猫と話した

僕:おい、ニャンコ、お前さんはいつも気楽でいね。僕もお前みたいにのんきに暮らしたいよ。
猫:ちょっと待てよ。初対面のネコに向かって「おい、ニャンコ」はないだろう。人間さらもう少し礼節を持った挨拶が出来ないものかね。
僕:おいおい、待てよ、ニャンコ。お前さんがいつもそこでお気楽に寝転んでいるところを僕は何度も通りかっているよ。その度にお前さんは横目で僕をチラリと見ているじゃないか。まっ、声をかけたのは初めてだけどね。
猫:そうかい。人間なんてみんな同じ顔をしているから気がつかなかったよ。
僕:僕に言わせりゃ猫だってみんな同じ顔をしているよ。まっ、いいや。とにかく僕はお前さんのお気軽な人生、じゃなかった、「猫生」が羨ましいって言ってるんだよ。
猫:冗談じゃないよ。あんたには帰る家があり、家に帰れば冷たいビールと食事が待っているんだろ?
僕:当たり前さ。汗水たらして働いているんだからね。こう見えたって、毎晩ビールが飲める位には働いているんだ。
猫:あんたの人生はお気楽でいいね。帰る家があって、毎晩冷たいビールが飲める。おいらなんてさ、雨露をしのげるのはこんな所しかないし、下手すりゃ二日も三日も食い物にあり付けないことだってあるんだぜ。
僕:それはお気の毒に。でもさ、嫌な上司や得意先に厭味を言われなくて済むだけ上等だよ。
猫:まっ、それは言えてるな。あんた、毎日そんなに厭味を言われているのかい。
僕:まあね。でもさ、住む場所と冷たいビールがあるだけでもありがたいのかも知れないね。
猫:そうだよ。あんまり贅沢を言わないことだね。
僕:お前さんもな。
猫:あんた、なんだか疲れた顔をしているよ。今日は早く帰って寝た方がいい。
僕:そうかい。確かにちょっと疲れているかな。お前さんの言うとおりにするよ。ところで、お前さんも随分腹を空かしているようじゃないか。これでよければ少し食べなよ。
猫:ありがとうよ。人様からの施しは受けないってのがおいらの哲学なんだけれど、今日はもらっておくことにするよ。悪いな。
僕:礼を言われるほどのものじゃないよ。それを食べて元気になれば、明日にはきっといい事があるよ。
猫:そうだね。あんたも人が言うことをあんまり気にするんじゃないよ。いちいち気にしていたら胃に穴が開いちゃうぜ。
僕:そうだね。気にしないことにするよ。
猫:うん、それがいい。今晩は早く帰って寝るんだね。
僕:うん、そうするよ。おやすみ
猫:あぁ、おやすみ。

今日の1枚は、今日、話した、猫。
コメント ( 2 ) | Trackback (  )
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コメント
 
 
 
うーん (でんきがま)
2007-06-20 18:43:04
いったい何語で会話したのかが気になります。
 
 
 
勿論・・・ (郷秋)
2007-06-20 22:57:00
でんきがまさん、こんばんは。
>いったい何語で
猫のヤツは勿論、猫語。僕はフツーに人間用の日本語。ちゃんと通じましたよ。昨日は。
 
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