二男竜之助は2月23日股関節鏡下で関節包・靭帯の修復手術を受けました。
http://blog.livedoor.jp/soshi_sports/archives/1176946.html
3月18日に退院しましたが、長期の入院だったので暇潰し用に本を渡しました。
渡したのは以下のような本です。
“Xの悲劇”“Yの悲劇”
(1932USA) エラリー・クイーン
http://ja.wikipedia.org/wiki/X%E3%81%AE%E6%82%B2%E5%8A%87
“ファウンデーション ”
(1951USA) アイザック・アシモフ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA
“星を継ぐもの”
(1977UK) ジェイムズ・P・ホーガン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%9F%E3%82%92%E7%B6%99%E3%81%90%E3%82%82%E3%81%AE
“火星のプリンセス”
(1911USA) エドガー・R・バローズ
↑渡した本です。
(←ただしこれは自分用の別物)(感想を述べないところをみると多分読んでいない・・・読後黙っていられるような「本の数々」ではないはず)
ママはネットで調べて
「“火星のプリンセス”は販売されているから買って渡すべきだ」
と言います。
私は書店で見掛けていないので本気にできません。 自分の持っているものを渡すつもりでした。
そして、現物を見てびっくりです。
“ジョン・カーター”ですか? 映画化ですか? 本気ですか!!!!
この作品だけは映画は無理と思っていました。
アニメの方が無難な様な気がしますが・・・・・・まあ見てみましょう・・・・
100万の軍勢による総攻撃や4本腕の巨大な緑色火星人は?情に厚く醜怪な十本足の犬はどう表現するんでしょうか。
“ジョン・カーター”と「題」を変えていますから“火星のプリンセス”ではないのですね。
表紙カバーにかつての表紙カバーの絵が入って居ます。
「旧・新」の“火星のプリンセス”
「ヒロイン」デジャーソリスの印象が「旧」の絵とイメージが変わることを恐れてこんな表紙にしてしまったわけですね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%81%AB%E6%98%9F%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA
「旧」は表紙・挿絵ともに素晴しい出来だと思います。
赤色火星人の皇孫デジャーソリスの肌色が赤くない事が40年に亘る私の不満ですが・・・・それでも良い出来です・・・・表紙も挿絵も使えなかったのが残念ですね。
なにより挿絵に出てくるジョンカーターは実に自然で良かった!
“火星のプリンセス”は私が中学に入った時、小学校時代の家庭教師
(←東大生=時にヘルメット持参・・・趣味の「蝶」を追ってニューギニア遠征、登山も趣味という豪傑)が買い与えてくれたました。
読まずに放ってあったのです。
それが中3の時ひょっこり出てきて読みました。
気が付いたら朝でした。 途中で何度も寝ようしましたが、途中で止めることが出来ませんでした。
面白い!!
面白さの衝撃はあまりに大きかった!
私の「人間形成の根幹」になってしまいました。
(3年後に、男にはちょっと恥ずかしいこの表紙の小説はわざわざ人に渡すだけの価値がある物語だった事を思い知りました)
私は人類史に書き残さなくてはならない作品だと思っています。
ディズニー映画化の原作である事を知らせる表紙フリップに 「SF界屈指のスペースオペラ」 と実に
失礼極まりない文言が載っていますが、これを書いた人の不見識は「お笑い」です。
「SF界で別格のスペースオペラ」 としなくては変です。
何故ならこの後の全ての「ストーリー」は“火星のプリンセス”の影響を受けているからです。
最初のうちは“火星のプリンセス”と「こう違えた」とか「全然違う」とか「ひねったけど基本は踏襲している」というレベルでの影響であり、後にはそうした「子」の世代「孫」の世代の「ストーリー」に影響を受けて作られているのです。
“火星のプリンセス”が発表されたのは1911年
(明治44年)第一次世界大戦の3年前です。
それは今から100年以上前です。
作者E.R.バローズは狂人と思われることを恐れて「ノーマル・ビーン=正常な男」のペンネームを使おうとしました。
ジョンカーターは変な色の付いていないヒーローです。
ジョンカーター以後の全てのヒーローには色や臭いがあります。
(そのヒーローがジョンカーターではないことを表明しなくてはならないからです)
だから三人称で書かれたモノが多いです。
一人称で書かれた作品はむしろ「クセの強いヒーロー」の場合です。
(“火星のプリンセス”はジョンカーターの一人称で書かれています)
ジョンカーターという名前も凄いです。 アメリカ人です。
私は現在55歳ですがアメリカ人
(と英豪人など)で「ジョン・カーター」という名前の人間がマスコミに載らないか40年間注目し続けて居ますが全く出会いません。 英語圏のカーター家では子供には決して「ジョン」とは付けられない事がよく判ります。
「孫さん」が息子に「悟空」とは付け難いのと一緒です。
「石原さん」が息子に「慎太郎」と付けた例はあります・・・・現明治1番プロップです。
スペースオペラで「ジョンカーター」を意識した名前に出会ったことはあり、意識して居ることが読者にも判る設定になっており、解説にもそう書かれていました。
それ程のヒーローですから
(中心が恋物語で対象年齢が違うから比較対象にならないかも知れませんが)スーパーマンやバットマンが相手でもやはり断然格上は「ジョンカーター」です。
ヒーロー全ての始祖であり人類史上「色付け」が一切必要なかった只1人のヒーローです。
火星シリーズ最初の3部作です。
“火星の女神イサス”表紙のジョンカーターは同じE.R.バローズの「ターザン」のようでちょっといただけません。 「ターザン
(←原作は映画とかなり違う)」も武部本一郎さんが描いているせいかもしれません。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A6%E9%83%A8%E6%9C%AC%E4%B8%80%E9%83%8E
3部作の裏です。 全11巻の表紙が並んでいますが、
値段が色々です。
“火星のプリンセス”の裏は1911年当時の題や挿絵が紹介されています。 改訳版だからです。
“火星のプリンセス”の奥付
改訂版であることがわかります。
“火星の女神イサス”の奥付
初版の22刷です。“プリンセス”を読んですぐに自分で買ったものだと思います。
全世界を欺いていた宗教組織との闘いを描いてシリーズ一番の面白さです。
“プリンセス”で伏線を張っているので絶望感と不気味な面白さが際立ちます。
“火星の大元帥カーターの奥付”
こちらも改訳版です。 3巻は「抜群の痛快さ」です。
この3巻でジョンカーターは剣の使い手と渡り合い、ぎりぎりのピンチの中ついにその才能を開花させます。
(消滅した)南軍の騎兵大尉ジョンカーターは馬を扱うことは出来ても剣を振るうのはヨチヨチ歩きでした。 小さい火星の重力の中地球育ちの筋力頼りだったカーターは百回もの闘いの中で徐々に成長、一戦毎に強く賢くなっていきます。
とても無理だとしか思えない大スケールの物語、どんな映画になるのか楽しみにしております。