沖縄 8 Scene

沖縄で生まれ沖縄に生きる
      8郎家の日記

1973年生まれの秋旅

2017年11月07日 | どぅしぐわぁ

 2017年秋の3連休。8郎はN高時代のどぅしぐわぁたーとやんばるでのグランドキャンピング(豪華なキャンプ。略してグラキャン)を楽しんできました。

 2008年に亡くなった同級生ヤスーンを敬愛するどぅしぐわぁたー6人。1973年生まれの8郎たちはほとんどが今年44歳であり、来年は当然45歳と、40代後半の世界に足を踏み入れることになります。それぞれ、職種、家族持ちや独身貴族などのライフスタイルは違えど、50歳を前に体力・気力の衰え、職場での危機感、家族に対する責任の重みが加重するという事実は共通しています。どんなに気持ちが若くても、どんどん身動きがとれなくなっていくことでしょう。そういう意味で、このメンバーで少年時代に戻って遊べるのは今年が最後ではないか、という思いもあり、計画したのです(飲み会は続く限り続けていくつもりですが)。あの時やっておけばよかった・・・ということがないように日々を過ごしたいと思っているからです。

 残念ながら、ポン先生は家庭の事情で早々にキャンセル、砂吉は返信がなかったのですが、ホテル業の繁忙期に当たるためまず無理だろうと周囲が判断、当初大ノリだったTら~は2日前になって体調不良によるドタキャンということで、結果、亀さん森ドゥと8郎だけの3人となりました。半分がキャンセルなら中止しようと思ったのですが、賛同した二人が「3人でも行こうぜ」と言ってくれたので決行することになったのです。

 緊急事態にも関わらず、亀さんが車を出してくれることになりました。一つ空いた席には荷物を積めながらも、笑顔のヤスーンが座っている気持ちで、いざ出発!

 3人で運転を交代しながら国道を疾走します。窓から見える青い海と空が最高だぜい。空はもう秋模様です。 

 中継地点となった名護市での休憩含むランチには、8郎おすすめのカレー屋たんぽぽをご案内。初めてという二人でしたが、絶品カレーに大満足の様子でした。二人ともおそろいでハードロックなTシャツ着てるな~。ツルピカ8郎が言うのもなんだが、2人とも、老けたなぁ~(笑)

 8郎は恒例のカツカレー。この店で何回言ったかわかりませんが、おいしゅうございました!

 たんぽぽパワーでエネルギーをフル充電したあと後は、一気に沖縄本島の北端、国頭村へ。釣りをするために奥漁港に到着。家族連れらが散見されました。当初の計画では船釣りをする予定だったのですが、幹事8郎の不手際で予約が手遅れとなったゆえの漁港釣りです(謝)

 8郎はいつものごとく、てーげー垂らし釣り。ドライバーは森ドゥにチェンジしてもらったので、ビールに手を出します。北国のビールが断然うまい!

 開始10分でオジサンをGET。女子がまったく出てこない物語に、これ以上オジサンを加えなくても、と言わないでください。

 その後はガーラ。2匹とも20㌢に満たない小型魚でしたが、刺身にするために持ち帰りました(酷)。

 亀さんは投げ釣りに挑戦していましたが、一度も糸が突っ張ることなく納竿(悲)。「釣れんでもいいばーよ。この大自然のなかでキャストするだけでも楽しかったやっさ~」と、まさに坊主のときの8郎が常用する“負け惜しみ”を3回繰り返していました(笑)

 一方の森ドゥはというと、竿がしなるほどの大物と格闘! その大物の名は、地球。 

 ほとんど釣果はなかったのですが、のんびり3人での釣りは楽しかったです。

 宿には16時までにチェックインしようと、奥共同店へと。氷や水などを購入。ちなみに奥共同店は1906年開業で、県内の共同店の第一号店だそうです。111歳ということですね(凄)。

 

 今回使った施設は、奥やんばるの里です! 静かな山間に響く川のせせらぎが最高です。GW期間中のこいのぼり祭りではこの空間を無数のこいのぼりが占めます。  

 宿はこちら。赤瓦でいい感じです。こんなのが5棟設置されています。もちろん満室でした。8郎らは3~5人タイプの「ウニシ」という宿。税込み1万5千円。誰かさんのドタキャンにより一人当たりの料金が上がったため、誰かさんをちょっと恨みましたが(笑)、ウチナンチュ料金だった可能性がありで、正規料金よりは2千円ほどお釣りが来ました。

 室内はこんな感じ。窓越しにコテージが見えるのが最高です。こんな別荘持ちてぇ~。

 4畳半が二間。寝室を選択するじゃんけんで勝利した8郎は奥座敷をGETすることができました。

 トイレ、バス完備。

 洗濯機も! 連泊したほうが楽しいでしょうね。

 これからバーベキューの準備というタイミングで、亀さんが、今回の秋旅のまさに象徴ともいえるアイテムを取り出したのです。ウイスキーカナディアンクラブ(略称CC)です! じゃじゃん。

 それがどうした、CCなんてどこにでも売っているではないか、などと言わないでください。亀さんが持ち込んだのは、なんと1973年瓶詰。そうです、8郎らと同じ年を重ねたウイスキーなのです。その証拠にキャップにラベルが張られています。購入したのは、なんとディスカウントストアだそう。ずっと開封されずにいた方が何らかの理由で売りに出したのでしょう。

 ちなみに、ウイスキーは樽の中でだけ熟成を重ねるので、瓶詰にしたあとは何年たってもおいしくなることはないという意見もありますが、ネット上で調べると全く逆の意見もあり。こればかりは自分の舌で確かめるしかありません。ミステリアスな楽しみが増えました。

 釣ったオジサンとガーラは、居酒屋での調理経験があるという森ドゥがさばいてくれました。しかし、あまりの身の小ささに、リリースすればよかった、と毎度ながらの後悔。お魚さんたち、すいません! 命を無駄にいたしません。

  コテージはこんな感じ。

 椅子のアームにはカエルが気持ちよさげに眠っていました。やんばる固有種のハナサキガエルでしょうか。さすが、昨年2016年9月15日に33番目の国立公園として認定されたやんばるの森です。「国公園」と「国公園」では、管理者が国と都道府県という絶対的な違いがあるのですよ! と宅建受験で学んだ知識を披露いたします。それにしても眠たげな眼がかわいいカエルですね。アカマタ~に食われるなよ~。

 暗くなるころには、8郎持参のガス式ランタン「ノーザンスター」が活躍。雰囲気をグレードアップしてくれました。このコテージは屋根にライトが二つ付いているのですが、明らかに光量不足なので、別光源は必須ですね。 

  森ドゥの知り合いの店から購入したお肉。大麦牛ロースだとか。

  焼きあがるとごらんの色。にんにくも効かせて、大変おいしゅうございました!

 肉に満足したあとは、8郎持参のスキレットアヒージョに挑戦。ニンニクを多めのオリーブオイルで炒め、そこに缶詰の牡蠣マイタケ、そして赤唐辛子を入れるだけです。男の野外版簡単メシです。そうそう、忘れてはいけません。オジサンとガーラの白身肉もここで立派に成仏していただきました!

  完成! 具材が小さいのが反省点ですが、味は初めてにしては上出来だったかな。アヒージョのうま味がしみ込んだオリーブオイルを二次的に堪能できるバケットは、購入予定だったジャスコ名護店でまだ作っていなかったのでありません(店員さんによると売り出すのはお昼前だとか。泣)。

  腹を満たすと、プロミュージシャンである森ドゥ(実は一人だけ1974年生まれ)が、8郎のギターを使ってアコースティックなサウンドを披露。くわえたばこが絵になっています。8郎が10年間変えていなかった弦を、錆びにくいという新品に変えてくれました。さんきゅう!

 森ドゥが持参した電子タバコを味わう亀さん。けっして、1973年に連載スタートした、つのだじろう原作「恐怖新聞」で悪霊に憑りつかれた44歳やや肥満の男性が、エクトプラズムをはいている光景ではありません(これも1973年生まれがなせるオヤジギャグですね)。

 男3人、やんばるの森の夜の語らいも楽しかったです。森ドゥの二人の娘さんの健やかな成長、亀さんの結婚観、そして洋楽ハードロックのマニアックな話・・・。CCも甘くておいしかった。44年の時を経て熟成していたかどうかは分かりませんが、ブランデーのような深い甘味があり超おいしかったね。何よりこのタイミングに合わせて持参した亀さんの友情(受け狙いともいう)に感謝です。亀さん、ありがとう!

 日付けが変わる頃に就寝。8郎がGETした奥座敷の障子は1か所だけ意図的に敗れた箇所があり、多少のホラー感。夜中目が覚めた時に、これまた1973年連載スタートのうしろの百太郎(もちろんつのだじろう原作)がのぞいていたらどうするんだ! 

 とはいえ、朝からの疲れと飲酒のため爆睡。宅建試験に次いで人生二回目の耳栓も功を奏したのでしょうか。ふすま越しからだけでなく床から振動を通して伝わってくる亀さんのいびきもそれほど気になりませんでした。

 朝食はオジサン3人に似合わず、ペペロンチーノです。昨夜のアヒージョのオリーブオイルを活用しました。森ドゥが買って、結局使わなかった野菜も添えました。バジルをまいて完成。我ながらおいしかったっす。亀さんは味塩こしょうを雪のようにかけていました。成人病に気を付けよう!

  午前10時のチェックインを30分早く退館。お世話になりました。また利用します!

 せっかくだからと辺戸岬までドライブ。

 1972年に本土復帰するまでアメリカの統治下にあった沖縄。その翌年に生まれた8郎らは「アメリカ世」と言われてもピンとこないのが正直なところ。先に本土復帰した与論島を辺戸岬から眺めていたしーじゃ(先輩)たちの気持ちは想像もできません。どちらにしろ、時代の荒波と闘ったしーじゃたちの苦労をしのび、祖国復帰闘争碑に合掌。

 荒ぶる北の海を背にセルフタイマーで撮影。心だけは少年のオジサントリオをお許しください。与論島は見えませんでした。

 やんばるの県道沿いにはフヨウの花がちらほら咲いていました。

 ところで、車内は徹頭徹尾、亀森二人共通の趣味である洋楽ハードロックがガンガン鳴り響いていました。生粋の邦楽ポップ派である8郎は多少閉口(笑)。二日間で合計100曲くらい聞かされましたが、すべてが同じ曲にしか聞こえません! 亀さんが出してくれた車であること、そして8郎が3人中1人の少数派(マイノリティーという)である現実を踏まえ、おとなしくしていました。

 しかしこの二人は、フヨウの花などやんばるの大自然の中を走りながらも、会話のテーマの9割5分がハードロック  話題を変えようと8郎がほかの質問を振っても、心ここにあらずの返事を返した2秒後には、やっぱりハードロック! 日米両政府の沖縄圧政の象徴ともいえる東村高江のヘリパッド建設地前を走る時ですら会話のテーマはハードロック! 沖縄の自立、民主主義の将来を多少憂えた8郎です(笑)。「『オール沖縄』よ これが沖縄の現実だ!」という、うさんくさい本でも自費出版しましょうか。ドタキャンした男が助手席に座っていたなら事情は変わっていたかもしれませんね。

 でもいつになく生き生きとしていた二人でした。ここまで話が合う友達というのはなかなかいないのでしょう。いいことです!

 ランチは「俺たちよく知らないから8郎のおすすめでいい」というので、悩んだ挙句、本部町に近い名護市の西端にある必殺「よしこそば」へと。透き通っていながらもコクのあるかつおだしスープ。3人とも飲み干しました。ソーキも柔らかくてグー。2人とも「で~じおいしい」と言ってくれました。やんばるのそばのクオリティーに驚いたことでしょう。

 高速に乗る前に、久しぶりに許田道の駅へ。早速宝くじ売り場へと足を運ぶ亀さん。当たれば車を買い替えたいのだとか。その生き方、ハードロックなのか、思い切り庶民派なのか・・・。

 以上、1973年生まれのおじさん3人のやんばる秋旅でした。ヤスーンもたくさん笑ったことでしょう。

 残念ながら6人全員参加となりませんでしたが、とりあえず、3人だけでも実行できたという事実は、8郎の胸にちょっとした安堵感、達成感をもたらしてくれました。亀さん、森どぅ、楽しかったぜ! 幹事の役不足をフォローしてくれて本当にありがとう! 体調が悪くなったら、8郎特製のアヒージョでもなく、森ドゥ推薦の大麦牛でもなく、1973年生のウイスキーを疑ってください。44年は長すぎる!(笑)

 一か月後の忘年会では7人が集まれたいいね。

 今日はこれにて。