先日は見事な春一番であった。すぐその後に、強い北風を引きつれ て吹きまくった。
そのせいか、今日はまだ肌寒さが残っている。
今日の写真は、2月20日のタンポポとヒッツキ虫。
記事とは関係がないので、念のため。
高校時代からの親しい友人に、K君がいた。
学部は違っていたが同じ大学に入り、お互いに親友だと思っていた。
どれほど彼の世話になったか、数えればきりがない。
きっと私も、彼の役に立ったことがあったに違いないが、ギブアンドテイクを計算していたわけではなかったので、プラスマイナスの評価はできない。
彼の結婚は、私よりもずっと早かった。
結婚の相手は、料理屋の女将代理をしていたS子さんで、いかにも玄人風の美人であった。その小料理屋は花街の一角にあって、二次会風の客で盛っていた。
S子さんはもともと花街育ちではなく、下町育ちの勝ち気な娘さんであった。
大学を卒業して製紙会社に入社したK君が、その会社でS子さんと知り合ったのだ。
ところがS子さんは、会社員のまま過ごせる女性ではなかった。
叔母さんが小料理屋をしていたから、早々に女将代理にスカウトされてしまった。
そのような環境下での恋愛だったため、結婚問題ははかばかしく進展しなかった。私もK君に駆り出され、S子さんの家に談判に行ったことがあった。
それからさまざまな紆余曲折をたどったが、一年ほどの後、二人は結婚式を挙げた。
結婚を許された際の条件は、S子さんが女将代理を続けることだった。
当初はアツアツだった新婚生活も、一年を過ぎるころから暗雲がたれ込め始めた。S子さんの行動に疑問を抱き、K君が焼きもちを妬き始めたのだ。
花街の小料理屋なので、疑い始めればきりがなく、ギリギリの話、疑うか信じるかにかかってしまう。
そんな雰囲気の中で、K君の暴力沙汰が始まった。
K君の話を聞けば彼の言っていることは理解できたし、S子さんに聞けば彼女の話も理解できた。
浮気をしているか、それとも噂に過ぎないかなど、当事者の気持ちの中の話で、いくら親友と言えども、私には踏み込めるものではなかった。
ある深夜、S子さんから、野球のバットを振り回して暴れた証拠として、痣などを見せられた。暴力をふるったとなれば、K君の非は明らかだ。浮気をしたかどうかの問題を越えてしまう。
「このままでは私は殺されます。別れさせて下さい」、とS子さんに泣いて頼まれた。私としても、K君を説得するしかなかった。
明るい気だての綺麗な人だったが、K君には縁が薄かったようだ。
離婚話はスムーズに進んだ。
K君はその折りの私の動きが、きっと気に障っていたかもしれない。
数年して、K君は再婚をした。
再婚と同時に、K君は損害保険の代理店を始めた。高度成長期にさしかかっていたので、業務は順調に拡大して行ったらしい。
男の子が三人うまれ、家庭も円満に行っているはずだった。
ある日の深夜、K君の奥さんから電話があった。暴力に耐えられないので、別れたいとの話であった。
夜中にすっ飛んで行った私が見たものは、奥さんの痛々しい傷だった。
またもや、彼の暴力が始まったのだ。
しかし今度は、スムーズに別れ話はまとまらない。奥さんが逡巡したのだ。その後の生活に不安があったようだ。
「今この人と別れては、子供を育てられません」
奥さんの逡巡の理由だった。
K君の暴力が問題なのだ。暴力をふるわなければいいのだが、彼は改めることが出来なかった。
私との話では納得する。絶対に暴力はふるわない、と彼は幾度も私に誓った。
しかし、その誓いは空しかった。
もう私の出番はなかった。あとは夫婦の問題と思わざるをえない。
かつての親友も、いつの間にか遠い存在となっていた。
K君の暴力に脅えながら、奥さんは最後の決断が出来ずにいた。
離婚に踏み切れなかった奥さんの真意は、とうとう分からずじまいだった。
夫婦とは、そんなものかもしれない。
K君一家のその後を、私は知らない。
今日は早朝から外出。
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色合いが明るいのは、やはり早春でしょうか。
夫婦喧嘩の仲裁は難しいですね。
私の知人にも家庭内暴力で悩んでいる人がいます。
子供さんの教育費や家のローンで慰謝料払うお金がないのがわかっているので、定年まで待ったらと言いましたが、辛抱できないと別居しました。
でも最近元に戻っているようです。
それぞれいろいろな形があって良いと思いますが、暴力は物事をこじらせるだけですね。
こだわってきれいな画像が見ることができて嬉しいです
楽しみにしています
友人のKさんはどこかで性格が変わったんでしょうね
かわいそうにも思えます
男の人は言葉の表現が苦手な人が多いのでうまく気持ちが通じなかったのでしょうね
夫婦の仲は夫婦でないとわかりません 「夫婦喧嘩は犬・・・・・」ですね
逡巡するは良くわかる気もします
身近な人も女性はやはりそうでした
暴力にはかないません
今日は病院ですか?
暴力はいけません。力では男が勝ります。けれど、女は口では負けませんしね。それが暴力に繋がるのかもしれませんね。
女の私は口がのろいので、喧嘩したら絶対負けてしまいます。ですので、余計なことは言わないことにしています。我が夫婦は一日10分も話せば事足りる仲です。
今の季節にあった生き方なのでしょうか?
DVでしょうか。
難しい問題ですね。
このお話はドラマのようですね。
結構こういう家庭があるのではないでしょうか?
これからは我慢の出来ない人が増えそうだし、
DVが増えそう。
この問題はよくわかりません。
友人の暴力が根源です。
幾度も諫めたのですが、ダメでした。
絶対に暴力はふるわないと誓っても、すぐに誓いを破ります。
私は、自分の無力を知りました。
前の件は、嫉妬。
後の件は、子供の躾でした。
前の破綻は、嫉妬による暴力でした。
うしろの問題は、子供の教育でした。
暴力をふるい始めると、何もかも暴力沙汰の理由になりそうです。
理屈で負けるから暴力をふるうのではなく、暴力をふるうために理屈を考えているのかも知れません。
お察しのとおり、病院でした。
一枚一枚と疑いを剥がしているところです。
暴力は絶対的「悪」です。
暴力に訴えるのは、卑怯です。
友人には諄いほど話をしたのですが、治りませんでした。
まるで、病気のよう。
我が身の無力を感じました。
まさにDVです。
私たちの年代だけでなく、若い夫婦にも暴力沙汰が多いと聞きました。
口で勝てないから暴力に訴えるのではなく、暴力が目的で喧嘩を始めいるのかと疑いたくなります。
この問題は、なかなかなくならないかも知れませんね。
夫婦喧嘩は仲裁が難しいですね。どちらが正しいのかわかりません。夫婦でなければわからないですね。
でも、口では奥さんに負けるので、暴力を振るうことになるのかもしれませんね。
でも暴力を振るうほうが悪いことになりますから、やめたほうがいいですね。ひよどりさんも間に入って大変でしたね。
ひよどりさんのブログを私のブログ「お友達ブログ」にリンクさせていただいてもよろしいでしょうか?相互でなくてもよいのです。もしよろしければですが…。
北風の中で、地べたに這うようにして、タンポポは咲きます。その強さには感激します。
夫婦喧嘩は犬も食べないのですが、暴力沙汰となると話は別で、つい仲裁に入ってしまいます。
二つとも、奥さんからのSOSでしたが。
だから、自分の無力を感じた次第です。
「おともだちブログ」の件、光栄です。
私はその「仕掛け」を知らずにおります。
そのうち勉強して、私の方もそのようにさせて頂ければと思います。