褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 トーク・トゥ・ハー(2002) ストーカー映画なのに感動!

2016年06月16日 | 映画(た行)
 最近よく耳にするのが貧富の差が激しい格差社会という言葉。この言葉は経済だけでなく恋愛においても当てはまる。モテる男は片っ端から取っ替え引っ替え色々なタイプの女性と付き合いまくるが、とことんモテない男は妄想と現実が混乱してしまいアイドル刺傷のような事件を引き起こしてしまうことがある。そりゃ~、ストーカー被害を遭わす様な男には社会的制裁を喰らわすのは当然のことだが、すっかり負け組みに陥ったモテない男にとって、せっかく好きになった女の子をモテる男に横取りされたんじゃ~、こんな世の中やってられない。
 とにかく弱者及びマイノリティに対して優しい映画を撮ってきたスペインの巨匠ペドロ・アルモドバル監督だが、彼自身は本物の女性以上に女性の気持ちを理解できるゲイの映画監督として有名だが、どうやら彼はストーカーの気持ちも手に取るようにわかるらしい、と思わせる映画が今回紹介するトーク・トゥー・ハー。何だかキモイ主人公の設定にドン引きしそうになるが、巧みなストーリー展開と驚きの衝撃を観ている人にもたらしてくれる作品だ。

 ネタばらしをしてしまうとまだ観ていない人の興味を削いでしまうので、できるだけ簡単にストーリー紹介を。
 看護師であるペニグノ(ハビエル・カマラ)は4年間も昏睡状態であるアリシア(レオノール・ワトリング)の介護を殆んど付っきりでしている。しかし、そのことはペニグノにとっては苦痛ではなく、決して目覚めることなく無反応であるアリシアにひたすら語りかける様子からはどことなく喜びすら漂っている。
 ペニグノが看護師をしている病院に女闘牛士であるリディア(ロサリオ・フローレス)が競技中の事故で意識不明のまま入院してきた。彼女も昏睡状態に陥ってしまい、恋人のマルコ(ダリオ・グランディネッティ)は絶望に打ちひしがれる。
 同じ病院内で出会ったペニグノとマルコはお互いの境遇を語り合う内に厚い友情が生まれるのだが、とんでもない事件が病院内で起こってしまい・・・

 ペニグノがアリシアを看護する経緯を知っただけでも驚くが、更に驚かさせる出来事を持ってくるあたりが、この映画の面白いところ。ネタを小出ししてくるので先の展開がなかなか読めず、飽きずに観ることができる。その割りに最後の結末は個人的にはチョッと不満だが、観る人によっては明るい未来を想像できる人も居るかもしれない。
 常人には思いつかないようなストーリー展開が褒められる映画だと思うが、個人的にもっと惹かれたのが4年間も昏睡状態にあったと思えないようなレオノール・ワトリングの綺麗過ぎるハダカ。オッパイを揉んだり触ったり等、妙にエロイシーンが多いのも楽しい。それから途中で挿入されるサイレント映画も笑えた。
 好き同士の男女、ただ一方的に男が女を付けまわす二組のカップル?の異なる形の愛、そして愛する女性が植物人間になってしまった男同士の友情が描かれているが、愛の大きさは時に残酷な過ちを犯してしまうメッセージ性は男から見れば、かなりキツイ。
 恋愛において負け組みの人、ありきたりの恋愛映画には飽きた人、優れた脚本の映画を見たい人には映画トーク・トゥー・ハーは特にお勧めだ

トーク・トゥ・ハー リミテッド・エディション [DVD]
ペドロ・アルモドバル
日活


 監督は前述したスペイン映画界の巨匠ペドロ・アルモドバル。大いなる女性賛歌を感じさせるオール・アバウト・マイ・マザー、とにかく驚きたい人には私が、生きる肌がお勧めです。


 
 

 
 

 
 
 

 
 
 
 


 

 

 
  
 

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