中部アメリカの中ほどにあるホンデュラスから大きな朗報です。2009年の軍部によるクーデターで政権の座から追放されたホセ・マヌエル・セラヤ前大統領の妻であるシオラマ・カストロ・デ・セラヤが初の女性大統領に就任する事がほぼ確実になりました。その報道記事の一つを私なりに訳出します:
ホンジュラスの次期大統領に選ばれ、女性として初めてホンジュラスを統治することになるシオマラ・カストロ氏は、この日曜日、投票での勝利を祝い、「和解」と「平和と正義」の政府を樹立すると発表した。投票結果の審査は続いているが、自由党の候補者である彼女が、現政府政党である国民党の候補者に大きく差をつけている。
「我々はホンジュラス全土で、参加型の直接民主主義を保証するためのプロセスを開始するつもりです。それが統治のルールになるでしょう」と、カストロ氏は自由党本部で行ったスピーチで述べた。
次期大統領は、2009年にクーデターで退陣したホセ・マヌエル・セラヤ前大統領の妻であり、汚職で疑惑を持たれ、12年間政権を維持した後に解任されるフアン・オルランド・エルナンデス氏の後継者となる。
カストロ氏は、「私には敵がいないので、反対派にも手を差し伸べます。明日からホンジュラス国民のすべてのセクターとの対話を呼びかけ、一致する点を見つけ、次期政権の最低限の基盤を形成できるようにしたい。我が党員は、今とは違う国、公平で公正な国、多くのニーズに応えることができる自由で独立したホンジュラスを保証するために、魂と命と心を捧げる」と述べ、「戦争も、憎しみも、死刑執行人も、汚職も、麻薬密売も、ホンジュラスにはもうない。ホンジュラスの貧困と惨めさはもうない。いつまでも勝利を」と締めくくった。(翻訳終わり)
今回のホンデュラスの選挙関連の記事をもう一つ挙げておきます:
https://libya360.wordpress.com/2021/11/29/xiomara-castro-brings-hope-to-hondurans/
この記事は次の文章で終わっています;
In Honduras for the first time, a woman is going to be president and the current president could end up in prison.
2009年のクーデターの当時、私は、このホンデュラスの事態に対するメディアや専門家たちの態度、その背後にいた米国政府の言語道断の欺瞞性に驚き、腹を立てて、2009年の後半に4つのブログ記事を書きました。時間があれば目を通してください:
『ホンジュラスの憲法』(2009-07-08)
https://blog.goo.ne.jp/goo1818sigeru/e/72b0e119cd85d71e1298e85140e2461f
『ホンジュラスの憲法(続)』(2009-07-15)
https://blog.goo.ne.jp/goo1818sigeru/e/eafaefb45a10c83b101817a41e91eeb
『なぜホンジュラスにこだわるのか』(2009-11-08)
https://blog.goo.ne.jp/goo1818sigeru/e/b704d551fd47bede2720ab95e8b2c766
『ホンジュラス、米国健康医療蚕業、そしてオバマ』 (2009-12-02)
https://blog.goo.ne.jp/goo1818sigeru/e/8bfe5f9162a12ff86696a4ade4cc6d20
ホンジュラスの反動勢力による暴力的クーデターが起った時、オバマ大統領は「合法的に選出された大統領を追放するのは宜しくない。セラヤ大統領の速やかな復権をアメリカ政府は要請する」という内容の驚くべき欺瞞声明を発しました。このクーデターの背後には米国がいたのは現在では明明白白の事実ですから、俗な言い方をすれば、「あいた口が塞がらない」ひどさです。
私がこれらのブログ記事で見据えようとした中心のポイントは米国(政府、為政者)の真の姿です。米国という国の本当の姿を見定めることは、今や、我々日本人にとって文字通り“生きるか死ぬか”の喫緊の問題になっています。
藤永茂(2021年12月6日)
WSWSの記事に「The US boycott of the Beijing Olympics: A murderous state speaks of “human rights”」という見出しの後半部分が私はアメリカの本質を突いていると思います。