沖縄 8 Scene

沖縄で生まれ沖縄に生きる
      8郎家の日記

うりずんの宅シネマ

2021年04月29日 | 映画

 新型コロナウイルスの第3波が吹き荒れる中、2021年の大型連休に入りました。外出してのお楽しみはほぼできそうになりませんね。ということで、宅シネマの回数が増えることを見越して、ブログチェッカーのみなさんと映画に関する情報交換をさせていただきたく記事をアップします

 シニカル映画評論家の8郎がここ2,3カ月の宅シネマで高評価をつけた映画をご紹介いたします。

下写真は、夜の勉強の合間(事後でなくて?)にたしなむ一人晩酌の光景です。この夜はKIRINの「SPRING VALLEY」を飲みました。オリオンの「75BEER」に負けず、上品でコクのあるビールです。もちろん、YOUTUBEのハワイBGMチャンネルをつまみにおいしくいただきました。

 黄金の泡が美しい~。

 1杯飲んだ気持ちになったところで、本題に入ります。

 今回ご紹介する映画はどんでん返し系3本家族向け2本の計5本です。まずはどんでん返し系から。

 

 一発目は『9人の翻訳家 ~囚われたベストセラー~』(2019年、レジス・ロワンサル監督)。密室殺人事件と意外な犯人という古典的ミステリーの薫りただよう良作です。

 この中に犯人がいるはずなのに誰か分からないまま人が殺されていく、という密室系の緊張感を楽しめます。しかし、最近のどんでん返し系映画によくある「読者をびっくりさせるためだけに無理くりひねりを重ねた」感が否めなく、「そんなにうまくいくか?」という疑念と、目的達成のために試行錯誤する犯人たちの動機が乏しい点については、フラストレーションも感じる方はいるでしょうね(8郎も感じました)。75点!

 

 

 お次は韓国映画のヒット作『殺人の告白』(2012年、チョン・ピョンギル監督)です。8郎のベスト韓国映画『殺人の追憶』へのアンサー作品とも言われています。今らなら読めるどんでん返しですが、8郎は勉強で疲れていたのか(笑)、うかつにも気づかないまま、きれいにどんでん返されてしまいました。

 減点要素は商業主義の弊害でしょうか、やたらアクションシーンに時間をかけていることです。クライマックスのどんでん返しのあとにも、バスの上で「カンフー映画か」というくらいのアクションを繰り広げる展開には閉口しました。メインディッシュの焼肉とサムゲタンをたらふく食べ終えてお腹をさすっているところに「キムチチャーハン大盛」を持ってこられたような気分です(笑)。しかし、さすが韓国映画、役者さんはみなお上手でした。ということで78点!

 

 3本目は今回イチ押しの作品です! 『インビジブルゲスト ~悪魔の証明~』(2017年、オリオル・パウロ監督)です。殺人を犯してしまった青年実業家と、それを弁護する老女性弁護士とのやりとりを中心に進む極上のサスペンスです。久々の大どんでん返しでした! 

 シニカル映画評論家8郎にしては珍しい88点を差し上げましょう(そこまで来たら90点あげんかい)。非常におすすめです。前半の展開が多少重く長いことが減点要素ですが、それを乗り切れば、驚異のクライマックスへと誘われます。全体的に暗い映画ですが、どんでん返しは多少爽快感に包まれます。暗いトーンの中にも勧善懲悪が込められているからです。

※実は8郎、開始5分で「まさか、こういうオチでは・・・」というインスピレーションがあり、結果、オチを当ててしまいました(冒頭からキャスティングに違和感を感じたのが理由です)。自慢するわけではありません。当てたために、結果どんでん返しの衝撃が半減したのも事実だからです。面白みも半減したということをお伝えいたします。適当な勘ぐりをせずに素直に身をゆだねたほうがいいですよ。

 残り2本は、家族で見て楽しめる邦画を2本ご紹介します。子供向けなので点数は付けません。

 

 1本目は『瀬戸内海賊物語』(2011年、大森研一監督)です。10郎と見ようとネットで「子ども」「冒険」で検索したのです。前回記事の流れで言うと、瀬戸内海というキーワードに多少反応したのも事実です(いつか明らかになるオチに向けて公平に伏線をはる正直者8郎)。ネット評で〝日本版グーニーズ〟とありましたが、ほぼそんな感じです。

 内容的には軽く楽しめ、そのためか、商工会が地域活性化の予算を使って半年で作ったような出来にも見えます(笑)。キャストは意外に豪華ですし、目力のある主演の女の子も演技力があるので、童心に帰って楽しめます。愛息10郎も満喫していました。

 

 2本目は邦画アニメ『虹色ほたる ~永遠の夏休み~』(2012年、宇田鋼之介監督)です。邦画アニメらしく、ストーリにもわびさびがあり、絵もとてもきれいで楽しめました。夏休みの、特に幼少期のピュアな喪失感を描いた傑作でした。歴史的傑作『君の名は。』がパクった(オマージュ?)とされる場面も見られるようです。小学生が主役の物語ですが、メッセージ性としては40~50代いわゆる最後の昭和世代向けとなっています。

 ネット評では、人物キャラクターの描き方が独特すぎてなじめない、コメントも多いです。8郎も同様に感じました。自然背景は細かくリアルに描いているのですが、人物だけはなぜか子ども向けの絵本のようなタッチなのです。つまり背景と登場人物に一体感がないのです。さらにクライマックスで主役の子ども二人がほたるの池に向かって走る重要なシーンでは、2人も急にリアルタッチにトーンが変わるので「え?なんで」と強い違和感を覚えてしまいます(それまでかわいかった女の子が呪怨のような顔になります)。一般視聴者には伝わらない制作者のテクニック披露(どうだ!俺様が込めたメッセージ、お前らに分かるか?的な)が過剰すぎると、作品が偏向してしまう悪い典型だと思いました。もう一点はストーリーに時系列的な矛盾、違和感があることですね。ファンタジーの一言で片づければそれまでですが。

 それ以外は非常によかったのでちょっと残念です。原作の小説(原作・川口雅幸氏)はさらに評判がよいので、10郎が中学生になったら買ってあげようかな。

 8郎がリスペクトしてやまないユーミンが主題歌を歌っているので、それでよしとしましょう!

 

 以上、シニカル映画評論家8郎のおススメ5選でした。大型連休中にステイホームですることがなく、ネットフリックスやアマゾンプライム、TSUTAYAに頼るなら、ぜひご参考ください。

 みなさんも、いいのがあれば教えてくださいね! ステイホーム(沖縄方言で「やーぐまい」)も楽しく過ごしたいものです。


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