沖縄 8 Scene

沖縄で生まれ沖縄に生きる
      8郎家の日記

ぼっち皇帝の旧盆

2018年08月26日 | 映画

  大した話題もないのですが更新いたします。この間のもろもろを。

 先日、業務で移動中、あまりにもいい天気だったのでフロントガラス越しに撮影。ホウオウボク青空に映えていました。夏の色です。

 会社帰りに、たま~に寄るBAR。一人飲みを〝ぼっち飲み〟とも言うそうですね。麦焼酎の水割りにシークヮーサーを添えて。20代に吸っていた紙たばこ「CAMEL」、デザイン一新に魅かれ買ってしまったのですが、やはり電子タバコよりおいしい。30代まではできなかった「ぼっち飲み」。いろんな出会いがある上に、好きなときに帰れるし、コストも2千円以内。たまにはいいものです。

 以前もご紹介した韓国居酒屋のチヂミです。ぼっち様サイズで作ってくれました。

 まぁ、かっこよく〝ぼっち飲み〟なんて書いてますが、いずれも業務でお世話になっている店で、たまには顔を出さなければならない大人の事情もあります(笑)。

 

 さて、愛息10郎ですが、夏休みの自主学習として、二つの工作物を完成させました。一つは絵。西表島での思い出を描いてくれました。どうです、この完成度! 水中眼鏡越しの景色なのだそうです。マンタは見れなかったのですが、父推薦で入れてくれました。行ったかいがありました。よかった、USJにしなくて(笑)

 お次は、先日、親子手作り教室で作った木箱のデコレーションです。かーかーと一緒に、かっちょいーに仕上げています。グソー(あの世)から帰ってきたテルおばぁもひ孫のセンスに喜んでいるかなぁ。

 さて、旧盆ウークイですが、8郎はなんと一人、つまり「ぼっち」で過ごすことに! 毎年恒例で、妻方の名護の実家に行く予定だったのですが、緊急業務(怒)が発生したため、一人残ることになったのです(業務はまだ終わっていませんが・・・)。ウークイの夜は満月と一番星(右上に見えますか)が輝く夜でした。ご先祖さまも喜んでいたことでしょう。

 その日の仕事を終え、帰宅。ぼっちになった45歳は、一人何をしたのかというと、BSで録画していた映画『ラストエンペラー』を完見したのです(笑)。缶ビールを開け、ソファに寝ころび、つまみを食いながら映画に没頭する。こんな皇帝👑のようなふるまいは、ぼっちの夜にしかできません。ご先祖さまに怒られそうですが。

 鑑賞したのはBSで録画していた『ラストエンペラー』(1987年、ベルナルド・ベルトルチッチ監督)。30年以上前の映画なので、ご覧になった方も多いと思います。アカデミー賞9部門だとか…。古さを感じるどころか、スケールの大きさ、人間ドラマの迫力に圧倒されました。イケメン俳優の殻を破ったジョン・ローンの演技力にもしびれました。

 3歳で清朝最後の皇帝となり、母親の愛情から引き離された愛新覚羅溥儀(あいしんかくら・ふぎ)が、その後中国共産党や日本軍に翻弄され、傀儡皇帝となり、しまいには戦犯として投獄され、中国共産党の監視下で庭師として人生を終える、そんな数奇な人生を壮大な歴史スペクタクルとして描いています。自分の意思で動けない操り人形のような人生は、周りの人間もどんどん不幸になっていきます。本人がどう頑張っても追い込まれていく人生は悲しすぎます。生き方について、考えさせられる名シーンは数えきれません。また、すべてのシーンの構図も素晴らしく一枚の絵画のようです。玉座の裏にかくされた虫かごとその中身で、数奇に満ちたラストエンペラーの人生を象徴化するラストシーンも映画史に残るものでしょう。監督も俳優も音楽(坂本龍一)はもちろん、回顧録的な形にした脚本もすばらしい。163分と尺は長いですが、あれだけの歴史・人間ドラマを3時弱に詰め込むことがすごいっす。坂本龍一の芝居は「戦場のメリークリスマス」同様、微妙でしたが(酷)、日本人離れしたエキゾチックな顔立ちは、立っているだけでも絵になります(やはり役者は顔なのでしょうね)。

【補足】孤児育ちで独りぼっちだったジョン・ローンは、溥儀を演ずるにあたって、自らのつらく寂しかった生い立ちを重ねたそうです。溥儀の物憂い表情には本当にリアリティがあります。ラストのおじいさんになったときの、多少狂気がかった笑みなど秀逸です。

 ただ、クレーマー8郎(怖)には減点箇所が唯一あります。それは、溥儀を演じた俳優は4人いるのですが、幼少時代の子役2人が成人期役のジョン・ローンにまったく似ていないことです(笑)。直前の青年期の役はびっくりするほど似ているだけに残念! まぁ、ジョン・ローンほどのイケメンを探せと言われてもなかなか、難しいとは思いますが(それだけに青年期役は逆に奇跡か)。30年前の配役にケチをつけてもどうしようもないですね(笑) とにもかくにも大傑作です。みなさんも「ぼっちの夜」があればぜひ!

 40代になって分かる映画のよさというのもあります。ここ数年では『戦場のメリークリスマス』(1983年、大島渚監督)、韓国映画の『殺人の追憶』(これももう20年前の作品ですが、この時点で日本映画は韓国に抜かれたのではないでしょうか)などが挙げられます。8郎版「人生で見ておくべき映画」だと言わさせてください。ほかにも、いい映画があれば、教えてください。

 ということで、カテゴリーも久々に「映画」にしました。

 

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 旧盆が終わっても、沖縄の暑い夏はまだまだ続きます。でもちょっと空が高くなってきたかな。

  妻子が名護から戻り、「ぼっち皇帝」の玉座から降りることになったので、今日はこれにて。


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