新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

遅桜

2008年05月05日 08時05分11秒 | 写真俳句・エッセー

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魂を込めたる恋ぞ遅桜

 今日はこどもの日。しかし話題は、やや相応しくないが恋の話。

 恋をすれば若やぐ。

 そんなことは言われなくても、とうに分かっている。

 とは言え、年齢相応に振る舞おうとすれば、犬ころみたいに無分別な恋はできない。

 歌人の川田順氏(当時67歳)が、美しい人妻の弟子鈴鹿俊子さん(当時39歳)と恋に落ちた。

 川田夫人は昭和14年に病死していた。しかし俊子さんは元教授夫人であり、今の言葉で言えば、「不倫」の関係だった。

 このようなことが露見しないはずはない。

 俊子さんは家を出て離婚が成立。

 ここまでは順調に行ったかに見えたが、川田氏は罪の意識に苛まれ、ついには自殺を図るに到った。

 だが死にきれなかった。

 その後、そのことが新聞社の知るところとなった。

 昭和23年12月14日、「老いらくの恋は怖れず。相手は元教授夫人」と報じられた。

 当時の私は中学生だったが、「老いらくの恋」という言葉に強い印象を持った。

 親たちが話題にしたとも思えない。きっと私だけの密かな思いだったのだろう。ませた中学生だったようだ。

 今の時代であれば、「老いらくの恋」などと騒がれることもあるまい。

 「とは言え」と、冒頭の言葉に戻るのだが、もはやそんなチャンスが私にあるわけもない。

 せめてイメージの世界で、心ときめかせ華やいで、「老いらくの恋」をしようではないか。

  魂(たましひ)を込めたる恋ぞ遅桜  鵯 一平

 配偶者を亡くし悲嘆にくれている人もあろうに、このような話題は不謹慎かなあ。

「遅桜(おそざくら)」は、花どきに遅れて咲く桜の総称で、晩春の季語。

 八重桜はソメイヨシノに比べれば2~3週間ほど遅く開花するが、遅桜は八重桜に限ったことではない。

 

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コメント (12)
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