私の闇の奥

藤永茂訳コンラッド著『闇の奥』の解説から始まりました

削除、お詫び、訂正

2009-02-22 10:35:07 | 日記・エッセイ・コラム
 前回のブログ『エルサレム賞のことなど』のなかで、イスラエルの外務省から村上春樹さんに送られた手紙の内容として書きました部分に就いて、ビー・カミムーラという方から、私の書いた事があり得ないだろうというコメントとエルサレム・ポストの関係記事の全文を頂きました。私の使ったソースはイスラエル内の私的なニュース・サイトのようなもので、私はそれから直接一文を訳出し、ソースの記録を取っていませんでしたので、懸命に探してみましたが見当たりません。カミムーラさんが送って下さったエルサレム・ポストの記事のタイトルは「Defying boycott pressure, Japan’s Murakami heads to Israel to accept Jerusalem Prize」で、それを読むと、私が使ったソースの筆者はこのエルサレム・ポストの記事をもとにして一種のモンタージュ文を作り上げたもののようです。私はそれを早とちりして、パレスチナの味方をしている「The International Solidarity Movement」という団体が村上さんに送った公開書簡“Don’t legitimize apartheid”の中の一文を、イスラエル外務省が送ったものと取ってしまう誤りを犯したのだとさとりました。この点、読者に深くお詫びし、関係原文をブログから削除したことを報告します。
 なお、私は拙著『「闇の奥」の奥』の164頁で
「『地獄の黙示録』の冒頭に、南ベトナム、ナ・トランの地下の諜報司令部でウィラードがカーツの暗殺を命じられる場面がある。名も明かさぬ民間人(CIA要員)がウィラードに「抹殺するのだ。問答はいっさい無用」(Terminate with extreme prejudice)と命令を与える。この英語表現は米軍内の非情な人事に関連して使われる慣用句のようだ。」
と書きました。映画『地獄の黙示録』のトランスクリプトの翻訳では「抹殺しろ・・・・最大限の偏見をもって」となっていました。この部分のことが今までずっと気がかりになっていたのですが、最近偶然に『ランダムハウス英和辞典』2134頁に「terminate [or dismiss] a person with extreme prejudice {米俗} (人を)殺す、暗殺する。」と出ているのを見つけましたので、ここに報告しておきます。もっと良く辞書を調べるべきでした。

藤永 茂 (2009年2月22日)



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