熟年の手習い

熟年老い易くチェロなり難し

能力のちがい1

2006年01月10日 | 音楽


年末年始、姪姉妹が泊まりにきた。
ブログのスタート時に書いたのが、この姪のこと。
以来1年ぶりの再会。
感情表現豊かな子だけど、ワタシの1年の上達に対する反応はものすごくささやかに感じた。
もっとびっくりして欲しかったのが正直なところ。
現実はそう甘くはないことを実感した。当然だけどね。

二十歳の音楽好きにとっては解せないスピードだったのかもしれない。

中高ブラスバンドでトランペットを6年。
大好きなピアノは断続的に習っている。
一応、ショパンやリストもこなしてるらしい。

もうすぐ念願の幼稚園の先生になる彼女、
チャチなキーボードでお得意の「犬のおまわりさん」を歌って弾いてくれた。

彼女は勉強嫌いで通してきた。父親はエンジニアで勉強が趣味なのに。
親の背中を見なかった子だ。
で、一般知識のなさや、ボキャ貧をつっこまれては「わたしバカだから」というのが口癖になっている。天真爛漫とっても明るい子だけど。

と、ところが驚いたことに楽譜を見ると脳が活性化するようで、すぐ暗譜できるのだ。
元日も練習していたら横で見ていた。
楽譜を見ながらリベルタンゴのCDを聴かせたり、デュエットの曲の片方をキーボードで弾いてもらったりもした。
その時から、彼女の鼻歌がミファミドシミ~ミレドシラシ~やら、ソミーファソミレソソーになって「いい曲だね、覚えちゃったよ~」と言う。
鼻歌は全部ドレミで歌うと言う。

ワタシの練習をみて、非常に的確なコメントをしてくれた。
後のレッスンで先生がまったく同じことを言われて笑いそうになった。
(特に楽譜の読み方)
をまた見直したよ。

そして、わが「ぎいのすけ」を持たせたら、第一ポジションで音階を弾くまねをし始めた。
(ワタシの音階見てたのね。)
弓の持ち方も知らないので音はメタメタだけど。
指が134、134、124、124と白鍵と黒鍵を使って説明したら即納得。
A線ラシドレ→ミファソまで勝手に行ってその先は?ときかれたけどワタシは習っていない。
戻ってA線ソファミの次に移動してちゃんとレドシラを弾いたので仰天した。
まぐれとは言え、初めてなのにそこまでやるか?
ワタシの苦労はいったい…

今度はドレミ・・・がわかったので、ゆっくりメロディを弾き始めた。

「ぎいのすけ」のオマケ、古川展生先生「はじめてのチェロ」ビデオでは生徒役の若い女性が初めて音階を習って、その場で「音階を習ってすぐに、こんなこと言いにくいのですがアメイジング・グレイス教えて下さい」と(しらじらしく)言い、そしてお手本のあとスラーもありで、なんとか弾いてしまう。
「んなわけない!」としらけていたけど、姪を見ていたらまったくあり得ないことでもないかなと思った。

は開放弦を弾いていて、偶然大きく弦を響かせることができた。
サイレントとはいえ、ちゃんと胸に振動が伝わるので「お~!ひびく、ひびく」とすごく喜んだ。
全身で体感することを知っているのだな。

一方姪は真面目に勉学に励むタイプで堅実な会社員1年生。
なぜか自分が習っているアコースティックギターとスピッツその他の好みの音楽以外興味がない。
以前弓を持たせて弾かせようとしたけど、持つこと自体できなかった。
手が大きく断然有利なのに、何とも不器用だ。

同じ姉妹で、余りの差に驚いた。(身長差も15cmはある)

いわゆる芸事?って、勘の良し悪しが歴然、進歩の度合いの差も大きい。
個人レッスンなのでわからないけど、自分はどのくらい鈍いのかなと思った。
先生も手のかかる生徒とそうでない生徒でずいぶん労力が違うのだろう。

先生を余り疲れさせないようにしたいものだわ。えっ、無理って?