ずっと以前、上坂冬子さんが書かれた「死ぬという大仕事」を読んだ。
癌との闘病記とも言える内容だった。
上坂さんは昭和５年（１９３０）生まれのジャーナリスト。
北方領土に土地を購入して問題提起をし続けるなど、積極的に多くの問題にかかわり、私のもっとも尊敬するジャーナリストの一人であった。
そんな上坂さんだったが、ガンとの闘病生活の末、昨年４月に亡くなった。享年７８歳。
卵巣に原発したガンが、肺や肝臓に転移していたのだそうだ。
その本の中に、主治医だった猿田医師（東京慈恵医科大学付属病院）との対談があった。
私のような病歴の者にとって、実に示唆に富んだ内容だった。
「歳をとっているから、病気はゆっくり進むんじゃないの？」
という上坂さんの質問に対し、猿田医師は、
「腫瘍というのは、あるところを越えて加速度的に病状が進むようになると、年齢に関係なく、手がつけられない状態になる」
と答えていたというクダリがあった。
実は私も上坂さんと同じように、思っていた。
「高齢者のガンは進行が遅い」
これは信仰にも似た思いだった。
しかし猿田医師は、
「寄生虫ならば、サナダムシでもギョウチュウでも、宿主を殺さないように共生しながら栄養を奪っていきます。人間が元気でいろいろなものを食べてくれなければ、自分も栄養にありつけませんからね」 と言っている。
上坂さんの「寄生虫は分別があるわね（笑）」 という言葉に対し、猿田医師は、
「ところが腫瘍は徹底的に自分本位で、自分だけ大きくなろうとする。ガン患者が痩せこけてしまうというのは、ご主人は栄養不足で、腫瘍だけが栄養いっぱいの状態になるからです」
と、答えていた。
年寄りのガンは進行が遅いというのは、まったく見当はずれだったようだ。
私にとって、上坂さんの「死ぬという大仕事」は、とても参考になる本であった。
最後まで、しっかりした意識を持っていたい！
上坂さんの強い意思であった。
人はみな死ぬる定めぞ亀鳴けり 鵯 一平
別館として、写真俳句ブログの「ひよどり草紙」を開いてます。
ご覧いただけると嬉しいです。
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遠くない日に来るだろう「死」を受け容れて病院に業者を呼んで、さっさと自宅を売り払う。
自分でケジメをつけていく潔さには敬服しました。
この毅然とした強さは、この人が生きてきた積み重ねによるもので一朝一夕に出来るものではないですね。
私などは取り乱し、何の整理もできぬまま逝くのだろうと思っています。
避けて通れない問題ですね。 私はずーーと
元気で死にたい が、願望です。 わかってくださいますか？ 元気で死にたいので、元気で生きています。 これが願望です・・・
「ガンです」と言われたときには、ドキッとしましたが、「ヤッパリ」という感じでしたね。
予感があったのかもしれません。
いろいろと重なっていた末の事件でしたから、すべての総決算という印象でした。
「年貢の納め時なのだナ」と、受け入れました。
来るべきものは、確実に来ますから、仕方がないですね。
このようなことを言っているのも、まだ死を現実として考えていないからかもしれません。
こんばんは。 まったく 医者も 時々科学的でないことを言います。私のドクターです。 彼女はもし がんに罹っても80歳を超えてたら手術はしないと言って居ました、進行が遅いから、これ アメリカ人ですよ、 でも私は彼女が好きで20年来の付き合いです
先日 厚い紙束渡されました ご存知の様に私は毎年のごとく がんが芽生えています。
この 紙束は 最終的な治療はどこまで、 また 生命維持装置をはずすサインは誰 などなど沢山書くことがあります 今書いています、この次のにUPします、私は これ以外に リビング トラスト も書いています、これは 命だけでなく自分の財産を含めてですが。
私はこの様な事案外と平気で淡々と仕事が進められますが 苦しんで書きたくないと言いますお方居ますね、 どうせ生まれてくるとき一人じゃないか、死ぬときも一人でさっぱりと。
脳動脈瘤の爆弾を抱える小生は、２年前から毎年１回のＣＴ検査でマークしてもらってます、これが私の気休めです。
生命や病気の話は、とても重たいです。
日本人とアメリカ人とでは、感覚がだいぶ違うのでしょうね。
日本人の場合、かなり深刻に考える人もおります。
その中でも、私は「あけっぴろげ」的なのではないかと思っています。
連続して２個のガンを摘出したので、運が良かったのでしょうか。
カミさんや子供たちには、過度な延命治療をしないように話をしております。
本人も辛いし、周囲も多くの苦労を背負います。
私の近辺にも、困っている例が幾つかあります。
ドライにはなりきれないのが、日本人の宿命みたいに思います。
長所でもあるし欠点でもあります。
生命は大切です。
過度に使いすぎないように、そして、丁寧に生きたいと思っているところです。
探せば何処かには何かがありますね。
あまり臆病になってもいけないし、乱暴にしても行けません。
明日は寿命の話を書くつもりです。
しばらくぶりです
ここに来る前にコメントしたブログもガンの話題でした
そういう意味では健康なわたしは
その時はどうなんだろうとかんがえこみました
なるほど寄生虫と腫瘍は違いますね
猿田医師の言葉には迫力があります
２人に１人がガンにかかってもおかしくないのだそうですが、私のように、２カ所のガンをやっているのもいます。
ただ、ガンは特別の病気ではなくなりました。