熟年の手習い

熟年老い易くチェロなり難し

森村泰昌展

2011年03月22日 | アート

震災前に書いていたのですが、アップしそびれました。
今のムードとの遊離ぶりを感じるためにやっぱりアップしてみます。

阪神淡路大震災の後だいぶ経っても、好きだった現代美術を見てもダメージを受けた心に何も感じなくなり愕然としました。
感覚がある種マヒ状態が続く中、音楽が最も早く心を揺さぶり始めました。
それまで縁のなかったクラシックを身近に感じたきっかけが震災です。
お陰様で今は、美術も音楽も大切な友達です。

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「森村泰昌 なにものかへのレクイエム-戦場の頂上の芸術」
あるウィークデーの雨の日、朝一で行ったら貸切状態。
映画室と展示と交互に見せる手法。

同時開催の<「その他」のチカラ森村泰昌の小宇宙>
こちらは、熱烈なファンである某コレクターのコレクションで、
巡回していた上記の展示と違って、ここだけ。
その他のエスプリに富んだ小品が並んでいます。

映画「ハーブ&ドロシー」で、作家を熱愛するコレクターの目がどういうのものか垣間見たので、この企画展は面白かったです。
彼の作品は、美は細部に宿るではなくて、笑いは細部に宿る、でした。
仕事がとても丁寧で神経が行き届いています。
やはりどこかで技術が秀でてないと、作品でなくお笑いグッズになりそうな気も。

いや、う~ん、そういうことでもないか・・・

難しいことはわからないけど、ボーダーレスな世界。

それから、どこでどんな媒体で観るかで落差が出ると思います。
建設費220億円の美術館で見るから、芸術鑑賞というスイッチが入るけど、
コスプレ的映像をYouTubeで何の予備知識もなく見たら、どうなるかしらん。
おやじギャグにただ笑うだけかも。

それにしても、ますます役者になられました。
息長く奮闘・ご活躍されていることに拍手したいです。

友人が彼と同じ高校の美術部だったこともあり、初期の頃から注目していました。
指導の美術の先生がいかに良い先生だったか、友人が語るのと同じことを森村氏もどこかに書いておられた。
森村氏の作品を見るたびに、教育のチカラってすごいなと別のことを思ってしまいます。