新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

わが顔

2021年09月09日 14時06分25秒 | 写真と俳句

    秋雨やわが顔映るガラス窓    ひよどり 一平

   (あきさめやわがかおうつるガラスまど)

    ・・・・・・・

 さほどの雨ではなかったが、雨戸を開ける気にはならなかった。

 ガラス窓に映っている私の顔が、不機嫌そうに私を見つめていた。

 私とて格別の話もなかったので、窓に映った私の顔を見詰めただけだ。

「お前、ずいぶん年をとったなァ」と、言おうと思ったがやめた。

 私から声をかけるべき筋合いでもない。

 窓に映った私の顔も、じっと私を見ていた。

 こんなヤツと私は八十余年も付き合って来たのだ。

 苦労を掛けたなァと思ったら、涙が出そうになった。

 だから眼を逸らした。 

 

コメント (2)
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