新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

幾つになっても

2010年07月02日 06時05分32秒 | 写真俳句・エッセー

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 梅雨のさなか。

 今のところ、降り出しそうにない。だが、とても蒸し暑い夜だ。

 このあたりは寺沢町七丁目。盛り場からは、少しはずれている。

 汚くて細い路地を、女目当ての男たち。大方は酔った足取りだ。

「あらっ、あのー、あなた」

 背後から、忍ばせた若い女の声。

 私は構わずに歩いた。この辺りに、知り合いの女はいない。

「お逃げになるの!」

 背後の声が、少しばかり尖ってきた。だが、どこかに艶があった。

 つい振り向いてしまった。それが私の弱点なのだ。

「やっぱり一平さんだったわ」

 女は手を口にあて、クスリと笑った。口元で、白い指が舞った。

   常よりは情の残りし昼寝かな   鵯 一平

 別館として、写真俳句ブログの「ひよどり草紙」を開いてます。

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コメント (18)
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