今日はこどもの日。しかし話題は、やや相応しくないが恋の話。
恋をすれば若やぐ。
そんなことは言われなくても、とうに分かっている。
とは言え、年齢相応に振る舞おうとすれば、犬ころみたいに無分別な恋はできない。
歌人の川田順氏(当時67歳)が、美しい人妻の弟子鈴鹿俊子さん(当時39歳)と恋に落ちた。
川田夫人は昭和14年に病死していた。しかし俊子さんは元教授夫人であり、今の言葉で言えば、「不倫」の関係だった。
このようなことが露見しないはずはない。
俊子さんは家を出て離婚が成立。
ここまでは順調に行ったかに見えたが、川田氏は罪の意識に苛まれ、ついには自殺を図るに到った。
だが死にきれなかった。
その後、そのことが新聞社の知るところとなった。
昭和23年12月14日、「老いらくの恋は怖れず。相手は元教授夫人」と報じられた。
当時の私は中学生だったが、「老いらくの恋」という言葉に強い印象を持った。
親たちが話題にしたとも思えない。きっと私だけの密かな思いだったのだろう。ませた中学生だったようだ。
今の時代であれば、「老いらくの恋」などと騒がれることもあるまい。
「とは言え」と、冒頭の言葉に戻るのだが、もはやそんなチャンスが私にあるわけもない。
せめてイメージの世界で、心ときめかせ華やいで、「老いらくの恋」をしようではないか。
魂(たましひ)を込めたる恋ぞ遅桜 鵯 一平
配偶者を亡くし悲嘆にくれている人もあろうに、このような話題は不謹慎かなあ。
「遅桜(おそざくら)」は、花どきに遅れて咲く桜の総称で、晩春の季語。
八重桜はソメイヨシノに比べれば2~3週間ほど遅く開花するが、遅桜は八重桜に限ったことではない。
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