芍薬の中で共生していた野草(ノボロギク?)の綿毛が、巣立ちの風を待っていた。
そこへ一陣の風。綿毛がフワーッと浮いて流れた。
綿毛たちのほとんどは、一気に飛び去って行った。
しかし一部の綿毛は、親元の茎に止まって、早くも羽根休め。
ほかの一部は、芍薬の茎に止まって、羽根休めをした。
まるで芍薬の蕾に向かって、巣立ちの挨拶をしているようだ。
更にほかの一部も、芍薬の葉に止まって、近所付き合いのお礼を申し述べていた。
幾日かを過ごした共生の場。離れ難いものがあったのだろう。
少し強い次の風があれば、この綿毛たちも、新たな天地へ向けて飛び去って行く。
晩春のひとときであった。
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