーとして重宝されました。
メカニズムはターセル系と同じでエンジンは直4の1.5リッターのハイメカツインカムで低出力版(5A-FE)と高出力版(5A-FHE)の2パターンでした。駆動は4WDはなくFFのみでした。
上級車種のレビン/トレノやセリカのようなハイスペックな仕様は存在せず、そのことからもファンッション性を重視にしたコンセプトが伺えました。
1995年9月、2代目(EL50系)に世代交代されました。ターセル系のモデルチェンジにあわせてサイノスも一新されました。

初代のコンセプトを引き継ぎながらも、より洗練された雰囲気となりました。基本構造は先代からの踏襲ですが、搭載エンジンは1.5リッターに加えて、より廉価な1.3リッター(4E-FE)がラインナップされました。同じくハイメカツインカムです。後期型になるとさらに進化した衝突安全ボディの採用、両席エアバッグやABSの標準化など安全対策も力が入れられました。
それと、2代目はクーペの他にコンバーチブル(オープンカー)がラインナップされました。これは日本で製造した車体を北米で艤装して再度日本へ送り込むと製造工程を採ってました。これはセリカコンバーチブルと同じ手法でした。
1999年、これまでのスターレットやターセル系が終了し、新たに登場にたヴィッツ、ならびにヴィッツから派生した車種の投入でトヨタのBセグメント級のコンパクトカーは抜本的に車種ラインナップが見直されました。そうした流れを受け、また、市場変化や嗜好の多様化によりデザイン重視のクーペの需要が低迷していき、サイノスも車種整理の対象となり歴史に終止符が打たれることになりました。
ただ、サイノスだけでなくレビン/トレノ、セリカ、スープラ、ソアラなどトヨタのクーペはやがて段階的に終了していくことになりました。時代の流れといわれればそれまでですが…。