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農を語る

自然にやさしい不耕起栽培

桜宮自然公園内天井田の様子

2007-01-18 20:58:37 | 多古の里山

Takosuidenn3Takosuidennt5  左は不耕起・堪水田3年目、右は1年目の水田

12月21日撮影だが今年の冬は暖かで2番穂がまだ枯れないで緑が残っている。古米や米ぬかを振り夜にはカモが来ており、特に左の水田は遊び場にしている。雑草はいずれの水田にも水田内はほとんどはえない。畦にはミゾソバが生える。谷津田には湧き水が豊かで今年の冬は水の心配は全くない。


多古桜宮自然公園の活動(その1)

2007-01-17 17:25:50 | 多古の里山

Sakuramiya

 桜宮自然公園での活動について07、1、12

 桜宮自然公園をつくる会は平成13年11月で5年前になる。定年退職者が中心に取り組まれた。月1回の作業日を決め、公園維持管理を行ってきた。会長の所英亮さんとしては公園の直ぐ脇に計画されている産廃中間処理場ができないための運動は、極めて一過性で時間が経てば住民たちは忘れてしまう。誘致企業はそのあたりをよく知っていて3年目に密かに県に申請を出しなおす。県の産廃課もそのあたりを心得ていて3ヵ月後には許可を出すというのが一般的である。

 月1回でも定期的に公園づくり、散策道づくりをしていれば、いざ鎌倉と必要な時に力が出せると5年間もこの運動を続けてきた。公園としては恵まれた景観を持っており2年目にはサシバが観察でき、ハクセキレイ、カワセミが日常的に観察でき、平成16年には環境省・読売新聞主催の「里地・里山30選」に選ばれ、成田の国際空港にも20分という地の利を生かして、外国からの環境派の視察を受けている。ドイツの人は日本人は「公園の中で生活しているのかと」といった話しも聞かれた。

 自然保護や雁を呼ぶ会の人々、研究者も関心を寄せて見学に訪れた。自然の実態調査や小動物の写真や発見される貴重な植物の写真なども撮影され、それらのデータがデージタルですべて保存されている。千葉中央博物館、我孫子鳥博物館、淡水面魚類研究所、栗山川漁業協同組合などの研究者が協力してくれた。


鮭の遡上と竜宮の使者

2005-12-31 20:29:04 | 多古の里山

                              平成17年12月13

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今年の栗山川の横芝堰は魚道付きの新しい堰になり上流域のどこに鮭が多く遡上するか注目されていました。その場所は多古町南玉造にある栗山川の支流の堰に50匹前後の鮭が集まっており、それ以上進めないでいる。鮭の行く先は誰でも鮭の神を祀ってある山田町の山倉神社の方向を目ざしているように見えるという。同神社に伝わっている「竜宮の使者(鮭)」の通り道ではないかと話す人もある。

従ってこの堰で産卵させる場所ではない。山倉に行かすことが最善だとし昔話がタイムスリップしているのです。

夢とロマンが実現するのには「魚道」を作ること以外にはないとその地区の区長は語る。鮭の行先は果たしてどこになるか、この地域の関心事になっている。里山と鮭とトキ、コウノトリを夢とロマンとして持続してきた桜宮自然公園をつくる会は日頃の地域の環境を守る活動に大きな贈りものをもらったのです。それは鮭が遡上する見学ポイントを確保するとともに、日本の農村の原風景である里山を見学コースとして活用できることになりました。また成田の国際空港に近い立地を生かして日本の代表的里山と食文化を外国人に紹介できるチャンスでもあると期待している。

              桜宮自然公園をつくる会

                会長代行 所 英亮


多古の桜宮自然公園の活動を続けるために

2005-10-03 16:00:27 | 多古の里山

里山の谷津田を育む不耕起イネ栽培2005,10,3
  16年度から多古町染井の桜宮自然公園の天井田で不耕起のイネ栽に取り組んでおります。南北に林があって日当たりが悪く、湧き水が絶えず流れており機械が沈んでしまうので普通の農家の人は手をださない。休耕や減反の対象にしてきた。水田は荒れ、残土の恰好の捨て場になろうとしていた。
 佐原の岩澤信夫さんの指導で藤崎芳秀さんの水田で不耕起栽培の技術を学び、生き物(クモ)の研究家の吉井光さんと多古町の桜宮自然公園を作る会の所英亮さんの口聞きで始まった。県の里山条例は平成13年スタートし、堂本知事の目玉として里山センターの活動が、この桜宮自然公園の設立と歩みをともにした。
 県の緑推進課のアドバイスをうけながら、地権者の土地を借りて、住民の参加を得てこの4年間で延べ250人のボランテアで公園作りを行ってきた。昨年環境省・読売新聞社主催の「里地里山保全コンクール30選」に入選する評価を受けており、成田空港に近くて里山を簡単に案内できる場所としてドイツ、ノールウエイ、韓国からの来園も受けております。
 また最近では10月22日にはJALのヤングリボランティア研修会の会場として80人規模の里山体験の企画、同じ10月22日から11月6日まで多古町コミュニテープラザで「よみがえる里山」をテーマにこの4年間の活動を写真展で紹介する活動も企画しております。
 こうした活動には常々里山センターのアドバイスを受けて、地域のボランテアとして住民参加型の里山活動を展開してきました。
 そんな折りトーホークリーンが多古工場、産業廃棄物処理施設、1日20時間操業年間300日、30メートルの高い煙突の計画が日刊建設新聞で紹介され産業廃棄物課で縦覧され、10月17日までに意見書の提出が求められている。
 こうした縦覧はごく形式的で、これから処理場の建設を阻止することは難しいだろうと言われている。
 しかし環境保全を力説して当選している堂本知事が、里山条例を作り里山センターを立ち上げ、そこで里山の自然が大切だと住民の声を、なんとか形のあるものとして実現しかけている多古の桜宮自然公園を見殺しにすることはできないでしょう。
 計画書では「汚水を流さない」と書いてあるが、多古町の水源は豊かな地下水をくみ上げ山の上にある多古高等学校の近くまで引き上げてそこから各家庭に配っている。その水源地は、予定地から直線で300メートル前後の下にある。文面では「汚水は流さない」、と表示すれば流さないのかということで済ませる。しかし私たちは5年、10年のあるいは次世代の汚染までも想定して多古町に住む人々の将来も考えて決断すべきことである。
 道路についても成田空港に直結する迂回路として車の通行は現在においてもかなり便利で通行量も多いし、スピードで走っている。産廃処理場ができることになればダンプカーで一杯になり便利がいいので周辺の山林は恰好の捨て場となる。地域住民の安全という点でもおびやかされることになる。
 私たち不耕起栽培を提唱して生き物一杯の自然の復活を賭けて活動する一員としても、この2年間の水田づくりを通してみても、地権者から谷津田をお借りして休耕や減反で荒らしておくよりは里山の再生、希少植物、希少動物の復活には極めて有効である。メダカやクチボソの増殖、ヤマアカガエル、シュネーゲル、ウシガエル、アメリカザリガニ(必ずしも歓迎する種ではないが)などはいつでも観察できる。豊かな湧き水は絶えることがなく、不耕起湛水を可能にしているので、無農薬、無除草剤は簡単に実現する。こうした小中の総合学習の場としての利用、森林セラピーの市民の活用の場としても理想的な資源である。この公園のすぐ脇に産廃の施設を計画するなんて、まさか県知事はじめ、県の役職の方々も考えてはいないことを期待する。