令和元年5月14日
海猫(ごめ)が鳴くから、ニシンが来ると、赤い筒袖(つっぽ)の、ヤン衆が騒ぐ 、雪に埋もれた、番屋の隅で、わたしゃ夜通し、飯を炊く・・・(石狩挽歌)
今朝のラジオ深夜便を聞いていると地元のレポーターの方が66年ぶりに礼文島にニシンが戻って来て群来(くき)ができたと話しておられました。66年振りのことですから多くの人にとっては初体験の出来事で驚かれたことでしょう。群来(くき)とは産卵のため海岸に押し寄せるニシンの大群で海が盛り上がりその卵の白子で海が白濁する状態をいいます。平成最後の4月28日と令和初めの5月13日の2回観測されました。ニシンは明治から大正にかけて北海道日本海沿岸の全盛期には「一越こし千両、万両」と言われ浜は大盛況で莫大の利益を上げ、海岸沿いの立派な番屋は「鰊御殿」と呼ばれ繁栄の象徴でした。私もかって旅行した時見物しました。ニシンは春が近づくと群来(くき)が来ることから「春告魚」と呼ばれDHAが豊富で栄養価の高い魚です。乱獲のため絶滅したものが66年の年月を経て復活するとはまさに奇跡ですね。このような椿事が令和新時代に起きるとは幸先良い、おめでたい兆候だと思います。浜が盛り上がり賑わえばよいですね。