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余談:美しい国・・・・民主主義とは?

2008-03-17 02:21:48 | その他

[文言追加:8.36]

「会いたい」という曲で有名な沢田知加子が、「美しい国」という戦後間もない頃に書かれた詩を歌っていた。
沢田は、すべての人が、この詩、その心を知って欲しい、と思いこれをうたうのだという。

私は、その詩を、いままで知らなかった。
それは、永瀬清子(1906~1995)という方の詩。沢田がうたったのは2005年とのこと。
たしかそのころ、某国の首相が《美しい国》を掲げていなかったか?しかし、沢田の惹かれた永瀬清子の詩のなかみは、某国の元首相のとなえた《美しい国》とは、まったく異なる。


     美しい国  永瀬清子     1948年(昭和23年)2月 作

はばかることなく思念(おもひ)を
私らは語ってよいのですって。
美しいものを美しいと
私らはほめてよいのですって。
失ったものへの悲しみを
心のままに涙ながしてよいのですって。

   敵とよぶものはなくなりました。
   醜(しう)というものも恩人でした。
   私らは語りましょう語りましょう手をとりあって
   そしてよい事で心をみたしましょう。

ああ長い長い凍えでした。
涙も外へは出ませんでした。
心をだんだん暖めましょう。
夕ぐれで星が一つづつみつかるやうに
感謝と云う言葉さへ
今やっとみつけました。

   私をすなおにするために
   貴方のやさしいほほえみが要り
   貴方のためには私のが、

ああ夜ふけて空がだんだんにぎやかになるやうに
瞳はしずかにかがやきあいましょう。
よい想いで空をみたしましょう。
心のうちにきらめく星空をもちましょう。


永瀬清子は、別のところで、次のように語っている。

「・・・民主主義というのは、自分の心を自分でちゃんと知ること、それが第一で、また、それをはっきり表現できることだと思うのです。
第二には相手の心がわかること。
第三に、共に協力し進歩していくこと。
この三つが揃ってはじめて本当の民主主義なのではないかと思います。・・・」


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建築写真・・・・何を撮るのか

2008-03-15 11:23:11 | その他

先回、村井修 氏と渡辺義雄 氏という二人の建築写真家の名前を挙げた。
村井氏の写真は、前川國男建築事務所の設計図面とあわせ紹介できるので、ここで、渡辺 氏の傑作をほんの僅かだが紹介したい。
『奈良六大寺大観』(岩波書店 刊)の建築写真は、すべて渡辺 氏の撮影。
その「東大寺 一」から、南大門の写真2枚を選んだのが上掲の写真(以前にもモノクロの写真を紹介したことがあると思う)。

『奈良六大寺大観』の版面は、横30cm×縦36.5cmという大判。
正面の写真は、上下2枚にわけてスキャンして合成したので、質はかなり落ちる。
また、内部の架構の見上げは、見開き2頁にわたっているので、ここでは、やむを得ず、一部だけスキャンした。それゆえ、これも、原版の迫力に比べ、数等劣る。

『奈良六大寺大観』は、大きな図書館なら必ず所蔵されているので、是非本物をご覧いただきたい。

建物の実際の姿をあますところなく写真で伝えるのは至難の技。多くの場合、建「物」だけが撮られ、そこに存在する「空間」はなかなか写真からは読み取れないのが普通。とりわけ、最近の建築写真には、それが多いように思う。もっとも、建築自体が、建「物」づくりに精を出す世の中だから、やむをえないのかも知れない・・。

私が、両氏の写真を好むのは、実際の建築・空間を髣髴とさせるように撮られているからだ。
土門 拳という写真家がいる。山形県酒田市の生まれ。同市に記念館があり、多数の写真が展示、保存されている。
たとえば仏像を撮った土門 氏の写真は、実際の仏像を目の前にしたとき以上の感銘を受ける。というより、気付かなかった「実像」に気付かせてくれる、と言った方がよいかもしれない。
村井、渡辺両氏の建築写真は、それとは若干ちがうようにも思えるが、建物の「実像」をありのままに、うそ偽りなく伝えてくれることは共通している。

最近の建築写真には、いったいどうしたらこんな風に見えるのか、と思うような写真がある。なぜそういう視角で撮るのか?写真映りがよいからだ。しかし、実際そう見える視角に立つことは絶対にありえない・・。
それは、写真家の好みというより、設計者の《願望》の表れの場合が多いようだ。それが設計者の《設計のめだま》だからである。設計の眼目、意味が大きく変ってきているのではないだろうか。

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新年にあたって

2008-01-01 01:48:04 | その他

いつも、お読みいただき、ありがとうございます。

「条理をわきまえた」社会でありたい、と願いつつ、書けるまで書こう
と考えております。
本年も、お読みいただき、ご意見を賜れば幸いです。

   註 「道理をわきまえた」と書こうと思ったのですが、
      「道理」とは、本来、「世間で正しいと認めた行いの筋道」のこと
      だそうです(新明解国語辞典)。
      しかし、「世間」自体が「変な」ときは困ってしまいますね。
      そこで「条理」の方を採りました。
コメント (1)
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番外:論外・埒外・・・・匿名ということ

2007-09-21 09:17:44 | その他
 私はこのブログを本名・実名で書いている。本名・実名ゆえの理解のされ方がなされることもあることは重々承知の上。身の上まで調べて読む人もいるだろう。しかし長く続ければ、自ずと内容で理解してくださるようになるだろう、そう思っている。第一、文責が自明だ。

 一方、匿名は、最初から内容勝負。そういう利点がある。しかし、それには、一定の「埒」を設ける必要がある。匿名をいいことに・・という発言がややもすると出やすくなる。しかし、その「埒」は、自らが設けるもの。

 私の書くことにコメントをくださる方がおられる。その中には、何度かのコメントのやりとりのうちに、いわば言葉尻をとらえて論戦を吹っかけてこられる方がいる。それはそれでいいが、そうなるとつきあってゆくのが面倒になる。私は別に、コメントを書かれる方の人格やお考えを否定するつもりはないのだが、ことによるとそう思われるのかもしれない。

 私の方は、私の考えに異論を唱えられても一向にかまわない。そんなに簡単に私の考えが変るわけはないからだ。そうでなかったら、書き続けない。ただ、面倒なことはしたくない。第一、そうまでして私の考えに異議を唱えたいのなら、本名・実名でなさったらどうか、と思う。どういう仕事をなさっているかも明らかにして・・。それが、ネットの時代でも、最低の礼節というものではないか。

 「リベラル21」というブログがある。ここではコメント管理が徹底している。今後、私もそれにならおうか、と考えている。

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憲法記念日に寄せて

2007-05-03 10:34:21 | その他
 子どものころに、学校で読んだ日本国憲法。

 一昨日であったか、「日本国憲法の誕生」というドキュメンタリーがNHKで放映された(NHKスペシャル)。
 各所に保存されている資料をたどり、起草にかかわった関係者にインタビューを重ねた、事実に基づく字のとおりのドキュメンタリー、初めて知ることが多かった。

 今朝の新聞に、前文と9条と99条が掲載されていた。そこで、前文と99条を転載。

日本国憲法

前文

 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍がおこることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
 われらは、いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

99条

 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

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