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映画 父の祈りを(1993) 実話である冤罪事件による悲劇

2010年06月05日 | 映画(た行)
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 最近はテロリストといえばアラブ諸国を中心にした自爆テロを思い浮かべるが、しかし北アイルランドを根城に置く、テロ組織であるIRAの動きは気になるIRAといっても、何を示してIRAというのは難しいアイルランド共和軍を元々IRAと呼ばれているのだが、しかしそこからたくさんの分派が出来て、今日ではIRAといえばIRA暫定派のことを言うようだ
 しかし、このようなテロ組織がアイルランドに生まれる根本の原因はイギリスによるアイルランドに対する植民地化政策が挙げられるだろう

 イギリスから多くのプロテスタントがアイルランドにやって来て、アイルランドにおけるカトリックを迫害してきた事が挙げられる
 そのようなプロテスタントたちの迫害によってカトリックのアイルランド人民主義者達がイギリスからの独立を求めて武装蜂起したイースター蜂起、その武装蜂起した中心グループであるアイルランド共和軍が最初に”IRA”と名乗っている
 しかし、後に英愛条約による不平等条約により、現在の北アイルランドは今日に至って、まだイギリスの自治領内にとどまっているが、そのことがアイルランド内戦を引き起こす
 そして、北アイルランドがイギリス領内にとどまることに反対する組織がさらに”IRA”から分裂して今日言われる”IRA”である”IRA暫定派”の組織が出来上がる
 彼らは北アイルランドの独立を目指し、テロを頻繁に起こす爆弾テロ行為は北アイルランド内にとどまるイギリス軍に対してだけでなく、アイルランド国内、そしてイギリスに対しても行われた
 
 しかし、その”IRA暫定派”も2005年に武装テロを解除を自ら宣言するが、その”IRA暫定派”の内部強硬派によるリアルIRAと呼ばれる武装集団がテロ行為を行っている
 映画においてIRAのテロリストが出てくることが多いが、アイルランドの”イースター蜂起””アイルランド内戦”を描いた映画としてはマイケル・コリンズ麦の穂を揺らす風の2本の映画が参考になるだろう

 しかし、映画を観ているとイギリスという国が嫌いになりそうだ元々植民地政策を行ってきた国であり、しかも植民地が独立するのに自己責任を負わないから独立した国家はその後が大変だ
 映画で言えば、インド独立を描いたガンジー、イスラエル建国にまつわる栄光への脱出など

 そして今回紹介する父への祈りが、ロンドンでの爆破事件を北アイルランドから来た家族を勝手にIRAのメンバーに仕立てて、長年の刑務所暮らしを強いられるストーリー
 しかし、冤罪というのがただの誤捜査だけで無いことを知らされるだけに恐ろしいストーリーである当時のイギリスの司法制度の問題点を暴き、そして親子が同じ刑務所の部屋で過ごす事になるが、子供が父親の姿を見て、正義とは何かを知っていく親子のストーリーでもある
 監督は実在の脳性麻痺の症状の画家の姿を描いたマイ・レフト・フットジム・シェリダン監督
 主演は『マイ・レフト・フット』に引き続きダニエル・デイ=ルイス
 まさに『マイ・レフト・フット』の監督、主演コンビが今度はどのような感動映画を撮るのかそれではストーリーを紹介します
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 1974年ロンドンから50キロ離れたギルフォードにおいて爆破事件が起きる”IRA暫定派”による爆破テロであり若者たち6人?が死亡する
 北アイルランドベルファストにおいて、ジェリー(ダニエル・デイ・ルイス)は仕事もせずに、屋上から家に侵入しようとしているが、それを見かけたイギリス軍はIRAのテロリストのメンバーだと思い込み、発砲する逃げ惑うジェリー(ルイス)だったが、彼の行動はIRAにとって迷惑な行動だった

 ジェリー(ルイス)の父親のジュゼッペ(ピート・ボスルスウェイト)は、しばらくの間ジェリー(ルイス)をロンドンへ行かせる
 ジェリー(ルイス)はロンドンへ行く途中に船の中で、旧友のポール(ジョン・リンチ)と出会う
 2人は北アイルランドで知リ会いだった人物の隠れ家に行くがケンかをしてしまい、ジェリー(ルイス)とポール(リンチ)は深夜公園でアイルランド出身のホームレスの老人と出会うそして、さらに2人は高級娼婦の家で大金を盗んでジェリー(ルイス)は半年振りに北アイルランドのベルファストに帰って来た

 しかし、一夜明けてイギリスの警察が自宅に上がりこみ、ジェリー(ルイス)をギルフォードの爆破テロの容疑で逮捕する
 当時イギリスではテロ防止法を成立させ、テロリストの疑いのある者はとにかく1週間は拘束できる法が成立していた

 しかし、ジェリー(ルイス)は事件当時ギルフォードから50キロ離れたロンドンに居たにも関わらずイギリスの刑事たちの尋問は無罪を主張するジェリー(ルイス)に対して過酷を極めた
 そんなジェリー(ルイス)を救うために父親のジュゼッペ(ボスルスウェイト)はロンドンへ向かうが、ジュゼッペ(ボスルスウェイト)もイギリスの刑事に捕まってしまう
 ジェリー(ルイス)は警察から父親を殺すと脅され、仕方なく自分の犯行であることを刑事に告げるが、そんなジェリー(ルイス)を待っていたのは、ジュゼッペ(ボスルスウェイト)と同じ刑務所行きだった
 
 裁判の日、時代がIRAのテロ行為が頻繁に行われていた事もあり、ジェリー(ルイス)、ジュゼッペ(ボスルスウェイト)またジェリー(ルイス)の兄弟、そしてポール(リンチ)達に有罪の判決がくだり、懲役30年から無期限の採決がジェリー(ルイス)に下されるジュゼッペ(ボスルスウェイト)にも同様の刑が言い渡され、全く関係の無い14歳の弟までもが爆破事件に関わったとして刑務所行き

 ジェリー(ルイス)は刑務所で一生を過ごす事に自暴自棄になっていたが、ジュゼッペ(ボスルスウェイト)は市民団体に冤罪であることの手記を続ける

 そんな時爆破テロを起こしたIRA暫定派のメンバーが逮捕された彼は犯行は自分の行動であり、ジェリー(ルイス)やジュゼッペ(ボスルスウェイト)は事件に全く関係の無いことを警察に告げる
 しかし、そんな告白を警察側は証拠隠滅しようとする
 そのIRA暫定派の実行犯がジェリー(ルイス)やジュゼッペ(ボスルスウェイト)と同じ刑務所にやって来た
 ジェリー(ルイス)はこの実行犯と暴力にって刑務所の体制を批判するが、父親のジュゼッペ(ボスルスウェイト)はIRAの実行犯の力を借りることを良しとしなかった
 やがてジェリー(ルイス)も実行犯の刑務所内での暴力行為に対して疑問を持つようになるが、ジュゼッペ(ボスルスウェイト)の体はボロボロになっていく

 そんなジュゼッペ(ボスルスウェイト)の冤罪の手記に対して、イギリスの女性弁護士であるピアース(エマ・トンプソン)は彼らの無罪を証明するために動き出す
 しかし、刑務所でジュゼッペ(ボスルスウェイト)はテロリストの烙印を押されていて、何の介護も無いまま死んでしまう
 父親の死に対し、ジェリー(ルイス)は父の無罪を果たすため、そして父親から教わった正義、信念、生きることの自由を得るために再度審判を要求することを誓う
 その時すでに刑務所での生活は15年が経とうとしていた・・・冤罪というテーマが描かれたこの作品は映画を観てください

しかし、これが実話だということに驚くけれどこの冤罪に対する問題は日本でも無視できないテーマイギリス人のアイルランド人に対する差別意識、また逆に北アイルランドに住む人々のイギリスに対する憎しみの気持ちが描かれているように、北アイルランド問題が非常に複雑な問題である事を感じる

 この映画は社会派映画の部類に入るヘビー級映画けれど、冒頭に流れる音楽は印象的で、父親が死んだときに刑務所から投げられる多くの燃えている紙が舞い落ちていくシーンは幻想的な美しさがあり、映画として観る価値のある作品です

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