薄暑の道

　　　釣り場への薄暑の道を急ぐなり　　　　　ひよどり　一平

　　（つりばへのはくしょのみちをいそぐなり）

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　子供の頃は釣りが大好きだった。父や弟とともによく出かけたものだ。しかし、今の私は釣りをしない。もっぱら見物だ。

　もちろん、単なる釣り見物ではなく、釣り上げた瞬間をカメラに収めようとの魂胆。

　釣り師の多くは、私の魂胆を認め、喜んで被写体になってくれる。

　この日も、雨の合間に釣り場へ急いだ。数人の釣り師が黙然と浮子を睨んでいた。

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